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十三章 (2) 王都レンディル



「旦那方に奥様方、宿はお決まりですかぁ」

「馬車のご用はこちらまで!」

 ごった返す船着場に、客引きの声が響き渡る。迷子になりそうな幼子を慌てて引き寄せる母親の叱り声、要領の悪い荷運びを怒鳴りつける男のどら声。

 洪水のような人ごみの中を、カゼスは懸命に泳いで行く。頭を隠す布をもぎ取られまいと押さえ、片手をエイルとつないで――その後ろにアーロンもつながっている筈だ――前を行くナーシルが両肩に担いだ荷物を目印にして。

 どうにか少し空いた場所に出ると、カゼスはぶはっと息を吐いて、地べたに座り込んでしまった。エイルはぎりぎり片方の蔓だけ耳にひっかかっていた眼鏡を大事そうにかけ直し、アーロンはしわくちゃになった服をあちこち引っ張っている。

 船が王都に着いたのは、深い藍色の空にまだ星が消え残っている頃で、客人たちが眠りこけている内に、ケイウスがあれこれの手続きや荷降を終わらせていた。おかげでカゼスたちは役人に形ばかり旅券を見せるだけで船を下りることが出来たのだが、永遠にも思われる時間を経て辿り着いたのは、港からやっと数百メートル離れただけの所にある、小さな広場だった。

「これで皆さんも王都の洗礼を受けたわけですね」

 愉快げにケイウスが笑い、彼もまたくしゃくしゃになった頭を手で梳かす。カゼスはへたり込んだまま、力なく笑った。

「なんともはや……こんなに凄いとは予想外でした。王都はどこでもこんな具合ですか」

「ご心配なく。あなたが行くつもりの図書館近辺は、割合に閑静ですよ。議場や取引所、それに劇場の近くは凄まじいですがね。宿を取られるのなら、図書館の近くで探す方が賢明だと思いますが」

 そこまで言い、彼はちょっと迷う風情で口をつぐんだ。カゼスはただきょとんとしたが、その背後でナーシルが嫌な予感に顔をしかめる。

「おいまさか、当家にお越しを、なんて言い出すんじゃないだろうな、あんた」

「おや、ここに先見の出来る者がいたようだ」

 ケイウスはおどけて応じ、ナーシルの抗議を片手で制した。残る片手は杖の柄頭に置いたままだ。その手にちらりと目を落とし、それから彼は静かに言った。

「港からここに来るまでの間に、足が自由である事のありがたみを痛感しましたよ。カゼス、あなたは自分がどれほどの恩恵を施したか、想像もつかないでしょうね」

「あー、いや、それは本当に気にしないで欲しいんですけど」

「その内にはね」ケイウスは笑った。「慣れてしまえばそれが当たり前になって、忘れてしまうでしょう。だから今の内にせいぜい恩返しをさせて下さい」

 そこまで言うと、彼は今にも噛み付きそうなナーシルに向かって、「それに」と穏やかな口調で続けた。

「私の提案は実際的です。まず話を聞いて貰えませんか」

 言葉遣いも丁寧な依頼だが、そこから感じ取れるのは優しさや上品さよりも、忍耐強さの方だ。すなわち、下手に出ているのは不利だからでも弱いからでもないのだから、付け上がるなよ、との牽制。本人がそう意識しているかどうかは別として。

 ナーシルは低く唸ったが、ケイウスは取り合わなかった。今度はエイルとアーロンに向かって話しかける。

「私と早く縁を切りたくてうずうずしている御仁もおいでのようだが、ここで私と別れたら、また新たな『知り合い』を増やす結果になりかねない。次々に新しい人間と接触するよりは、今の知り合いだけでやりくりする方が、危険は少ないでしょう。

 当家の館が――と言ってもこじんまりしたものですが、王都にもあります。父は今も近衛軍団に勤務しているもので。敷地内に離れがあって、私が都に出向いた時はそちらに滞在するのが常ですが、母屋からの召使は殆ど来ませんし、私が留守にしている間も、カウロニアからの召使が皆さんのお世話を引き受けます」

「確かにそれなら」エイルがふむとうなずいた。「彼らの方も私たちに慣れているから、部屋に入るなとか荷物に触るなとか、変な振る舞いをしていても気にするなとか、言わなくても済むわけだねぇ」

