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千夜千夜叙事  作者: 安芸
第七話 前世
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破滅の日

 大天変地異です。

 

 それからの数年は瞬く間に過ぎた。

 リュカオーンは“方舟”の中で安穏と過ごす日々に別れを告げていた。

 昼は仕事をし、夜はロスカンダルの偵察や、“力”の向上のためにジリエスター博士の研究に進んで協力を申し出た。

 かつて自我を見失った星脈への潜入も何度も試みて、その都度“力”の精度を上げていった。


 リュカオーンは“能力者”として鍛え抜かれていった。

 およそ歴代の“超越者”でも比肩するものがないほどの“力”を集めては凝縮し、繰り返し、その身に蓄えていった。

 

 “気狂い能力者”の叫びに耳を傾けるようになったのは、この頃だった。

 リュカオーンは名も知らぬ同胞たちを政府の手より奪っては“力”の核だけを取り除き、葬っていった。

 だがそれは、救いではなかった。

 焼却廃棄と消滅と、どちらも同じだけ惨い。

 痛みと恐怖がないだけだ。即ち、無力に等しい。

 それでも放ってはおけなかった。

 “力”の核石は増える一方、つまりは“能力者”の犠牲が増加の一途を辿っているということだ。

 “能力者”の需要は前にもまして膨れ上がり、ロスカンダルは繁栄の絶頂期を迎え、ゲイアノーンはリュカオーンのつけた傷など微塵も残さずに完全復興を遂げて、更に巨大に発展していた。

 しかし時代は人類のこれ以上の進出をよしとしなかった。

 空前の大天変地異がはじまった。

 

 

 

 破滅の日の朝は、不気味に暗かった。

 太陽は昇っていても厚い真っ黒な雲が空全体を覆い、陽の光をほとんど遮っていた。

 風は生温く、弱い。

 時折雷雲の下で稲妻が疾走した。

 そしてそれはあまりにも突然に降って来た。

 雲が何層にも重く連なり、陰った空を一条の黄昏色の軌跡が横切った。

 次の刹那、凄まじい爆発音が大陸全土に轟き、奇怪な光が炸裂した。

 たちまちのうちに衝撃は放射状に伸びていって、大地はひび割れ、近辺の二百ヶ国は木っ端微塵に粉砕され、あとには草一本残らなかった。

 

 この巨大隕石落下の大陥没が引き金となり、大津波が襲った。

 それは何十波にも及び、海岸線の国々は余さず海底に引きずり込まれた。

 間を置かず、断層地震が勃発。

 内陸の国々は地底から突き上げる猛烈な揺れに成すすべもなく崩壊、間断なく続く余震、土砂崩れ、河川の氾濫、火災、竜巻の発生、加えて前例にない規模の集中豪雨のため起こる洪水。

 

 あっという間の出来事だった。

 人類が長年かけて築き上げてきたものは、自然の“力”の前になにひとつかなわなかった。

 否、ひとつだけ、奇跡的に無傷のままだった。



 世界崩壊です。表現力・描写力に苦しみました……もっと力がほしいです。

 引き続きよろしくお願いいたします。

 安芸でした。

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