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第2年生編第17話:動き出した歯車と、見えない敵

【技術科・実習棟にて】

機械の轟音が響く中、作業着姿のサンは「高効率ハイブリッドエンジン」の調整に没頭していた。コンが横でスパナを渡しながら手伝っている。

「サン、今度の全国大会は甘くないぞ」コンが汗を拭う。「他校の連中は化け物揃いだ。特に北工の『アキラ』って奴は相当手強いらしい」

「引けないんだ、コン」サンは手のグリースを拭き取りながら答えた。「これは、フェース先輩の両親に、僕には彼女を守る未来があるってことを証明する唯一のチャンスなんだ」

【昼休み】

フェースが弁当を持って実習棟にやってきた。「サン、少し休んで。サンドイッチを作ってきたわ」

彼女はサンの隣に座り、'SUN' のキーホルダーをじっと見つめた。「この歯車が、私たちの夢まで連れて行ってくれるわよね。信じてるわよ」

【一方、実習棟の影にて】

アイビーが棚の陰から冷ややかな目で見ていた。「ふん、イノベーション大会? 慢心してるそのエンジンが、本番で『壊れて』も同じことが言えるかしらね」

彼女は電話をかけた。「プランBを開始して。あいつのプロジェクトを、大会前にただのクズ鉄に変えてやりなさい!」

【その日の深夜 - 静まり返った実習棟】

二つの怪しい影が忍び込んだ。狙いは、部屋の中央にあるサンのエンジンだ。

「早くしろ。コンロッドのボルトを半分抜いておけ。高回転になった瞬間、エンジンは粉々だ」一人が囁いた。

だが、その手がエンジンに触れた瞬間…… パッ! 実習棟中のスポットライトが点灯し、彼らを照らし出した!

「こんな夜更けに、僕のエンジンの点検を手伝ってくれるなんて、感心ですね」サンが暗闇から現れた。横ではコンがスマホで全てを録画している。

犯人たちが逃げようとするが、サンは不敵に微笑んだ。「逃げなくていいですよ。昼間にアイビーがうろついているのを見て、嫌な予感がしたんです。だから『防犯システム』と『センサー』を組み込んでおいたんですよ。これも一つのプロジェクトですから」

コンが笑う。「サンのことを知らないのか? こいつは技術科の『電気の悪魔』だぜ。あんたたちが窓から入った瞬間、俺たちのスマホに通知が来たんだよ!」

【翌日 - 校舎のベランダにて】

アイビーは自信満々に報告を待っていた。だが、サンがフェースの手を引いて悠然と歩いてくるのを見て、表情が凍りついた。

「ああ、アイビー。ありがとう」サンが足を止め、静かに言った。「君の作戦のおかげで、エンジンに『自己診断システム』を搭載するアイデアが浮かんだよ。今の僕のエンジンは賢いんだ。異常事態をすべて検知できる……『心の汚れた人間』が近づいたことさえもね」

アイビーの顔から血の気が引く。コンがスマホの証拠動画を突きつけた。

「この動画、指導部に送るか? それともフェース先輩の両親に直接送ってやろうか?」

フェースが失望の眼差しでアイビーを見た。「もうやめて、アイビー。たとえエンジンを壊せても、私のサンくんへの信頼は壊せないわ」

サンはフェースの手を強く握り、前へと歩き出した。「行こう、フェース先輩。優勝を掴み取りに」

アイビーはただ一人、屈辱と敗北感の中で震えながら立ち尽くしていた。

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