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だいじゅうさんわ『我は喰らう者』

 『それ』は禍々しい気配を辺りに放っていた。何故そんなことがわかるかって?だって、黒い何かが『それ』から吹き出ているんだから分らないはずがない。


「うはぁ……」


「初めて見たですよ。SS級ですよ」


 しかも、『それ』が見ていたのは俺だった。なんというか、まるで品定めするかのようにこちらを見ている。


 最初に感じたのは気持ち悪いという感覚。そして、恐怖だった。自分の中の何かがあのプルーフからの視線に脅えている。


 格言う俺も、汗が止まらないような感覚に陥っていた。実際には汗など一滴すら掻いていない。だが、冷や汗とでも言うのだろうか、あまりの禍々しさに体が竦み、震えが止まらない様な気分になる。


 嫌だ。嫌だ。逃げたい。そんな思いに心が満たされてしまうが、俺は思いなおす。


 誠に、非っ常に不本意ながら、俺は魔法少女なるものになってしまっている。


 俺が、魔法少女から解放されるためには魂との対話が必要不可欠だし、かと言っておごそかにすれば、魂に引きづられてしまうらしい。なら、俺がやるべき事はさっさと対話を済ませ、解放されるようにすることだけだ。


 だから、俺には逃げるという選択肢は存在しない。


 そう、存在しないが故に俺は間違えてしまった。選んではいけない選択をしたことすら気づいていないのだから。







 ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆







 ああ、この極上の香りは我の理性を失わせる。


 我慢を続けたせいもあるのだろうが、もう、我には『彼女』を喰らうことしか頭には残っていなかった。


 まずは、『彼女』の近くにいる燃えるような匂いを放つ『彼女』を我の喰らうべき『彼女』から引き離そう。


 小さな分体を作り出し、『彼女』にだけ感じられるように仕組み放った。


 そうして我は空へと飛び、一撃にて『彼女』を喰らう準備を整えた。


 だが、気づかれてしまったようだ。仕方ない。実力を持って喰らうとしよう。







 ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆







 こいつには、何か特別なものを感じるですよ。


 伝説に語られる程度しか出現例のないSS級プルーフですから、特別なものを感じないわけがないのですが、それでも何かとてつもないものを感じたですよ。


 SS級プルーフは伝説なのですよ。S級ですら出現率はそこまで高くないのですが、SS級は存在自体があり得ないと言われてるのですよ。


 SS級の定義は闇のオーラを視認できるほどの密度で放っていることなのですよ。ですが、あれが放つオーラは一般人すら視認できてしまうレベルなのですよ。


 これはマジヤバかもですよ。かと思っていたら、プルーフがゆっくりと『口』を開けたのですよ。


『我は喰らう者。そなたを喰らうものなり』


 喋ったのですよ!?これは、本格的にやばいですよーーーーーーーー!!!

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