断罪
この悪行に対し、世界筋肉協会は2045年8月3日
「筋肉存在意義」を唱え、日本でも筋肉法が
改定された。そして翌年5月16日 不法筋肉所持罪により、その男は正式に
有罪筋肉として捕らえられた。
有罪筋肉への極刑。それは退化の筋肉即ち
己の筋肉の破棄であった。有罪筋肉は民衆から滑稽筋肉
と嘲笑され、彼は傷心の筋肉と化していた。
そんな時有罪筋肉へ一通の手紙が届く。それは世界の裏世界筋肉達が
一ヶ所に集う伝説のイベント幻想筋肉達への招待状であった。
しかし時既に遅し。極刑により、筋肉の炉心融解
を起こし始めているその体ではもはや見る影もなし。有罪筋肉は涙した。
しかしその涙が一滴の雫となり彼の胸筋を濡らす時、奇跡は起きた。
天より聖筋肉の兄弟達が降臨したのだ。
聖筋肉の兄弟達は龍筋肉隆々呪文を唱えた。
するとどうだろう、退化したはずの彼の筋肉はメキメキと発達を遂げ
終焉筋肉体となった
終焉筋肉体は天を仰ぎ、嗚咽を洩らした。彼の意思に共鳴するかの如く
全身の筋肉が悲鳴をあげる。比ゆ表現などではなく、この時紛れもなく
彼の筋肉はシャウトしていた。これが俗に言う筋肉の鎮魂歌である。