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第2年生編 第19話:1分間の限界突破

[ショッピングモールの特設ステージ]

(ณ ลานกิจกรรม ศูนย์การค้าใจกลางเมือง)

エンジン音と電子計算音が会場に響き渡っていた。数百人の観客がテストステージを囲んでいる。そこには、アキラの鋭利でセンサーに満ちた**『ブラック・ドラゴン』と、サンのシンプルだが屈強な『サン・ギア・ハイブリッド』**がそびえ立っていた。

「ルールは単純だ。60秒間、最高速度で稼働させる。平均RPM(回転数)が高い方が勝者だ!」審判の声が響く。

「サン……大丈夫なの?」フェースが心配そうに潤滑剤のスプレーを渡しながら囁いた。

「僕を信じてください、フェース先輩」サンの瞳には強い意志の光が宿っていた。

[テスト開始]

「スタート!」

キィィィィィィン! アキラのエンジンがジェット機のような高音を上げる。デジタル画面のRPMが猛烈な勢いで上昇していく。8,000... 12,000... 15,000!

「ふん……アルゴリズムの力だ。マイクロ秒単位で燃料噴射を完璧に制御する。君には一生追いつけない領域だよ、サンくん」アキラが勝ち誇ったように言った。

サンは答えない。彼は目を閉じ、エンジンの本体にそっと手を置いた。画面を見るのではなく、歯車の「鼓動」を聴いていた。

「今だ! コン! 吸気バルブ全開!」

「よっしゃあ! 行け、サン!」

ズゥゥゥゥゥン! サンのエンジンが重厚な咆哮を上げる。RPMが跳ね上がった。10,000... 14,000... 16,000! ステージが激しく振動する。

「何だと!? あの歯車、あの負荷に耐えているのか!?」アキラの顔が驚愕に染まる。

[30秒経過]

両エンジンとも限界まで加速するが……サンのエンジンから白い煙が吹き出した!

「サン! オーバーヒートだ! ピストンが溶けちまうぞ!」マインドが叫ぶ。

「まだだ……まだ足りない!」サンは歯を食いしばった。昨夜、フェースと一緒に調合した『特殊潤滑剤』を取り出す。「フェース先輩! 手を貸してください!」

フェースは迷わず踏み込み、サンと一緒に冷却オイルをエンジンの芯部へと流し込む。二人の手が熱気の中で重なり合った。

「突き抜けろぉぉぉぉぉ!!」 サンが叫ぶ。

[ラスト10秒]

アキラの画面は18,500 RPMで止まっていた。AIの安全システムが破損を防ぐためにリミッターをかけたのだ。

だがサンの画面は:18,600... 19,000... 19,500!!

バァン! 終了の合図とともにサンのエンジンが沈黙した。金属のきしむ音が静寂に響く。

中央モニターに結果が表示される。

勝者:サン・ギア(平均 18,200 RPM) / 2位:ブラック・ドラゴン(平均 18,150 RPM)

わずか50回転の差でサンの勝利だ!

「馬鹿な……俺が、本能的な計算に負けただと?」アキラは震える手を見つめ、立ち尽くした。

サンは額の汗を拭い、涙を浮かべて喜ぶフェースに向き合った。彼女は衆人環視も構わずサンに抱きついた。「やったわね、サン! やったわ!」

サンは穏やかに微笑み、アキラを睨みつけた。「これはまだ始まりです。全国大会では、想いのこもった歯車がどこまで回るか、思い知らせてあげますよ」

アキラは悔しげに奥歯を噛み締めた。「……覚えていろ。次は、この50回転の屈辱を何倍にもして返してやる!」

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