「地元の人に噂が広まる危険も低いでしょうね」

 アーロンが言い、ナーシルも渋々「まあね」とそれには同意した。ここまで船で一緒に過ごしてきて、ケイウスの召使たちは皆、分別があって口が堅いと気付かされていた。恐らくは主人の秘密を守るために、口と頭の軽い者は次々に解雇され、最後まで残った者たちなのだろう。足の不自由な主人を支えて、自然とその私的な領域にまで踏み込む召使が、何でもかんでもべらべらと喋ってしまうようでは困る。しかもこの若旦那は国王の幼馴染みなのだ。

 一同の賛意を得たケイウスは、にこりと笑顔になった。

「それに、館は閑静な地区にあります。図書館からもそう遠くはありませんし、皆さんに使って頂ければ、ちょうど手入れにもなります」

「あんたはすぐ帰るのかい」

 ナーシルが問うと、ケイウスは束の間、考えを巡らせてから答えた。

「まだ分かりません。少なくとも数日は滞在するつもりですが、王都での用事がどうなるかによりますね。まぁ、すぐに片付いたとしても……折角ですから、もう少し皆さんとご一緒したいと思います」

 言葉の後半はカゼスに向けられていた。愉快げな仲間意識を浮かべたまなざしと共に。カゼスはようやく気力を取り戻し、よろけながらも立ち上がった。

「願ってもないことですけど、でも、条件がひとつ」

「何です?」

「必要経費は請求して下さい。ここまでの船旅の分も合わせて」

 せちがらい話に、ケイウスが目をぱちくりさせた。気前の良い若旦那は、客人に金を払わせることなど考えていなかったらしい。カゼスは情けない表情で付け足した。

「無銭飲食に無賃乗船、果ては居候だなんて、どうにも落ち着かなくて」

 短い間があってから、ケイウスが声を立てて笑いだした。アーロンとエイルは諦めまじりの苦笑を交わし、ナーシルは天を仰ぐ。カゼスは目をしばたいた。

「……私はそんなにおかしなことを言いましたか?」

 筋を通したつもりで笑われるのは不本意だ。いささかむっつりしたカゼスに、ケイウスは笑いをおさめて「いや、失礼」と詫びた。

「気にしないで下さいと言っても、どうやらあなたには無理のようだ。もっとも、今後ほかに誰かから援助の手を差し伸べられたら、代価を払うなどと言って相手の誇りを傷つけられぬように」

 言われてやっと己の無礼を悟り、カゼスは大慌てで謝った。

「すみません、そんなつもりじゃないんですけど、あの、ただ私は」

「お構いなく。俺はあなたがどこか想像もつかない遠くからの客人だと知っているから、何を言われても怒りはしませんよ」

 鷹揚な言葉にカゼスはホッと安堵する。ケイウスは保証のしるしか、ぽんとカゼスの肩を叩いてから、一同に向かって言った。

「すみませんが、館へはナブが案内します。私は先に友人のところへ行かなければなりませんので」

 手で示された召使が一礼する。四十絡みの男で、余計な口はきかないが、と言って無愛想というわけでもない。目と口元には笑みの気配が漂っている。

 カゼスはナブの礼に会釈を返してから、ふと気付いて恐る恐る尋ねた。

「友人、って……もしかして、国王陛下ですか」

「ご存じでしたか」

 一瞬、ケイウスは怯んだ様子を見せた。それから苦笑し、小さく頭を振る。

「昔、ほかの何人かと一緒に机を並べた間柄です。俺の方が年下なので、よく妙なことを吹き込まれたり、悪ふざけに巻き込まれて叱られ役を押しつけられたりしていました。今でも子分の一人ぐらいに思っているんでしょう。王都に来たらすぐ挨拶に行かないと、うるさいんですよ」

 やれやれと嘆く様には、しかし、悪意はない。

「国王にしては、それほど悪い奴ではないんですがね。おっと、今のは忘れて下さい」

 ではまた後ほど、と言い置いて、ケイウスは従者一人だけを伴い雑踏に姿を消した。

 カゼスたちはナブの後について、今度は港ほどの人込みに苦労することもなく、街路を北へと歩きだした。

 舗装された石畳の道は馬車のための道と歩道とがきちんと分離され、毎日掃除もされているらしく、一日分以上のゴミは落ちていない。通りの両側には店舗が続き、日用品や食べ物やあれこれを店先に並べている。行き交う人々には身なりの良い者もいれば、明らかに乞食だと思われる者もいる。そして誰もが忙しそうで、ほとんど他人に目をくれない。都市の光景がそこにあった。

 二階建の商店の屋根ごしに、遠くの大きな建物が見える。ケイウスが言っていた、劇場だのなんだの、だろう。カゼスは時々首をのばしてそれらを見物しながら、はぐれないように足を急がせた。

