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第11章


「輸送艦到着まで後5分だな。」

 「フランソワ・ダルラン」の甲板でイリアーは腕時計を確認する。隣にはソレンヌもいて、じっと輸送艦を見守っている。「フランソワ・ダルラン」はリネージュ軍の「アンリ・ペタン」級戦艦の5番艦で外見は第二次世界大戦に活躍した「リシュリュー」級戦艦に酷似している。ただし一回り大きく、主砲は51cm50口径4連装砲を艦前方部に2基備え高射砲と対空機銃は10cm速射砲Mle.68と20mm機銃F2に置き換わっている。艦尾の副砲は撤去され、ミサイルのVLSが設置され、後部甲板が1番副砲が設置された部分の高さに引き上げられ全体的に平たくなっている。そこにヘリ用の甲板とエレベーターで収納できる格納庫が設置されている。

「兵士は配置につかせた。イリアー。準備は万端か?」

「もちろん。その代わり報酬は高くつくからな。」

「そうだが、貴官が満足するだけの量を用意するのはたやすい。」

 くすり、とイリアーは笑みをこぼす。この艦には世界の富の1割、あるいはそれ以上が収納されている。早期に現金化するため、金塊や貴金属、宝石やアクセサリーの類を司令部は買いあさったのだ。

「そうだったな。まぁ、俺は分相応をわきまえてる刺客だ。ほんのちょっとのおこぼれでも満足しよう。ソレンヌ、お前は終わったらどうするんだ?」

「祖国に帰還してこの計画を止めさせる。この世界で得た報酬は莫大だが、祖国に害を及ぼす。核兵器を回収し事後承認させたら危険だ。」

「俺も同感だ。だからここで俺達の世界を救うことにした…それが刺客としてやるべきことだからな。」

 イリアーは気持ち良さそうに笑みをこぼす。ソレンヌも真剣な表情でうなずく。

「で、あの刺客達を引き入れてどうするんだ?」

「司令部の首脳を抹殺させる。入れ替わりに輸送艦に乗り込んで私達は撤収する。全ては首脳部の無能からやられたことにすればいい。後は彼女達を逃がして作戦遂行不可能と言うことで撤収させればいい。」

「あいつらを無事に逃がすのか?」

「どうせ逃げるなら犠牲の少ない方がいいだろう。お前は報酬目当てであの2人を狙っているのだろう?なら、狙う意味もないはずだが。」

 イリアーはこくり、とうなずく。

「あぁ。そうだった…じゃあ、俺は連絡員として残るよ。フリーの刺客ならシェルディアにもいいわけが通る。」

「頼む。」

 ソレンヌが返事をすると、輸送艦が「フランソワ・ダルラン」舷側に到着する。輸送艦からケーブルが延び、兵士達がそれを輸送艦と「フランソワ・ダルラン」後部艦橋に固定する。このケーブルの間をゴンドラが行き来して、人員や食料を運ぶのだ。ソレンヌの計画では帰りの籠に兵士を乗せて脱出する予定だ。


「そろそろだな。」

 輸送艦が速度を緩め、「フランソワ・ダルラン」と同航しているのを確認しクレアは籠の扉を開ける。観覧車の客室くらいの大きさがある大型のゴンドラで、向かい側にはリネージュ兵もいる。

「大丈夫よね?変装とかわかったりしない?」

 フィスカ達は全員リネージュ兵の服装に変装している。輸送艦の兵士達はフィリップ達の仲間であり、簡単に軍服や武器弾薬を渡してくれたのだ。フィスカはダッフルバッグの中にPP28短機関銃を隠し、クレアはそれぞれのメンバーが持つ銃器をバッグに隠している。

 イリスが確認のためたずねるが、フィスカは笑みをこぼす。

「話どおりなら反対側の連中もソレンヌって人の部下だから大丈夫でしょ。」

「それでも150名程度は敵兵がいる。そいつらを皆殺しとか考えたくもない。」

 クレアはため息をつくが、少ない人数にソーマは首をかしげる。

「戦艦ってもっと人数が必要じゃないのか?」

「私達の世界ではそんなに必要としないんだ。300名くらいで運用する。各部署が自動化されダメコンも自動的に行われるからな。駆逐艦など十数名で動かすこともできるくらいだ。これ以上は聞くな。私も海軍の人間でもないし、その辺りのシステムは極秘なんだ。」

 なるほど、とソーマがうなずき別の質問をぶつける。

「何だって戦艦があるんだ?見た感じアイオワ級より改造されてるが…必要なのか?」

「まぁね。単純に話すけど、ミサイルって非常に迎撃しやすい代物なのよ。レーダー波出してるし、ロックオンされた目標に一直線だからね。だから艦艇側の迎撃確率がかなり高まったわけ。99%くらいの確率かな。」

