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第6話【サイレントキル】Aパート

=心霊科学研究所内部=


そこは、

コンピューターや

魔法の研究をするための

設備がたくさんあり…


今は、10人くらいの人が

自分達に割り当てられた

場所に立ったり、

座ったりしている…。


そこに白いジャージを

着た…コボルトである、

ポチと


ポチの半分くらいの

身長で…

白いワンピースを着た、

フワリが

はいってきた…。


―――――――――――

両手に、妖精の入った

木箱を持ったポチは、


となりに立っている

フワリに・・・


ポチ

「なあ、この中の妖精は

誰に渡せばいいんだ…」

―――――――――――

両手に

かかえた箱を

見下ろしながら、聞くと

―――――――――――

肩くらいまである、

うっすらと桜色がかかった白髪しろかみをした

フワリは、


「ここの一番エライ人」

…と、

ポチに、そう言ったあと


研究員のところに行って

―――――――――――

フワリ

「クールアイ所長に

用があって、

来たんですけど・・・」


所長は、どこですか?と


立ち仕事をしている・・

その白衣を着た研究員に

聞くと・・・


その研究員は


「所長に何かご用が

あるんですか?」

…と、

逆に聞いてきたので

―――――――――――

フワリ

「シルフィちゃんが来た

…と、所長に言って

もらえればわかると

思うんですけど・・・」

―――――――――――

フワリがそう言うと・・


その研究員が

何か思い出した

ような顔で


「ああ!

あなたがシルフィちゃん

ですか!!

所長は、たぶん、ここの

右側に見えるドアの中に

いると思うので、

行ってみてください。」


そう言うので…フワリは


「ありがとう

ございます。」

…と、

その研究員の前で

ペコリと頭を下げてから


ポチのいるところまで

もどるところだったが…

―――――――――――

その途中とちゅう

足を止めて・・・

姿は、フワリのままだが

キリッとした表情になり

―――――――――――

「ちょっと、フワリ・・

あんた、また、

あたしの

名前を使ったな。」


シルフィの

りん

した声になったと思えば

―――――――――――

次の瞬間しゅんかん

―――――――――――

「ゴメンね。

でも…あの所長さん・・

シルフィちゃんの名前を

出さないと・・・

中にれてくれない事があるんだもん。」


フワリのほがらかな声に

変わり・・・

―――――――――――

それを少し離れたところ

から見ていたポチが


「おい!まわり・・・」

…と、

声をかけなければ

まわりの研究員達に

―――――――――――

フワリ

「あっ・・・」

―――――――――――

ずっと、注目されたまま

かも、しれなかった…。

―――――――――――

それからポチのところに

戻ったフワリは・・・


妖精の入った木箱を両手でかかえたポチと

一緒いっしょ


フワリが研究員に聞いた

研究室のドアを開けて…


その研究室の中に入った

―――――――――――

――心霊科学研究所〜第2実験室→内部→

―――――――――――

フワリ

「うわー。」

―――――――――――

ポチ

「こ・・これは・・・」

―――――――――――

午前中では、あるものの

電気がついてないせいで

ちょっと、

うす暗い研究室の中に

はいった、

二人の目に

まず入ったのは・・・


大きな容器の中に

れられた

うすい赤の

液体えきたいの中で

―――――――――――

コポコポ…と

ひざ

かかえたまま

かんでいる

少女の姿だった・・・。

―――――――――――

しかし…

その容器の中の

液体の中で浮かぶ

その少女の姿に、


ポチもフワリも

見覚みおぼえが

あった・・・。

―――――――――――

ポチ

「この子…シルフィに

似てないか?」


ポチの言葉に、フワリが

ウンウン…と、首を二度

たて

って

うなずいていると

そこに・・・

―――――――――――

???

だれだ!?」


黒衣こくいに身を

包んだ黒髪の青年が

研究室の奥から、

ポチ達のいる場所へと、

近づいて来る・・・。


そして…少し長い黒髪の

その青年は、

現れた途端とたん

そのサファイアのような

青いひとみ

フワリの方を見て、

―――――――――――

???

「雪うさぎか…

お前に用はい…

だから・・・早く

シルフィたんを出せ。」


そう言うと・・・


フワリは、

ちょっと困った顔で

―――――――――――

フワリ

「ごめんなさい・・・

ホントに言いにくいんですけど…

シルフィちゃん、今

出たくないそう

なんです。」

…と、

そう…話すのだが、

そこで、その黒衣の

美しい姿をした

長身の青年が、

―――――――――――

「フッ…では

学校行きの話は、

どうなっても良いと?」


そう言ってくるので…

―――――――――――

ポチが

(学校行きの話?)

…と、

考えているあいだに


フワリが

「そ…それは、

こまります!

シルフィちゃん!!」

―――――――――――

出てきて!…と

シルフィに呼びかけ、


次の瞬間。

―――――――――――

シルフィ

「わかったわよ!