 やがて一同は大邸宅の並ぶ一画に入り込み、その片隅にあるこじんまりした屋敷に案内された。門からして、ほかの家に比べると随分小さい。カゼスは世話になるのが申し訳なく感じられ――すぐにその考えを改めた。

「でっ……かい……」

 こじんまりした屋敷、そのすべてが『離れ』だと気付いたのだ。虚ろな笑みを浮かべたカゼスの視線の先に、公園かと間違えそうな庭を挟んで、宮殿と言っても良さそうな邸宅がどんと控えていた。横でエイルもぽかんと口を半開きにする。

「我々が通ったのは勝手口みたいだね」

「……そのようで」

 金を払うなどと言わなければ良かった。要らぬ恥をかいた、とカゼスは嘆息した。

 ややあって彼らはそれぞれ贅沢な客室に案内されたが、その広さに馴染めず、一番広いカゼスの部屋に集まって額を寄せ合うことになった。

「流石にラウシール様のお部屋は広いなあ。俺の部屋はこの半分もないよ」

 ナーシルが天井をぐるりと見回し、少し皮肉っぽく感心する。ケイウスと同行するようになってからというもの、彼の態度からは初対面の頃の無邪気さが――元々見せかけのものだったにしろ――ほとんど消えてしまっていた。

 カゼスは彼の声に含まれる毒を無視して、強引に話を変えた。

「さてと、これでやっと本来の目的に戻れますね」

「まったくだね」

 エイルが苦笑する。そもそもの目的はカゼスを呼ぶ声の正体を突き止め、解決策を見いだすことだった筈。なのに、その糸口を引っ張ってみたら、転移装置だの失踪だのが団子になってもつれた毛玉がくっついていたために、ここのところはそれをほどく事ばかりに気を取られていた。

「久しぶりに心安らぐ書物の海に身を沈められるというわけだが……カゼス、私も本が読めるのかな?」

「え? ああ、翻訳呪文のことですか。ええ、読み取る方は出来ますよ。もちろん逐語的に理解できるわけじゃありませんから、大雑把なところですけどね。書く方は、受け取った相手が翻訳呪文を使えなければ読み取れませんから、無理ですけど」

 それが理由で、カゼスは念のためにセレスティン宛ての手紙をアーロンに書いてもらったのだ。

 と、横で聞いていたナーシルがうんと伸びをした。

「それじゃ、偉いさん方が本に埋もれている間、俺はちょっと休ませて貰おうかな」

「何言ってるんだい、君も手伝うんだよ」

 即座にエイルが却下した。その断固とした口調に、他の面々は意外そうな顔をする。ナーシルは一拍置いて不満げに反論しかけた。

「でも俺は……」

「重い本を何冊も抱えて、何度も書架と机を行き来するのは大変だし、ともかく関係がありそうな記述を探すだけなんだから、専門家だろうとなかろうと、人手が多いに越したことはない。そうだろう? それに、休むと言ってもどこに行くんだい」

 エイルの声がすっと冷えたように感じられた。

「王都に潜んでいるお仲間と接触して、何かやらかそうってつもりじゃぁ……」

 ナーシルがさっと気色ばみ、腰を浮かせる。青ざめたのは怒りのせいか、それとも図星を指されたからか。するとエイルは不意にとぼけた表情に戻った。

「……ないか、なんて誤解されたくないだろう?」

「…………」

 ナーシルはぎりっと奥歯を噛みしめ、今にも暴れだしそうな険しい顔でエイルを睨み付けた後、ふうっと息を吐いてどさりと椅子に腰を下ろした。はらはらしながら見守るカゼスとアーロンとは対照的に、エイルはのんびりしたものだ。

「私は親切で言ってるんだよ。それに、君に近くにいてもらえる方が、いざと言う時に安心だからね」

 思わせぶりに言って彼は眼鏡を外し、念入りに拭き始める。困惑していたアーロンが、やがて「まさか」と息を飲んだ。

「ケイウスさんが僕らのことを、国王に知らせるだろう、って言うんですか」

「今、まさに話しているところだろうねぇ」

 他人事のように言い、エイルはふっとレンズに息を吹きかけて曇らないのを確かめてから、おもむろに掛けた。あまりにそれが泰然としているので、カゼスは取るべき態度を決められず、ただおろおろする。

「待って下さいよ、どうしてそう思うんです? それにもしあなたの言う通りなら、ここで世話になるなんて危険もいいところじゃありませんか」

「危険はないよ。たぶん、今のところはね。向こうにしてみれば、我々は既に掌中にあるわけだから、もう少し泳がせて、いったい何が目的なのかを探り出したいだろう。だからこっちも、しばらくはそれを利用させて貰えばいいと思ってね」