 フィスカの説明にソーマは納得する。いずれはそうなるかも知れないという未来の話ではあるが納得はできた。フィスカはこれ以上わからないのかクレアに目配せをすると、クレアが続きを説明する。

「それとミサイルはコストがバカみたいに高いからな。この世界みたいに大国同士の海戦が起きなくなった世界では表面化してないが、私達の世界ではこれも欠点とされた。だから砲撃戦が主体になった。この世界にもあるズムウォルト級巡洋艦から始まり、重巡洋艦が出来て戦艦が出来ていった。」

「ミサイルの射程はどうなんだ?300kmとか飛ぶのもあるんだが…」

「私達の世界にGPS誘導なんてものはない。衛星は打ち上げたらすぐ敵国が撃ち落しにかかる。」

「けど航空機はどうするんだ?」

「ミサイルや近接防御火器も大量に搭載している。小型艦より使えるスペースが多いから防空の要としても活躍する。それに過去の海戦でも防空網で航空機の攻撃を頓挫させたケースは数多くある。プロペラ機の時代からそうだったんだからな。この世界でも同じだ。」

 話を聞いて、ソーマは納得した表情でうなずく。イリスはよくわからなかったのか、じっと対岸のリネージュ兵を見ている。

『こちらリューゲルだ。聞こえるか?』

「今まで応答がなかったがどうした?」

 クレアが応答するとリューゲルはため息をつく。

『作戦はある程度決まった。艦に入ったら司令部に入り司令官と側近を殺害しろ。それから艦橋を制圧して転移装置を稼働させ、お前達を艦ごと回収する。』

「艦ごと?」

『座標はあとで送る。艦橋を制圧し戦艦のみをシェルディアに送り返す。操作方法と座標はリシュアが指定する。』

「了解だ。」

 クレアはうなずき、そのまま無線をきる。ゴンドラが「フランソワ・ダルラン」の甲板上に差し掛かったときにイリアーがゴンドラに乗り込んでくる。反射的にクレアはP250拳銃を取り出して構える。

「お前は!?」

「落ち着けって。ソレンヌの命令であんた達を支援しにきたんだ。今、リネージュの幹部達は全員艦橋に集まっている。ただ…」

「ただ?」

 イリスが首をかしげると、イリアーはため息をつく。

「よりによってミケロットを呼び出してる真っ最中だ。あいつは強いからな…」

「なら不意をうち私とフィスカで確実にしとめるようにすればいい。奴にわずかでも傷を与えればそれがチャンスになる。」

「言うのは簡単だが…」

 イリアーが渋い表情をすると、イリスが提案する。

「何かその部屋にガスでも流し込めないの?」

「無理だろうな。そんなガスなんてない。」

「硫化水素とかあるじゃない、洗剤を混ぜ合わせて作るとか。そういうの、もっと思いつかないの?」

 イリスに言われ、フィスカとクレアとイリアーは顔を見合わせる。

「…毒ガスはやめたほうがいいと思うな、俺は。こういう艦艇って確か排気とかも簡単にできると思ったんだが。」

「そうだね…」

 ソーマに言われ、フィスカは首を振る。するとゴンドラが到着し、6人はそのまま環境へと入っていく。内部構造は近代的な艦艇とほぼ変わらず2人通るのがやっとな配管剥き出しの廊下と急角度のラッタルがある。イリアーはフィスカ達を船体下部の兵員居住区へと案内する。

大部屋ではなく仕切りが存在し、同じ区の兵員2人が入るような設計になっている。扉もあり、ある程度のプライバシーは守られるようになっている。その空き部屋にイリアーは彼女達を案内する。

 部屋は2段ベッドとロッカーがある簡素なもので、狭いためフィスカはベッドに入り込んで寝転ぶ。

「こんな部屋がついてるのか?」

 部屋を見てソーマは驚いたのか目を見開く。海軍の兵員居住区は大部屋が殆どで、個室は士官にしか割り当てられないものだからだ。イリアーは冷静に質問に答える。

「システムが発展してスペースがかなり確保されたからな。昔の1/10の人員で艦艇を戦闘に投入できる。それより、なるべく早めに幹部達をしとめたいんだが…」

「会議はいつまで続く?」

「今夜だ。それまでにやらないと指揮を執る主要メンバーがそれぞれの艦に戻ってしまう。空母の飛行長とか艦長もいるから、彼らがいなくなればこの世界での作戦行動は出来なくなる。」

 わかった、と全員がうなずくとプランを考え始める。イリアーは携帯端末を操作し、それぞれの携帯電話に「リシュリュー」の地図などをアップロードする。それを見てロッカは顔をしかめる。

