第2年生編 第13話:トラック上の賭け、そして勝利の咆哮]
体育祭のメインイベント、4x400メートルリレー決勝。僕はアンカーとしてトラックに立っていた。
「サン! コンからのバトンを絶対に逃すなよ!」先輩の声が響く。
視線を外に向けると、ピンクと白の衣装を着たフェース先輩が、僕に向かって力強くポンポンを振っていた。その隣ではマインドちゃんが、祈るような表情でコンを待っている。
【レース開始!】
号砲が鳴り響き、バトンは次々と繋がれていく。第3走者のコンが、猛烈な勢いで僕の元へやってきた。
「サン! 紫に気をつけろ!」コンが叫びながらバトンを渡す。
アイビー率いる紫チームのアンカーは、体格の良い男だった。走り出した瞬間、彼は故意に僕に肩をぶつけ、コース外へ押し出そうとしてきた。
「くっ……!」バランスを崩しかける。
もしここで負ければ、アイビーの言いなりになってしまう。フェース先輩を悲しませるわけにはいかない……。
「逃がすかよ!」
僕は歯を食いしばり、全神経を足に集中させた。爆発的な加速で紫のランナーを引き離す。
「サンーーー! 走ってーーー!」フェース先輩の声が耳に届いた。
最後の一歩。僕は胸からテープに飛び込んだ……。
ゴールした直後、芝生に倒れ込む僕に、フェース先輩が真っ先に駆け寄って抱きついてきた。
「やったわね! サン、最高にかっこよかったわよ!」
悔しさに震えるアイビーを遠くに眺めながら、僕は先輩の温もりと、仲間の笑顔に包まれていた。




