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第5話【学校までの道〜】Aパート

ここは、どこだろう…

月明かりの中、

みこが着るような

赤いそでのある

白い衣装を上に着て、

すそが大きい

赤いはかま

下にはいた

長い黒髪の少女が一人、

立っていた。


その少女、

鈴鹿御前は、

「そろそろ…そなたらも

ポチ殿どのの前に

姿を見せたらどうじゃ」


そこにいる少女と少年に

話すと・・・少女の方が

―――――――――――

???

「分かったわよ。

まず、

あたしから、出るわ。」

―――――――――――

そう言うので、鈴鹿は、

右手の4本の指先を

口元にそえて、

プッ…クク・・・と

笑いながら

―――――――――――

影になっている

そのなぞの少女に

―――――――――――

鈴鹿御前

「そなたか…ププッ…

そなたは、確かに

わかりやすい性格を

しとるから・・・

ポチ殿もあつか

やすかろう…。」


そう話すと、

その影の少女は、

―――――――――――

???

「うっさい!!」

…と、

声をあげるのだった。


―――――――――――

―――――――――――


――――次の日――――


フワリの部屋の中で…

ポチは、

自分の身体の上に大きな

タオルだけ、かぶって、

横向きに寝ていた・・。

―――――――――――

フワリは、ベッドの上で

寝ていいよ。…と、

言ってくれたのだが・・


まだ子供のフワリを、

ゆかの方へ

寝せるのは、大人の

コボルトとして、

許せるものでは、なかった…


だから、かぶっていた

大きなタオルをとった

ポチは、立ち上がって、

大きなタオルを

たたむと・・・

その部屋を出て、


そのあと・・・

台所のある居間の方へ

歩いていった→


そして、

居間の外のところで

立ち止まる、

ポチの犬のような耳に


???

「いい?フワリ。

ここの味付けは、

魔法のように

自分の感覚を

研ぎ澄ませるの…」


???

「そうそう・・・

まっ、あんたは、

出来る子だから、

心配してないけど・・・

がんばりなさい。」


―――――――――――

???

「うんうん。

あんたは、素直{すなお}で良い子よね。」

―――――――――――

居間の中から、

声が聞こえてくる・・。


声の主が何者なのか

確認するために

居間の中に入ると→


太陽の光で青く

かがやく銀の

長髪ちょうはつの、

頭の左側を青いリボンで

むすんで・・・

頭の左側ひだりがわの銀髪を

テールの形にした…


紫色むらさきいろ

ひとみの少女が

台所の前に立っていて…

なべそこに火をつけて、

何かをていた。


その少女は、右横の方に

顔を向けて、


ポチの姿を

確認すると・・・

―――――――――――

「目が覚めたみたいね…

待ってなさい。

今、作った料理を

持っていくから…。」


そう言って、

また鍋の方を見て、


左手に持った、

おタマのようなもので、

鍋の中を、

かきまぜていたようなので…

ポチが

「キミは?」


白いワンピースを着た、

その少女にたずねると

―――――――――――

???

「ゴメン。

自己紹介が、

まだだったわね・・・。

あたしは、

フワリの前世の一人で

オリエンス=シルフィード っていうの。

当然、この姿は、鈴鹿と

同じで、光で作った

まぼろしよ。」


その少女が、

りんとした声で、

そこまでいうと・・・

―――――――――――

今度は、違う、

ほがらかな表情と声で、

ポチの方に顔を向けて…

―――――――――――

「シルフィちゃんは、

照れやさんで、人前には、あまり姿は、ださ…」…

―――――――――――

その言葉ことば

途中とちゅう

やわらかかった

表情が元のキリッとした

顔になり

―――――――――――

シルフィ

「もういい。もういい。

みなまでいうな。」


…そう言ったかと思えば

―――――――――――

またフワリの表情になって

「それで、シルフィちゃんは、風の精霊のモデルに、なった人んぅ」


そこまで言うと、また…

ねこのような目を

したシルフィの表情に

変わり


「はいはい。

それは、あとであたしが

話すから…」

――――――――――――そんな様々《さまざま》なやりとりをしているので

ポチの

「仲良いんだな。」


・・・という言葉

ひとつでも

―――――――――――

シルフィが、

また鍋の方へ視線を戻し

―――――――――――

「そんなに良くは、

ないわよ。」と、言えば

―――――――――――

フワリが

「それはないよぉ。

シルフィちゃん。」


そう言葉を返し

―――――――――――

ポチは

(素直すなおじゃ…

ない・・・か・・・)