「難しいなぁ…」

「まぁ、な。熟知しろとは言わないが…イリアー、9mm弾を集められるか?こいつに突っ込んでおきたい。」

 PP19短機関銃をクレアは出すと、イリアーに見せ付ける。

「あぁ。ちょっと待っててくれ。」

 イリアーが外に出ると、イリスはため息をつく。

「私達、本当に何やってるんだろ…」

「世界を救ってるんだ。」

 ソーマが冷静に答えを返しながら携帯を見ているが、イリスは飽きたのか上のベッドに寝転ぶ。それをみてロッカが首をかしげる。

「どうしたの?イリス。」

「もう嫌になってきた。リネージュ軍がいてもいなくてもどうってことないと思うのよ。」

 それを聞き、クレアは立ち上がるとベッドのふちにつかまり顔だけをベッド上に出す。

「どうしてだ?」

「だって、国のことを考えないのはリネージュも今の政治家も同じだし…」

「そうだな。だが連中が政権を握ったら税金もより重くなるぞ。適当な名目で課税してくるだろうな。」

 イリスはわずかに表情を変えるが、クレアに背中を向けて寝転ぶ。

「そうだけど、私達が戦ってどうするって言うのよ…」

「お前達が戦わなければ何も変わらないんだ…日本人って言うのは戦いを恐れてばかりだな。」

「何よ…」

「いずれどこかの誰かが救ってくれるとか、時期が悪いとかそんなことばかり考えているがそれは違うぞ。自分が動かなければ救いは求められないし、時期は自分で変えられる。」

 真面目な口調でクレアは語りかけるが、イリスは気の抜けた声で答える。

「そういうのはどっかの英雄とか凄い人に任せればいいのよ…」

「何を言っているんだ。戦いに超能力も魔法もいらない。手に武器を持ち、勇気を奮い立たせればいい。石1つを投げつけるだけでも世界に現実を知らしめることだって出来るんだ。」

「…パレスチナの子供の話か?」

 ソーマが不思議そうな顔をしてたずねるが、クレアは首を振る。

「いや…だがおそらく状況は似ているのだろう。その国は非常に貧しく、青年は拉致され紛争に目ざとい武器商人すら近づかないほどだった。だから石を占領軍に投げつけるんだ。もちろんそんなことをすれば捕まえに来るが…その石を投げつける瞬間の写真が雑誌や番組で紹介されたんだ。私もそこに支援に行った。」

「支援って?」

「占領軍に拉致された人物の解放だ。タダでやってもいいって言う刺客と正面攻撃担当の義勇兵を集めてイズアハブ…この世界のイスラエルっぽい国家の収容所を襲撃して民間人を救ってきた。犠牲者も出たが民間人の救出は成功した。」

 イリスはそれを聞き、ベッドから降りてため息をつく。

「何でそこまでするの?貴方達の世界の人って…知らない人のために命を懸けたり暗殺したりして…」

「誰かの役に立って笑顔を取り戻したい、それじゃダメ?」

 フィスカが首を傾げるが、イリスはそれに反論する。

「だって、そんなのって…バカみたいじゃない。死ぬかもしれないのに。」

「生きても何も出来ないならそんなの死んでるのと同じじゃん?だから自分で出来ることをするわけ。私はまぁ悪人殺していくだけなんだけど。」

 フィスカは笑みをこぼす。クレアはやれやれとため息をつきながらイリスに語りかける。

「別に他人のために命を懸けることが美徳だ何だというつもりはない。それがバカらしいと思うなら思えばいい。だが私はお前達のためにやる。」

「私達の?」

「あぁ。私達に協力してくれたお前達のためだ。兵士でもないのに銃弾に身をさらしてくれた。無理なら最後は私達で決着をつけるから、ここにこもっていればいい。空き部屋だから安全だろう。」

 イリスは不機嫌そうな表情をして、首を振る。

「何かそれも嫌よね…あぁもうわかったわよ。救えばいいんでしょ。いつもどおり銃撃戦やって…やってやろうじゃないの。終われば元通りだもの。」

「よかった。」

 笑みをこぼしてロッカはイリスを見つめる。照れたのかイリスは顔を背けるが、フィスカ頭をかきながら口を挟む。

「といっても作戦がないんじゃあねぇ。どうしよっか…」

「古典的な手段はどうだ?俺達が拉致したと偽って後はアドリブで。」

 ソーマが提案すると、クレアは静かにうなずく。

「それがいい。お前達はそこのところ上手く説明してくれ。」

「でも、フランス語はしゃべれないよね…」

 ロッカの言葉を聞き、はぁ、とフィスカはため息をつく。リネージュ軍の兵士はフランス語を喋っているので日本語しか喋れないソーマ達が口を開けばすぐにばれてしまう。

「じゃあそこは俺が何とかしようか?」

 偵察を終えてイリアーが扉を開ける。服装はリネージュ兵の格好をしている。

「本当?」

「依頼主がそうするって言ってるんだからそうしてやるよ。その代わりお前達3人は外で黙って待っていろ。俺が一般兵士のふりをして捕まえにいく。まぁミケロットにはばれるだろうが、一瞬ならごまかせるだろう。」

