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だいじゅうにわ「いよいよお出ましってか?」

 その日は、朝起きた時から嫌な予感がしていた。


 嫌な夢で目覚め、朝食時にはコップが割れ、登校時には雨に降られ、昼食は家に置き忘れた上に財布を忘れ、帰りには再び雨に降られた。


 不幸という不幸が続くもんだから、やってられなくなって不貞寝をしようとしたんだが、ミリアに起こされてしまった。


「見回りに行くですよ~」


「今日は行きたくないんだが……。絶対に嫌なことが起きるって」


「関係ないですよ。仕事ですよ?」


「だよな~……」


 突っ伏すしかなかった。


 まあ、仕事だから行くしかないのだけれども……。







 ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆







 やってきました街の中。


 ビルの屋上位なら跳べば行ける。上から索敵する方が早いからね。


 いつもは見回りながらやるんだが、今日はとことん不幸続きだし、歩けばコケまくった(変身した後な)。ミラに迷惑をかけるわけにもいかないから、今日ばかりは見回りをせずにやることになった。


「仕方ないですよ、ソラさん。そう言う日もありますって」


「そうなんだが、未だに嫌な予感が消えてくれないんだよ。何なんだろうな」


「さあ?とりあえず、ここからできることをやりましょう」


 ミラは別れてやる方が危険だというから、ビルの上でひたすら感覚を研ぎ澄ませつつ、索敵用の魔法を発動させた。




 しばらくして、小さな反応が出た。


「これは、標的じゃないけどやらないとね」


 そう言って、ミラは飛んで行った。残念ながら、俺はまだ飛行用の魔法を習得できていない。


 それに、発見したのは弱いプルーフのようだし、ミラだけでも問題ないだろ。


 そう思い、索敵を再開しようとしたとき、ミリアが騒ぎだした。


「ソラちゃん!上ですよ!」


「上?上がどうした?」


「良いから避けるです!」


 その言葉に頷き、俺は隣のビルに飛び移ると、大きな音と共に大きな黒い塊が降ってきた。


「おいおい、何でこんなのがいて策敵にかからない」


「上にいたのですよ。それに探していたプルーフならば、索敵くらいならかいくぐると思いますですよ」


 っつうことは?


「いよいよお出ましってか?」


 このとき俺は、ミラが戻ってくるまでは逃げるべきだったんだ。


 こうして、最悪のプルーフと俺は出会ってしまった。

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