もう!」


その声と一緒に

シルフィの姿に変わると

―――――――――――

いつの間にか…

黒衣の美しい青年が、

ネコミミのついた

ヘアバンドを

両手に持って


「これをつけてくれ。」


…と言うので、

シルフィは、

無表情な顔で、


「出てきた途端とたんいきなり、それか…」


そう言って、

話を進めるのだった…。


それから…シルフィは、

ポチに

―――――――――――

シルフィ

「こいつの名前は、

スコール=クールアイ。

この研究所の所長にして

元傭兵もとようへいよ…

こう見えても、かつては

サイレントキルの二つ名を持つ凄腕すごうで

エージェント

だったのよ。」


黒衣の青年の説明をして


それを聞いたポチが、


「こんなに綺麗きれいな顔をしてるのに…」


…と、驚いていると

シルフィが


「そうかもね。」

…と、

その言葉を始めに、


「だけど…スコールは、

おさないころ…

戦争に、ご両親が

巻き込まれたせいで、

小さい時から

ご両親とかがいなかったし…

紛争ふんそう

続いていた

その国で育ったと

聞いてるから・・・

どんなに綺麗きれいな姿をしていても…

子供のころは、

それにかかわって

生きるしか道が

無かったのよ・・・。」

―――――――――――

こう見えても、背中には

たくさんの傷があるのよ

…と、

クールアイが傭兵になった経緯いきさつを、

ポチに話して

―――――――――――

その事情じじょう

理解したポチが、木箱を

両手に抱えたまま

―――――――――――

「だけど…そうなると…

どうして、

傭兵をめて、

ここの所長になったのか

不思議に思えて

くるんだけど・・・」


そう話すと…


シルフィが

「うぐ…そ…それは…」


言いにくそうにしている

ところに・・・

―――――――――――

クールアイ

「それは…オレが

シルフィたんに出会って

しまったからだ…。」

―――――――――――

クールアイが、

突然とつぜん話に

りこんできて…

―――――――――――

クールアイ

「もともとは、

エージェントとして、

当時ある組織そしきから、ねらわれていた…

雪音フワリを

護衛ごえいする

任務にんむだったのだが…

護衛してるうちにオレは、雪音フワリが…

オレのシルフィたんに

変わる現場を

見てしまったんだ。

そして、それを見た

オレの身体に

電気が走った!!

そして、

気づいたんだ…」

―――――――――――

その話を

木箱を抱えながら

聞いていた、ポチが

―――――――――――

なにに、

気づいたんですか?」


そう…聞いてくるので


クールアイは、胸の前で


ネコミミのついた

ヘアバンドを

右手でギュッと

にぎりしめながら


「ああ…きっと…オレは

彼女を研究するために

生まれてきたのだと…」


そこまで言ったあと…

―――――――――――

シルフィ

「待て・・・

途中からの話がおかしく

なってないか…」


…などと言う、

シルフィの言葉は、

聞いておらず…

さらに…

―――――――――――

クールアイ

「そして、それから

オレは、ミューズの

調査ちょうさ

レポートなる、

でっち上げの

申請書しんせいしょをオレの

所属しょぞくしていた組織そしき

提出ていしゅつし…

それで、それが…見事

上層部じょうそうぶ認可にんかをうけて

ここに派遣はけん

された…という訳だ。」

―――――――――――

ネコミミのついた

ヘアバンドを近くにある

つくえに置きながらそう話す…クールアイに


シルフィは、左の方の

まゆ

ピク、ピクッ…と、

動かしながら、


「待て。

おかしいだろ…

いろいろと・・・」


第一…なんで?それで、

所長になれるのよ…と、

クールアイに聞くと

―――――――――――

クールアイ

「それは、キミを

狙った組織そしき

つぶしたから、

それのボーナスってとこでいいだろう・・・。

辞表を出したのに、

いまだに組織から

呼び出しをされるところをみると・・・

ここの所長という地位は、オレをめさせないためのものだろうな…」

―――――――――――

そうなった

裏の事情を話し・・・


シルフィの


「良くそれで…

ここの学院の方にも

通ったわね・・・。」


…と言う話には、

―――――――――――

クールアイ

「そこら辺のごまかしは

スレイブあたりに

まかせた。」

―――――――――――

クールアイが、

そう答えるので

―――――――――――

シルフィ

「スレイブさん…って…

確か、いつも、あんたの

尻拭しりぬぐいを

させられてる人だよね」


そう言って、

可哀想かわいそう

…とシルフィが、

同情すると…

―――――――――――

クールアイも、それに

同調どうちょうする

ように・・・


「ああ…

いつも人の尻拭いを

させられて…大変だな…

あいつも・・・」


そう言うので…


シルフィは


「いや…おも

原因は、たぶん、

あんたですから・・・」

…と、

そう言わずには、

いられなかった・・・。

―――――――――――

そのあと、

思い出したように、

ポチが


「でも、シルフィのために、所属していた組織を

辞めようとしたなんて…

すごい覚悟

だったんですね・・。」


その事について話すと…


クールアイは、

結局けっきょく

辞めなかったけどな」


…と、そう言って、

移動しながら・・・


「大した事じゃないさ…

ただオレは、仕事より、

任務にんむより、

世界より・・・

守りたい大切な女が…

できただけだ…。」


そう言うと・・・


シルフィが


「言いたい事は、

わかったが、

人の胸に頭を

押しつけなければ

言えない事なのか?