「その一瞬で怪我させろってことね。」

 フィスカがうなずくと、イリスが手を上げて質問する。

「私達はどうしたらいいのよ。入ってくる人を見張れってこと?」

「スマートフォンを隠してフランス語喋れるアプリでも入れてくれ。それで「来るな」とか「会議中だ」とか短い言葉を言えばいいだろう。ただし怪しまれたら撃て。」

 クレアに言われ、イリスはうなずく。早速ロッカとソーマはスマートフォンを弄り、フランス語のアプリをダウンロードしている。

「会議室の幹部はそんなに多くない。ミケロットに怪我をさせることを第一に考えるべきだろうな。武装した護衛兵は会議室にはいないし、幹部が拳銃を持ったところでどうと言うこともないだろう?」

「まぁね。」

 あっさりとフィスカはうなずくが、ふと疑問符を抱く。

「どう考えても武器は持ち込めないよね。どうすんの?」

「俺がショートソード2本とグロックを持っていく。それで我慢してくれ。」

 はぁ、とフィスカはため息をつく。さすがに捕まったまま武器を持っていくのは難しいためやむをえないが、ミケロットに重傷を負わせなければ苦戦することは間違いない。不安を表情に出しながらフィスカは拘束するためのバンドを両手につける。後ろから見られなければ拘束しているように見えるのだ。

「行くぞ。」

 クレアが合図をするとソーマヤイリスたちが後ろからクレアを小突く。フィスカはうなずくとそのまま歩いていく。フィスカとクレアはリネージュ軍の服装をしているがバラクラバは剥ぎ取られ、顔をさらしている。

「ちょっと聞きたいんだが。」

「どうしたの?」

 フィスカがイリアーの話を聞きながら艦内を歩いていく。

「…いつ、ソレンヌ達のことを知ったんだ?」

「ソレンヌたち?つい最近だけど。」

「海軍と陸軍でいがみ合ってることくらいわかるだろう、お前達なら…もっと早く接触してくるかと思ってたが。」

 それをきき、フィスカは表情を変える。

「いや、だって情報もなかったし…」

「派閥争いをしているという情報は大事だろう?何でわざわざ総司令部は最近まで隠していたんだ?」

「そういえば…」

 ソーマもそのことに気づき、急にそわそわし始める。

「変だな。兵士を尋問すればそれくらい簡単に聞きだせるはずだが…」

「…やばいんじゃないのか、その総司令部。」

 イリアーが顔をしかめると、フィスカもうなずく。

「だよね…これはちょっといろいろと考えた方がいいかも。」

「そうだな。シェルディアと聞いて少し安心していたが、気をつけなければなるまい。」

 クレアも同意するが、きな臭い展開にロッカが首をかしげる。

「リューゲルって人と、何か問題があるの?」

「一応ね。まぁたいしたことはないし何とかなると信じたいけど…」

 フィスカは渋い表情をしながら歩いていく。イリアーはわざと乱暴にSG552突撃銃のストックでフィスカの背中を小突くとフィスカはイリアーをにらみつけ、それからラッタルを上がる。

 急角度のラッタルを上り、会議室まで到着するとイリアーが扉をノックする。

「あけてくれ。例の刺客2人を捕らえたので処遇を聞きたい。」

「入れ。」

 すぐに答えが返ってくるとイリアーは扉を開け、フィスカとクレアを会議室に突き出す。その後ろにソーマとロッカ、イリスがファマス突撃銃を持ってじっと後ろを警戒する。会議室には10人ほどの幹部とミケロットがテーブルを囲っていて、その視線はフィスカとクレアに注がれる。

「お前にしては大手柄じゃねぇか、イリアー。」

「俺だってやるときはやる。」

 むすっとした様子でイリアーはミケロットに答える。クレアは鋭い視線でミケロットをにらみつけるが、安全だと思ったのかミケロットはクレアに近づいてくる。

「良くやったぞ、イリアー。高い金を払ったかいがあったというものだ。」

「どうでもいいから賞金をくれ。褒め言葉よりも生け捕りにした追加報酬の方が欲しい。」

 幹部は表情をゆがめるが、すぐに部下に指示を出すとトランクを持ってこさせる。その間にミケロットはクレアに近づく。

「いい顔してるな、てめぇ…敵じゃなかったら遊んでもいいところだ。」

「っ…」

 ミケロットがクレアの頬を撫でるとクレアは嫌そうな表情をして顔を背ける。フィスカはクレアの様子をじっと気にしている。

「けどなぁ、捕まったからにはいろいろと吐かせてやるよ。生きてるのが嫌になるってくらいいろんなことしてやるからな…?」

「それは楽しみだ。」

 くすり、とクレアが笑う。ミケロットは気に入らなかったのか顔を背けると幹部のほうを向く。

「で、こいつらをどうするんだ?」

「殺せ。刺客など…!?」

 幹部の1人が言葉を詰まらせると同時に銃声が鳴り響く。クレアが袖に隠していたプレッシン拳銃を4発全て打ち切ったのだ。銃弾はミケロットのわき腹と左腕、肩に命中したがとどめは刺しきれていない。