 図太くもぬけぬけと言い、彼は無邪気そうに目をぱちぱちさせた。

「根拠については、まあ、状況証拠かな。ケイウスが言っただろう、君のことを好きになってしまいそうだ、って」

「ええ、まあ……でもそれが何か?」

「その時に、困っただか参っただか、そんなことを言っていたね。つまり本来は、彼は君に――我々に、好意を持つべきじゃないと自戒していたんじゃないかな」

「そんな一言だけで?」カゼスは顔をしかめた。「別段あの話の流れでは、そんな意味じゃないように思えましたけど……それに、あの人が私たちを騙していたようには思えませんよ」

「騙してはいないさ。彼は自分のことについて全く嘘は言ってない。ただ黙っていることが沢山あるだけでね。でもあの顔には見覚えがあるんだよなぁ」

 エイルはふと宙を見上げ、何やら頭を掻いた。不審顔になった仲間たちに、彼は曖昧な表情で続けた。

「昔、私が今の分野じゃなく、あー……故郷にある別の大陸で穴堀りをしていた頃のことだけどね」

 テラとは大洋を隔てた向こうにある、シャナ連邦が代表する大陸だ。カゼスにはすぐに分かった。シザエル人もそこの出身だし、ほかにも少数民族が多数せめぎ合っていて、大規模な戦争こそないものの、常にどこかで火花が散っている不穏な土地。

「そこは小競り合いが多くてね。私が掘り返していた辺りも、軍人が常駐していたんだ。もちろん発掘を始めた頃は平和だったから、何事もなかった。彼らもただ突っ立っているだけのようなもので、退屈だからか、私とも色々話をしてね。感じのいい連中だったよ。だけど、段々きな臭くなってきたなと思っていたある日、特に仲良くなった一人が、この前のケイウスと同じ顔をして言ったんだ。『残念だよ先生、あんたが好きになりかけてたのに』」

 しん、と沈黙が下りる。今や全員がエイルの話に聞き入り、固唾を飲んでいた。

「もちろん私はすっ飛んで逃げた。発掘現場にいた仲間全員を連れてね。ほんの数日後に、その辺りは戦場になった。情報を把握していなかったのか、近くに居残っていた別の発掘隊が人質にされ、数人は棺に入れられて帰国した。……彼らは本当に、感じのいい連中だったんだよ。見せかけでなく、友人だった。だがそれでも、やる事はやる。それが彼らなんだ」

 あの一人は私たちを逃がしてくれたわけだけどね、と付け足して、エイルは話を締め括った。さすがにカゼスは言葉が出て来ず、暗い表情で黙り込む。ややあって彼は、ゆっくり首を振った。

「分かりません。そうかも知れないし、そうじゃないかも知れない。でも……」

「まあ、真相はそのうち分かるさ。それに、案外無事に済むかもしれない。私たちはちょっとばかり調べ物をしに来ただけの無害な存在だと思ってくれるかも知れないし、ナーシルのことまでは、まだ把握していないかも知れない」

「そうですよ」アーロンが口を挟んだ。「だって、カゼスさんの正体は知られてしまいましたけど、ナーシルのことは誰もしゃべってないじゃありませんか。もし僕たちと出会う前から何かを掴んでいたのだとしたら、それは」

 そこでアーロンはぎくりと言葉を飲み込んだ。自分が何を言おうとしているかに気付いて顔を引きつらせる。ナーシルが辛辣な笑みを浮かべた。

「学府の誰かが密告した、ってことになるな」

 カゼスの正体もナーシルの立場も、カウロニア経由で王都に向かうということも。だがそれらすべてを把握しているのは、セレスティンとリュンデ、ヴァフラムの三人だけだ。

 暗澹となった空気を払おうとばかり、いきなりカゼスがぶんぶん首を振った。

「あーっ、もう、やめましょうこんな話! なんとかなりますよ、なんとか。それより、おなかが空いてきました。ナブさんに頼んで、何か軽いものを貰ってきます」

 勢い良く立ち上がり、カゼスは急ぎ足に部屋を出て行く。その後ろ姿を見送り、エイルはふと苦笑をもらした。

「時々、カゼスも結構図太いなぁと気付かされるよ」

「……あんたに言われたかないだろうね」

 ナーシルがぼそりと厭味で応じたが、むろんエイルはまったく気にしなかった。


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