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第2年生編 第11話:親友のための反撃と、マインドの涙

サンは、ポワチョー技術専門学校の校庭にある石のベンチで、「強制異動命令」を握りしめているコンを見つめていた。いつも明るい親友の顔が、今は見たこともないほど絶望に染まっていて、僕は見ていられなかった。

「コン……大丈夫か?」僕は隣に腰を下ろした。

「来週から、国境近くの工場に異動だってさ、サン……」コンの声が震えていた。「アイビーの仕業に決まってる。あの日、俺がお前のためにブレーカーを切ったから、その腹いせに俺を狙ったんだ」

「心配するな、コン。お前をどこへも行かせやしない」

僕は、これまでで一番強い意志を込めて言い切った。


僕は管理棟にあるアイビーの個人室へと向かった。隣には、僕を支えるようにフェース先輩が並んで歩いている。僕は怒りに任せて飛び込んだわけではない。手には「切り札」を握っていた。

「あら……親友にお別れでも言ってきたんですか、サン先輩?」

アイビーはスマホから顔を上げ、勝ち誇ったような笑みを浮かべた。

「今すぐコンの異動命令を撤回しろ」

僕はデスクの上にUSBメモリを叩きつけた。

「どうしてアイビーがそんなことしなきゃいけないんですか?」

「この中には、あの日実習棟の前に停まっていたコンの車のドライブレコーダーの映像が入っている。お前が密かにセンサーの配線を入れ替えている姿が、はっきりと映っているぞ」

僕は真っ赤な嘘をついた。実際は死角だったはずだが、アイビーのような卑怯者はリスクを冒せないことを知っていた。「これが委員会の耳に入れば、プロジェクトが潰れるだけじゃない。お前の家の名声は地に落ちるぞ」

アイビーの顔から血の気が引き、スマホを持つ手が目に見えて震えだした。

「サン先輩……私を脅すつもり?」

「脅しじゃない。僕は自分の仲間を守るだけだ。今すぐ命令をキャンセルしろ。そうすれば、この動画は見なかったことにしてやる」


アイビーがその場で異動を撤回させた後、僕とフェースが元のベンチに戻ると、そこにはマインドちゃんが泣きながらコンの傍に立っていた。

「コン先輩……行かないでください。私……先輩がいなくなるなんて、本当に嫌です……」

マインドちゃんはしゃくり上げながら、コンのシャツの裾をぎゅっと掴んでいた。

呆然としていたコンは、優しく彼女の頭を撫でた。「行かないよ、マインド。サンが助けてくれたんだ。俺はここにいるよ」

マインドちゃんが顔を上げ、コンと視線を合わせる。その瞳に宿る心配の色は、どんな言葉よりも雄弁だった。まだ「付き合う」という言葉は交わしていなくても、コンは今日、マインドにとって自分がどれほど大切な存在かを知ることができたのだ。

フェースが僕の肩を小突き、耳元で囁いた。

「ねえサン……障害があるからこそ、相手の心がはっきり見えることもあるわね。私たちみたいに」

僕は微笑み、フェースの肩を抱き寄せた。

コンがこちらを向き、無言で感謝の視線を送ってくる。僕はただ、短く頷き返した。

親友の間には、それだけで十分だった。

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