「っ!?」

 ミケロットはすぐにテーブルの後ろに隠れる。その間にフィスカとクレアはイリアーからショートソードを受け取り応戦しようとした幹部を次々に切り裂いていく。幹部も何が起こったかもわからずに、驚愕の表情を浮かべたままなすすべなく倒されていく。その間にイリアーはソーマ達を連れて外に出る。

「ちっ、不意打ちかよ!てめぇら…!」

「悪いな。ここまでしなければ倒せないと思ってな…!」

 クレアは剣をミケロットに振り下ろすが、ミケロットは死んだ幹部からサーベルを引き抜き受け止める。片手が使えないため斧も、M14EBR自動小銃も使えないのだ。

「そういうわけ。悪いね。」

 フィスカはミケロットに突撃し、逆手もちにした剣を横に振るうがミケロットはサーベルで受け流す。それでも動きは鈍く、反撃に移らないうちにクレアは体制を整え剣を振り下ろす。

「けどな、そんな程度で倒せると思ってんじゃねぇ!」

 ミケロットは力任せにクレアを弾き飛ばす。クレアは壁に叩きつけられるが、その間にフィスカが剣を振り下ろす。ミケロットはサーベルで剣を受け止め、はじき返すと出口の扉へと向かおうとする。

「逃すか!」

 幹部のホルスターからグロック17拳銃を抜きクレアがとっさに射撃を加える。ミケロットの肩を掠めた隙にフィスカがミケロットの真正面に回りこむ。

「逃すわけないじゃん?」

「てめぇら、悪役じみたことやりやがって…!」

 ミケロットがサーベルを突き出すとフィスカは剣で受け止め軌道をそらす。その隙にクレアがミケロットの背中を切りつける。

「刺客だからな。」

 同じタイミングでフィスカとクレアはミケロットの胴体に剣を貫通させる。ミケロットは血を吐き倒れこんでしまう。

「満足だろうな、てめぇら…俺を殺せて…」

「当然だ。フィスカを傷つけて…大勢関係のない奴を殺したお前はな。」

 クレアが剣を引き抜くと、ミケロットは笑みをこぼす。

「そんな程度のことしか言えねぇのかよ…俺はやりたいようにやっただけだ。てめぇらは…特にお前はまだ足りないんだろう?」

 ミケロットはフィスカに語りかけるが、フィスカは首を振る。

「足りないけどさ、だからといってやりすぎるわけには行かないの。あんただってそうなった結果じゃん?」

「何にも縛られなかった結果だ…それが刺客だ。お前達は国や人に縛られ、考え方まで狭くなってるようだな…お前らが来るのを楽しみに待っててやる…」

 そこまで言って、ミケロットは血を大量に吐き出し事切れる。フィスカとクレアはそっと両手を合わせて祈る。

「「汝粗暴なれど、死を持ってそれを償いたり。魂に安らぎあれ。」」

 そっと2人は祈ると、早速廊下に出る。イリアーとソーマ達が周辺を警戒しているが、特に兵士達に目立った動きはない。

「艦橋に黄色い煙幕を流し込んでお前達がガスを流し込んだことにしておいた。さっさと言ってこの艦をシェルディアに転移させてやるといい。

「わかった。すぐに行く。」

 フィスカとクレアはバラクラバを被りエレベーターに乗り込む。ソーマとイリス、ロッカも一緒に乗り込むとエレベーターが上昇し、黄色い煙で充満した艦橋に到着する。そこでフィスカはリシュアに連絡を入れる。

「艦橋内部に入ったけど、転移装置ってどれ?」

『デジタル制御されている装置です。タッチパネル式なのですぐわかると思います。』

 フィスカが注意深く機材を探していくと、ボタンもレバーもない大画面の装置を発見する。そのパネルを押すと制御画面が現れる。

「出たけど次は?」

『範囲指定を最小、転送先の座標を以下のとおりに指定してください。』

 フィスカが転移装置を弄っている間にイリアーが戻ってくると、艦橋の扉を閉鎖する。

「これで準備完了だ。リネージュの連中が入ってきたらぶっ放せ、いいな。」

「了解。」

 ソーマはファマス突撃銃を構えながらうなずく。イリスとロッカも同様にして構えるが、表情は少し緩まっていた。真面目に毒ガスと信じているのかリネージュ兵は艦橋に近づこうともしない。

