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『1章完結!!』光と闇の継承者~初代最高神が生まれる時~  作者: 加藤 すみれ
2章 旅立ち、新たな仲間

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命の始まり

スミレとメイサが離れ、一息ついたところでアイビスとスイレンが一歩前に出る。

「改めて、名乗らせてもらう。

俺は、アイビス。魔神族だ」

そう言って胸に手を置く。

「私は、スイレン。

魔神族と女神族の混血」

スイレンは、きれいなお辞儀をした。


「混血......もしかしてルイが言ってたのって......」

スミレがルイを見ると、彼は小さく頷いた。


スミレは深く息を吸うと真剣なまなざしでスイレンを見る。

「それで、なぜスイレンさんは私を姉さんと?」

スイレンとアイビスは顔を見合わせ、アイビスがその問いに答えてくれた。

「これから言うことは、君にとってはつらいことになるかもしれない。

それでも聞くか?」

スミレは、深く頷いた。


「わかった。

すべてを話そう。君たちがどうして生まれたのかを」


19年前

魔神族と女神族が激しく争っていたころ。

魔神族には、”蒼の舞人”と呼ばれる者。

女神族には、”戦場の歌姫”と呼ばれる者がいた。


「メイサ様!!」

叫び声と同時に世界が急速に動き出す。

氷が地面を割り、メイサを森まで弾き飛ばす。

「がぁッ」

メイサは一本の木に打ち付けられた。

その衝撃でメイサはしゃがみこむ。

「お前が、”戦場の歌姫”か」


木の陰から一人の男性が現れた。

その腰には、一本の剣がある。

「っ。その剣......

あなたが蒼の舞人?」

メイサが男性の顔を見ると、どこか驚いているような顔をしていた。


「......なんて、美しい......」

男性から、つぶやくように言ったその言葉にメイサは意味が分からず、混乱した。

「は?」

メイサはあっけにとられた。

「なぜ、初めて会った私に?」

「あまりにも君が美しすぎたから。

それに君は、この状況でも声は震えていない。心の強さがある」

その言葉にメイサは一瞬固まり、ほほを赤くする。


「わ、分かっているの?私たちは、魔神族と女神族。

敵対してるのよ?」

その言葉に、男性は真剣な顔をして言った。

「わかっているさ。

でも、思ったことを口にするのは悪いことじゃないだろう?」

その言葉にメイサの顔は、もっと赤くなる。


「......おかしな人ね。

あなたの名前は?」

「アイビスだ。

もう、うんざりだ。こんな戦いに何の意味もない。

”戦場の歌姫”と呼ばれるリーダーのような存在を倒せば、何か変わるんじゃないかと思った。」

男性は空を見上げ、遠くから聞こえる戦いの音に耳を澄ませる。

メイサも同じように空を見上げ、耳を澄ます。

「そうね。

戦いは、孤独しか生まない。だから私も、早く終わらせたかった」

二人はお互いを見つめる。

「おんなじだな」

「そうね」

戦いへの思いが同じだった二人には、友情が芽生えた。


それから、二人は秘密裏に会うようになった。

戦いの途中、誰もが寝静まる夜。

二人は「敵のはずなのに」と笑って、また会う約束をする。

夜が明けるまで話し合い、気がつけば笑い合っていた。

やがて、友情は愛情へと変わる。


そして、3人の子が生まれた。


女神族の力を受け継ぐ男児、シュン。

魔神族の力を受け継ぐ女児、スイレン。

そして、両方の力を受け継ぐ女児、スミレ。


「見て、アイビス。私たちの愛が、3つも......」

二人は喜び合い、抱きしめ合った。

だが、決断しなければいけなかった。

「もう、これ以上はごまかしきれない。

村の人々は、私が最近あまり村にいないことに気が付いてしまっている」

「俺もだ。

もう、一緒にはいられないだろう」

二人の顔は暗く、ほほを何かが伝った。


「スイレンとスミレ。この子たちは俺が引き取ろう。

そっちでは、魔神の力は危ないからな」

そう言ってスイレンを抱え、次にスミレを抱えようとするが、その手は止められる。

「......その子は、私に育てさせて。

その子の重みを、私が支えてあげたい」

スミレを見ながらメイサは言う。

その真剣なまなざしに、アイビスは頷き、スイレンを抱き暗闇に消えた。

「次に会うときは、家族全員で」

そう言い残して。


「俺はそのあと、軍を抜けて仲間を集めた。

平和を作る会として」

スミレは口に手を当て、驚いていた。

「......では、あなたは父さん。

その子は妹なのですね?」

メイサとアイビスは頷く。

スミレの命石が、淡く光る。


「黙っていてごめんなさい。

あなたにとって、魔神族は恨むべき存在なのに......」

メイサ、アイビス、スイレンの顔が暗い。

「いいのです。

それに、確かに恨んではいますが、それは魔神族に対してではありません」

その言葉に、三人はスミレの顔を見る。


「私が恨んでいるのは、襲ってきた者と命令を下した者だけです」

スミレは微笑み、スイレンとアイビスの手を取る。

その手は、少しだけ震えていた。

「生まれてから18年もの間。離れ離れでしたが、これからよろしくお願いします。

父さん、スイレン」

二人は、手を握り返した。

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