だいにじゅうさんわ「……ありがとね」
長い間、更新せずに申し訳ありませんでした。
光が収まり、その先には黒い球体が浮かんでいた。
俺は、これ《・・》が何だか知っている。
彼女の知識の中にあったそれを俺は……
「いただきます……」
食べた。食べたのだ。
「「「はああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」」」
ですよね~。
今の叫びは言うまでもなくミラ・ミリア・チェチェンだ。
まあ、この行動の真意を識っているの俺と彼女だけなのだからしょうがないとは思うんだけどさ。
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「何してるんですか、ソラさん!?」
私にはソラさんが何をしたいのかまるで理解できなかったのです。
だって、SS級プルーフを倒したら出てきたものを何の迷いもなく口に運んだのですよ?
これを理解できるやつ出て来いなのです。
「何って……食事?」
「『食事?』じゃないですよ!?何かもわからないものを口に運ぶとか、親に教わらなかったのですか!?」
「そうよ!?空、あんた一体何がしたいのよ!?」
「ですです!!訳のわからないものを口に入れるとか無いです!!」
私の後に二人も続いてきたのです。
当たり前です。
あのSS級プルーフから出てきたと思われるものを何の迷いも躊躇もなく口に入れるとか何を考えてるんですか!!
そう思っていたら、とんでもないことを口走ったのです。
「大丈夫だよ。俺は知ってるから。まあ、教えないけど」
「「「はああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」」」
こうなっても、仕方ないですよね。ですよね!?
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
教える気はないさ。
これは、俺と彼女のために必要なものだからこそ体内に取り込んだんだ。
「じゃ、疲れたしちょっと寝るわ。お休み~」
俺は、静かに目を閉じ、意識を落とす。
「ちょっと待…………」
その声は最後まで聞こえないまま、俺は意識を手放した。
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意識がゆっくりと覚醒する。
周りを見回しても何もない白い空間が広がっていた。
その中に異質なまでに異彩を放つ扉があった。
「あー、この中に入れってことだよな?」
俺は意を決してドアノブに手をかける……が瞬間にドアが高速で開かれた。ちなみに開いた方向は俺のいた方向だ。
「遅い!!何やって……何やってんの?」
顔に手をあて痛がる俺にやった当人はそうのたまった。
「お前がやったんだよ!いきなり扉を開けんな!つか、こっちに開くのかよ普通逆だろ!てか、なんで夢みたいな空間なのに痛いんだよ!」
思わず、思ったことを全部言ってしまった。
「え、それはごめん。扉は適当に作ったもんだから仕方ないでしょ?これは夢じゃなくて精神空間みたいなものだからそりゃ痛いでしょ」
答えてくれたよ。
「そうかい。ま、いいさ。とりあえず、あれは手に入った。つか、食った」
「ありがと。まさかほんとに約束を守る気があったとは」
「まあ、約束だからな。でもさ、ほんとにこれでどうにかなるのか?」
これが、一番の疑問だった。知識を貰ったとはいえ、どうするのかまでは教えてもらっていない。
「なるわ。まあ、使う時までは秘密だけどね」
そうかい。
「じゃ、戻るわ。心配してるだろうしな」
「ええ、ありがと。今度は、寝たときに勝手に呼ぶわ」
呼ぶのかよ。
「じゃな」
「ええ」
そして俺は目を閉じ、意識を正しく覚醒させる。
戻る瞬間、彼女が小さく呟いた。その呟きは聞こえなかったけれど……。
「……ありがとね」