「準備完了、それじゃあ行くよ!」

 フィスカが威勢のいい声をあげながらパネルを押すと、突然のように艦橋外の風景がゆがみ、外が一瞬真っ白になる。それもほんの十数秒で終わり、「フランソワ・ダルラン」全体が大きく揺れながら海に着水する。周囲には「おおすみ」級輸送艦と思われる輸送艦と「あきづき」級護衛艦に良く似た艦艇1隻と重巡洋艦並みのサイズを持つイージス艦が「フランソワ・ダルラン」を取り囲んでいる。

「ようこそ、シェルディアに。」

 クレアが笑みをこぼしながらソーマ達に話しかける。すると「おおすみ」級輸送艦らしい輸送艦からUH60Jヘリコプターが発進。「フランソワ・ダルラン」艦尾のヘリ甲板へと着艦し始める。

「後はシェルディアの連中に任せよう。イリアー、倉庫に案内してもらえるな?」

「当然だろ?」

 イリアーはフィスカ達を手招きし、エレベーターに乗り込む。そこでようやくソーマ達はバラクラバとヘルメットを取り、床に放り投げる。

「どうするんだ?倉庫に行って。」

「お前達も協力者だ。報酬の1つは必要だろう?」

 ソーマが首をかしげると、クレアは笑みをこぼしイリアーに倉庫まで案内させる。あちこちで銃声が聞こえ、時折爆発音も混ざっているが気にせずにクレアは進んでいく。

「報酬って?」

「お前達に金塊の1つでも分けなければいけないだろう、ってことだ。それを持ち帰ってこのことは誰にも言うな。銃を握ったことも、相手を倒したことも全て、な。」

 そうだよな、とソーマも納得する。クレアなりに気を使ったつもりのようだが、少しさびしくもあるようだ。

「お別れ、なの?」

「お別れだね…しゃーないよ。住む世界も違うし、あんたたちだと絶対この世界が危険に思えるだろうから。」

 さびしげにフィスカも笑みをこぼすと、ロッカがフィスカにすがりつく。イリスは首を振ってフィスカからロッカを引き剥がす。

「ありがとうね。フィスカ…貴方のこと、ちょっと…今でも危ない人と思ってるけど、こうしてる分には悪くないと思った。」

「イリスこそ、最初は生意気で危なっかしかったけど…頼りになったよ。」

 フィスカが笑みをこぼしながら答えると、イリアーが手招きする。

「ここだ。」

 イリアーが水密扉を開けると、多数のコンテナが置かれている船倉にはいる。そしてコンテナを1つ開けると多数の金細工の財宝が入っている。

「これって…」

「あぁ、タックスヘイブンを襲撃して換金した金細工類だ。私達の世界でも価値はまったく変わらないからな。」

 イリスは早速金貨を持ち上げ、じっと見つめる。そしてポケットにしまうと、コンテナ内部の金貨を思いっきり真上に放り投げる。

「全部私達のもの!?」

「さすがにそんな金は持ち帰れないだろう。せいぜいスーツケース1個分にとどめておけ。多すぎる金は身を滅ぼす。」

 イリスは軽くうなずくと、アクセサリーなどを身につけて見せる。ロッカもイリスに駆け寄るとネックレスをつけてみる。

「楽しそうだな。」

 ソーマは少し離れた場所から2人の様子を見つめている。それに気づいたフィスカがソーマに近づく。

「いらないの?」

「いや。上手く行き過ぎてかえって恐いんだ。」

 だよねぇ、とフィスカもうなずく。すると89式小銃を構えたシェルディア軍の兵士が入ってくる。

「お、味方…」

「いたぞ!」

 フィスカが笑みをこぼした瞬間、シェルディア兵が89式小銃を連射してくる。とっさにフィスカは回避しようとしたがかわせず、銃弾を脚と肩に受けて倒れてしまう。

「フィスカ!?」

「油断しすぎだ、まったく!」

イリアーがSG552突撃銃を連射して応戦するがシェルディア兵はコンテナの影に隠れ射撃を回避する。

「援護しろ!」

 クレアはP250拳銃を発砲しながら前進する。その間にソーマやイリアーがシェルディア兵の隠れている場所に猛烈な射撃を浴びせる。シェルディア兵が出てこない間にクレアはフィスカを引きずり、コンテナの裏に隠れる。

「大丈夫か!?」

「とりあえず鎮痛剤頂戴…あいつらぶっ飛ばしてくる。」

 痛みに顔をゆがめながらフィスカが答えると、クレアは首を振る。

「私がその分頑張るから休んでいろ。」

「遠慮するよ…!この状況だし!」

 フィスカはグロック17拳銃をホルスターから抜くとシェルディア兵めがけ発砲する。クレアもため息をつきP250拳銃を発砲する。しかしシェルディア兵は次から次へと倉庫へ突入してくる。しかもソーマ達のファマス突撃銃も弾切れを起こしてしまう。