―――――――――――

でも、息ぴったりだ…と

―――――――――――

また左手のおタマで

鍋の中の料理を

かきまわす

シルフィの姿を見ながら

思うのだった・・・。

―――――――――――

・・・・・・・・・・・

それから、

テーブルの上で


シルフィが、

少しそこ

深い皿にった…

ボルシチという料理を

食べたポチは・・・

―――――――――――

正座せいざするポチと

テーブルをはさんで

向かいがわで、

あぐらをかいてる

シルフィに、

「そういえばさ・・・」

…と、

はなしを、

きりだそうとした時…

シルフィから

―――――――――――

「わかってるわ。

うつわ

魂をれるとこが

見たいんでしょ。

その前に、まず使った

食器しょっき

かたづけましょ。」

―――――――――――

ポチの言おうとしていた

事を、先に口にしたので


ポチは

「あ…いや…ああ・・」


まずは、

両手に持った皿に

シルフィが使った

スプーンを

せたりして…


シルフィの言う通りに

テーブルの上にあった

食器を全部かたづけると

―――――――――――

「じゃあ、

フワリの部屋に行くわよ」

そうシルフィに

言われたので

ポチは、


「あ・・ああ・・・」


…と、居間を出て、

シルフィのあとをついて

いった→


――フワリの白い部屋―

白一色しろいっしょくの部屋の中に入った、

シルフィは、部屋の

すみの方まで

行って・・・

―――――――――――

部屋の中に、

続けて入ったポチに、

―――――――――――

シルフィ

「テーブルに座ってて…」

そう言って

それに対してポチが


「あ…いや…そうだな」


…そう言ってるあいだに

―――――――――――

シルフィは両手で、

そっと・・・

大きな木箱きばこ

フタをけて、

フタを、置いたあと…


木箱の中から、

背中に蝶のような

二枚にまい

白い羽{はね}のついた

背中にとどくぐらい長い

紅い髪の35センチくらい

の身長の女の子の

人形にんぎょうを、

両手で、取り出すと

―――――――――――

それを、

正座しているポチがいる

小さなテーブルの方に

持っていって・・・

―――――――――――

テーブルの前で、

あぐらをかきながら…


テーブルの上に、その

緑のドレスのような

ものを着た、

妖精型ようせいがた

のホムンクルスの器を、

置いて・・・ポチに、

―――――――――――

シルフィ

「じゃあ、

声を出さないで・・・

見ててね。」


そう言って…

テーブルの

向かいで正座するポチが

首を一度、たて

振るのを確認すると

―――――――――――

シルフィ

「じゃあ、始めるわよ」


目をじて

精神を集中させる・・・

―――――――――――

すると、シルフィの

身体のまわりに

太陽のせいで、色が

うすくなっているものの

鈴鹿のまわりに

浮かんでいた、

1000にも近い数の、

あの青白い小さな光が

あらわれて、

―――――――――――

シルフィが、

手の平を広げた左手を

上の方にばすと

―――――――――――

そのかざした

左の手の平に


青白い魂の光が一つ、


吸いまれていく

―――――――――――

すると、

その左の手の平が、


突然とつぜん

青白く光りはじ

―――――――――――

あぐらをかいた

シルフィは、


自分の前のテーブルに

仰向けに置いた

あの小さな器の上に

自分の輝く左手をかざす

―――――――――――

すると・・・

シルフィの左の手の平が

光をうしない・・

変わりに出てきた

あの小さな青白い光が…

仰向けに置かれた器の

胸のところに

吸い込まれていく…

―――――――――――

それから、

いつぐらいだろうか…


あの仰向けに倒れていた

小さな妖精の、

右手の指の何本かが・・

ピクン・・ピクン…と、

動きだしたのは・・・

―――――――――――

やがて…その妖精は、

起き上がって、

テーブルの上に立つと…


シルフィの方を見上げて

―――――――――――

???