それは・・・。」


そう言うので、

―――――――――――

クールアイ

「なら、

グリグリするぜ!!」

―――――――――――

両足のひざ

ついたクールアイが、


頭をグリグリ横に

りながら…

―――――――――――

シルフィの胸に

さらに頭を押しつけると


シルフィは、

「するなあぁー!!」

…と、

さけび声を

あげるのだった…。

―――――――――――

そのあと…クールアイは

立ちあがって・・・

―――――――――――

いったん、シルフィから

はなれたものの…

―――――――――――

まだまだ、彼の

暴走は止まらず

シルフィの目の前で・・

―――――――――――

クールアイ

「そして元傭兵のオレは、今までシルフィたんを守るために、いろんな事を

してきた・・・。」

―――――――――――

クールアイがふたたび

自分の事について話すと


シルフィが


組織そしき

辞めてないんだから…

現役げんえき

傭兵なんじゃ・・・」

―――――――――――

ないの?…と、話しても


クールアイは


「いいんだ…

なぜならば、その方が、

かっこいいからな・・」


そう言ってきかず・・・


さらに、シルフィが、


「いいのか?それで…」


…と、話しても・・・


クールアイは、


「そう・・・

いろんな事をしてきた」

…と、

言うばかりで、

―――――――――――

シルフィ

「聞けよ。人の話。」


…などと言う、

シルフィの話など…

まったく聞かずに、

自分の話を進め

―――――――――――


クールアイ

「ときどき、

雪うさぎの家から

ながれてくる・・

シルフィたんの声を

聞こえるようにしたり」


―――――――――――


シルフィ

「それは、

世間せけんでは、

盗聴とうちょう

いう…。」


―――――――――――


クールアイ

「雪うさぎが

シルフィたんの姿に

変わった時は、

傭兵のスキルを

かして、

こっそり…あと

尾行びこう

してみたり・・・」


―――――――――――


シルフィ

「それを、世間では、

ストーカーと言う…。」


―――――――――――


クールアイ

「彼女の魅力を

広めるために、

生徒達に

シルフィたんと

遊ぶようにすす

たりもした…」


―――――――――――


シルフィ

「あれの原因は、

お前かぁー!!」


―――――――――――

…などと、

話を続けているうちに

シルフィが


「だいたい、なんで、

あたしなのよ!ほかにも

フワリとか鈴鹿とかが

いるじゃない・・・」


そう話すと・・・


クールアイは、


「いや…キミじゃなきゃ

駄目だめなんだ…」


そう言ったあと、

さらに

「雪うさぎや天女の子は

心の光が強すぎて、

まぶしすぎる…。

だから、オレには、

ミューズという

存在なのに、

どこか弱さを抱えた

キミのほう

惹かれるんだと思う。」

―――――――――――

そう話すと・・・


シルフィは、


「そうか…

あんたの気持ちは、

良くわかった・・・」


そう言ったあとで…


両膝りょうひざ

ついたクールアイに

―――――――――――

シルフィ

「けど、子供の胸に、

また頭を、うずめる必要がどこにある…」

…と、話すと

―――――――――――

クールアイ

「気持ち良くないか?」

…と、

クールアイが言うので

―――――――――――

シルフィ

「気持ち悪いわ!!」


シルフィが

自分の気持ちを正直に

伝えると・・・

―――――――――――

クールアイ

「こうなったら、頭を

ドリルのように

回転させてやる!!」


両足のひざ

地につけた、

クールアイが

また頭を何度なんども横にりながら、


シルフィの胸に、

グリグリ頭を

押しつけてくるので…


シルフィは、


「だから!

するんじゃねー!!」


…ってか、

ドリルって!なんだよ!?…と叫ぶのだった…。

―――――――――――


そんな、

二人のやりとりが

続いているうちに…


―――――――――――

今まで、ずっと・・・

中に妖精を入れた木箱を

両手で抱えていたポチが


「あの・・・

そろそろ箱持つの

つかれて

きたんですけど…」


二人の話に口をはさむと

―――――――――――

クールアイが


「むっ…そうか・・・

もう一人いたんだな…」

―――――――――――

ようやくポチが

気になったようなので…

―――――――――――

そこで、ポチは


「ジパング語

うまいですねー…。」

…と、

無難ぶなん

第一声だいいっせいをかけるのだった・・・。


【Bパートへ続く…】



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