「くっ……」

「そこまでだ、諸君。」

 聞き覚えのある声を聞き、全員が銃をおろす。船倉に入ってきたのはリューゲルであり、ヒゲをはやした40代程度の外見をしている。それよりも目を引くのは重厚な鎧を着込んでいることであり、背中の部分に機械が接続されている。

「ご苦労だった、フィスカとクレア…それと協力者達。」

「手荒い歓迎だな。何発も撃たれたんだぞ。」

「当然だ。ここでお前達を殺しに来た。」

 クレアは目を見開くが、ソーマはP226拳銃を構えコンテナに隠れている。イリスは固唾を呑み、ロッカは震えている。

「どういうことよ!?」

「あいにくだが、戦艦1隻と世界を変えうるほどの財産……放置しておくわけには行かないのでな。フィスカとクレア…出てくればそこの3人の命だけは助けてやろう。」

「っ……」

 フィスカがじっとリューゲルの様子を伺う。するとクレアがコンテナの陰から出ようとする。

「ど、どうするのさクレア!」

「負傷したお前と弾切れのあいつらだけでは話にならん。イリアーもすぐ逃げるだろう。私が出て降伏すれば助かるかも…」

「バカ言わないでよ!クレア…!あんたが行っても殺されるだけだって!」

 ぐっとフィスカがクレアのズボンを掴んで退きとめ、クレアはため息をつくと思いとどまる。するとイリスも近づいてくる。

「裏切られた、ってわけ?」

「そうだな。」

「さっさとぶっ飛ばしてしまえばどうなのよ。あんな連中、何とかならないの?」

 イリスはP226拳銃のスライドを引くが、フィスカは首を振る。

「無理。鎮痛剤飲ませて…そいつが効いたらあいつら全員倒せそうだけど、あいつら待ってくれそうにないし。」

「だったら時間を稼げばいいじゃない。どうにかして。」

 そうだな、とクレアがうなずくと起爆装置のスイッチを取り出す。爆弾は持ってこなかったのだが、クレアは笑みをこぼす。

「やるだけやってみる。他の出口を探せ。私は見栄を張ってみる。」

 えぇ、とイリスが答えるとフィスカに肩を貸す。フィスカも鎮痛剤の注射を打つとそのままイリスに連れて行かれる。

「返事はまだか!?」

「考えを変えた。一歩でも近づけば爆弾を爆発させる。ここは喫水線より下だ。穴が開けば…わかるな?お前達は私と道連れだ。」

 コンテナの裏からクレアが出てくるとスイッチを片手にリューゲルに呼びかける。それを聞いてリューゲルは表情を変える。

「おい、ふざけるのもやめろ!お前達も助からんぞ!」

「どうせ死ぬならお前達も一緒に死ねばいい。ついでにこの金もぶっ飛ばす。リューゲル、お前の鎧で泳げるのか?」

 シェルディア兵達は戸惑い、リューゲルは歯軋りをしながらクレアをにらみつける。クレアは笑みをこぼし、イリスたちの合図を待つ。

「…よし、開いた。」

 その間にソーマが水密扉を開き、イリアーが先に出てSG552突撃銃に銃剣をつけてから出て行く。イリスがハンドサインを出すと、クレアはうなずきグロック17拳銃を構える。