「あぅ…えぅ…あぅあ…」

言葉にならない言葉で

話しかけてきたので…


それを見たポチが、

「言葉は、

まだ話せないのか?」


その事をたずねると、

シルフィは、


たましいは、

のうじゃないから

記憶きおく

あるわけじゃないわ…

だから、

どんな魂であろうと…

器にれた時は、

みんな、赤ん坊と

同じなのよ・・・。」


そう…ポチに言ったあとで

生まれたての妖精の

顔の前で・・・


シルフィ

「眠りなさい。」

―――――――――――

ス〜ッと、

左手の人差し指の指先を

左、上、右、下、左…と

そんな円を

何回なんかい

えがいて、

テーブルの上に立つ

妖精を眠らせて・・・


テーブルの上に仰向けに

倒れさせると・・・

―――――――――――

その白い蝶の羽をした

妖精を・・・

両手の手の平で、

そ〜っと・・・

すくい取ってから、

立ち上がり、


それから部屋の

隅の方まで行ってから…

―――――――――――

両手の手の平で、

すくいとった妖精を


フタ

いた木箱の

そこの方に入れると、


それから・・・

木箱が置いてあったところの、すぐ近くにあった…

工具こうぐ

ドライバーを左手に持って…

―――――――――――

その左手にもった

ドライバーで、


妖精のはいった

木箱の

すぐそば

置いてあった木箱のフタを…

ブスッブスッ・・・と、

何回か突きして

―――――――――――

木箱のフタ

なんしょか…

あなをあけてから


立ち上がって、


そのドライバーを

元にあった場所に

もどし・・・

―――――――――――

それから、

部屋のすみ

方である

―――――――――――

その場所の

近くに置いていた・・・

―――――――――――

何か所か穴をあけた

その木箱のフタを使って


木箱のフタを閉じると…

―――――――――――

シルフィは、

それを両手に

はさむように、

かかえて、

立ち上がり、ポチに

―――――――――――

シルフィ

「じゃあ、これから

これを、持って行くから

良かったら、

ついて来る?」

―――――――――――

そう聞いてくるので

ポチは一回、

首を縦に振ってから

―――――――――――

ポチ

「ああ・・行くけど・・

いったい…どこに、

行くんだ?」


そう言って、

立ち上がると…

―――――――――――

シルフィは、

少し考えた表情で

上を向いて・・・

―――――――――――

それから、

少し考えこんだあとで


ポチの方を見て

―――――――――――

シルフィ

「そうねえ〜

簡単に言えば、

ペットショップみたいに、この魂がはいった

生きている器を

管理してくれる

ところかな?

ペットにたとえて

言えば、あたし達は、

そこのブリーダー

みたいなものだから…」


そう話して…


そのあとポチに、さらに

―――――――――――

シルフィ

「じゃあ、あたし

箱を抱えてるから、

先に行って、

ドアとか開けてもらって

良いかな?」


そうたのんで、

―――――――――――

ポチが

「分かった。

先に歩いて、この部屋や

玄関のドアの

めを

オレがやれば

良いんだな?」


そう言うと、


木箱を両手に持った

シルフィは、

立ったままで

――――――――――――

「ありがとう。玄関のかぎは、

そこの左側の方の

衣紋掛えもんかけに

かかっている、

黄緑の服の

ポケットの中にあるから

玄関を出る時に

頼むわね・・・。

あとは、あたしが

先行せんこうする

から、あなたは、

あとから、ついて来て」

―――――――――――

そう言って、

それに対してポチが


「分かった。」


…と返事をして、


言われた通りのところへ

行って・・・

黄緑の服のポケットから


キーホルダーのついた

玄関の鍵を

右手で取り出すと、

―――――――――――

シルフィ

「じゃあ、行きましょ。」

そう言って、


木箱を両手で持って

歩こうとする、

シルフィの前を


ポチが

先行せんこうして…

歩くのだった・・・。


【Bパートへ続く…】



太陽が照らす歩道の上を

白いジャージを着たまま

歩くポチが

―――――――――――

白いワンピースのような

ものを来て

銀髪の頭の左側を

青いリボンで

むすんだ少女

シルフィと

一緒いっしょ

歩いていた・・・。

―――――――――――

ポチは・・・

40センチ四方の

木箱を両手に

かかえて、

先を歩く、シルフィに、


ポチ

「ところでさ。

シルフィも大和姫も

ジパングの言葉を

話せるって事は、

ときどき、こうして、

姿を変えたりして、

ジパングの言葉の

勉強をしてるのか?」


…そう言うとシルフィは

顔を一回、

横にって

―――――――――――

シルフィ

「そうじゃないわ。

あたし達は、一つの頭に

いくつもの意識が

共有きょうゆう

してるようなものだから

フワリが

ジパングの言葉を

覚えれば、

自然と私達も

その言葉を覚えるのよ」


つまりは、フワリの

能力のうりょく

=《イコール》自分達の

実力なのだ…と話すので


いつの間にかシルフィの

右隣を歩いていた

ポチが


「じ…じゃあ

エッチな本とかも・・・」

そう言うと

シルフィは、顔をポチの

いる方へ向けて


「なあ、

言いたい事は、分かるが、とりあえず

変な想像そうぞう

めないか?」


箱を持って歩きながらも

猫のような目で、

じぃ〜と

ポチを見るのだった。


―――――fin――――



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