「追いかけたら爆弾を爆発させる。それでいいなら来るといい。」

 クレアは不敵な笑みをこぼし、拳銃を構えながら最後に脱出する。イリアーはクレアの姿を見て軽く笑みをこぼし、後部ヘリ格納庫へと向かう。

「いい脅し方だな。あれなら爆弾を警戒してしばらく時間を稼げるだろう。」

「あぁ。それで作戦はあるのか?イリアー。」

 イリアーはちらりとクレアの方を向いてから話しかける、

「あることはあるが、助け賃はもらうぞ。」

「お礼いっぱいするけどさ、あんまり欲張らないでよ?」

 フィスカが釘を刺すと、静かにイリアーはうなずく。

「求めすぎれば命を失う間柄だからな…成功報酬の半分貰えればいい。」

「いいだろう。」

 すぐにクレアが報酬を決める。ヘリ格納庫にはシェルディア兵が2名しかいないため、それぞれ散開して強襲できる位置につく。

「どうするんだ?」

「お前達が気を引け。その間に捕まえて尋問する。」

 了解、とソーマがうなずくと武器を捨ててそっと歩いていく。シェルディア兵は89式小銃を向けながら日本語でソーマ達に話しかける。

「何者だ!?」

「降伏する、撃たないでくれ!」

 両手を挙げてソーマがシェルディア兵に近づく。イリスとロッカも同じように両手を掲げて出てくる。

「おい、どうする?」

もう1人のシェルディア兵も89式小銃を構えながらソーマ達に近づくと、イリアーとクレアが真上からシェルディア兵に襲い掛かり一瞬で拘束してしまう。

「な、何だお前達は!?」

「それはこっちが聞きたいんだけど。貴方達、どこの兵士?」

 フィスカがP220拳銃をシェルディア兵から奪い、頭に突きつけながら尋ねる。

「この人…す、すっごく危ないから…ね?言ったほうがいいよ?」

 ロッカも横から口を挟むと、シェルディア兵はあっさりと喋ってしまう。

「海兵軍第2師団第8中隊所属だ。」

「そんな部隊はないはずだが?」

 鋭い視線でクレアがにらみつけると、シェルディア兵は首を振る。

「特殊作戦のためにかき集められる臨時編成の中隊だ。大方、荷物の中身を知ってるシェルディア兵と雇われの兵士で編成されてるんだろう。俺もそうなんだが。」

「任務って何よ。」

 イリスがシェルディア兵をにらみつけて答えると、彼はため息をつく。

「司令官のリューゲルはリネージュ兵を殺して戦艦を確保し積荷を奪えとしか言ってなかったな。捕虜はいらないから皆殺しにしろと。こういう作戦にはよくある話だ。けどあんたらまで巻き込まれて…災難だな。」

「災難で済む話じゃないんだよ、俺たちは。」

 ソーマはイラついた様子で答える。するとクレアは89式小銃を拾いシェルディア兵を2名ともボディチェックをして金属製品を全て剥ぎ取る。

「お前達は救命ボートで逃げる時間をやる。命が惜しかったら上官に言わずこの作戦から逃げることだ。適当な理由をつけて駆逐艦に回収してもらえ。」

「わ、わかった。」

 クレアは拘束を解き、シェルディア兵2名を後部甲板へと連れて行く。その間にソーマとロッカが89式小銃を取り、イリスはファマス突撃銃に銃弾を装填する。フィスカも鎮痛剤が効いてきたのか、体を動かしている。

「もう大丈夫なのか?」

「ちょっと痛むけど、何とか。」

 傷口に包帯も巻かれ、フィスカは笑みをこぼす。ソーマは不安げにフィスカを見つめる。

「イリアー、あれで大丈夫なのか?」

「……俺には到底ああいう真似は出来ないな。ただ、そうまでして戦いたいのはお前達を守りたいからだろうな。」

「俺達を?」

 複雑そうな表情をソーマは浮かべるが、イリアーはソーマの肩を叩く。

「当たり前だ。誰かのために何かしようと思うからここまで出来る。普通に考えて大怪我してるのにまだ戦う奴なんていない…刺客ならなおさらだ。」

「俺ってそんなに頼りないか…?」

 そこか、とイリアーは首を振る。

「兵士なんて簡単になれるものでもないし、相応の実力と判断力が必要だ。自分の実力を受け入れることだ…」

「そうだよな…」

「ただ…銃を握れなくなってもトリガーの感触は一生忘れるな。それで得たもの全てを心に刻んでおけ。」

 それだけ言うと、イリアーはロッカをつれて他の船室へと向かう。残されたソーマは89式小銃を手に、して各パーツのチェックを始める。しかし銃弾は心もとなく、イリスとロッカで分け合えば2つのマガジン分、60発程度しかない。


「武器庫はどこだ?わかるか?」

「ううん、海軍は詳しくないし…」

 イリアーとロッカは周囲を見ながら歩いていくが、部屋が多すぎて武器庫がどれかさっぱりわからずにいる。するとシェフ姿の女性が2人を手招きする。

「こちらです…」

「ん?あぁ。」

 何気なく手招きにイリアーが応じ、ロッカも彼女に随伴するとそのままシェフ姿の女性は武器庫に案内する。ファマス突撃銃とグロック17拳銃などが置かれており、5.56mm弾も大量にある。

「あ、ありがとう!これで戦える!」

「…必ず、守ってください…私を…この艦を…リューゲルたちは、貴方達を殺し、艦を自沈させるつもりですから…もう、貴方達に頼るほかないんです。」

 それだけいうと、シェフ姿の女性が立ち去っていく。ロッカが追いかけていくが、角のところで見失ってしまう。

「消えた…?」

「…この「フランソワ・ダルラン」の意思か。」

 きょとんとした表情でロッカはイリアーを見つめる。

「…そうなの?」

「おそらくだが、な。艦が沈めば意思も消える…とりあえず、弾薬はありがたく貰っておこう。」

 こくり、とロッカもうなずくと5.56mm弾をポーチに詰め始める。イリアーもあるだけの5.56mm弾をかき集め、2人でヘリ格納庫へと戻っていく。


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