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千夜千夜叙事  作者: 安芸
第五話 望み
33/130

暗躍

 短め。

 

 同日、同時刻。

 ローテ・ゲーテ国、第三六四代リウォード王の執務室に招かれざる訪問者があった。


「――そこにいるのは誰か」

「名乗るほどの者ではないですけど、一応お知らせいたしますか。ラザ・ダーチェスターです。別に命を頂戴しに参ったわけではないので騒がないでください。騒ぐなら殺します」

「何用だ」

「いくつか訊きたいことが。二十一公主とは実在したのですか?」

「ああ」

「では滅びの(ゼクト・ラーレ)と双頭の巨人(ゾルベット・トール)は?」

「そんなことを訊いてどうする」

「世界が滅びの危機に瀕した、その伝承は事実ですか?」

「事実だ」

「なぜ僕の父と母は王弟夫妻についているのです? 聖徒殿卒殿者を率いる立場の二人です、本来ならば最高権力者である国王夫妻につくのが筋でしょう。それがなぜ?」

「必要であったからだ」

「では千里眼はどこです? リアリに適当な予言を下して姿をくらましたそうじゃないですか。是非にもつきとめて撤回させたいので居所を知りたいのです。僕も目下捜索中ですが、教えていただけるのであれば、手間が省けるんですけど」

 

 リウォードは沈黙を守った。


「まあいいでしょう。また来ます。今度は首を絞めてでも答えてもらいます。ああそれと」


 唐突に放たれた八本のナイフがリウォードの両頬を掠めんばかりに飛んできて、後方の壁に鈍い音をたてて突き立つ。


「リアリに手を出さないでくださいね? あなたの息子にもよく言って聞かせてください。リアリは僕のです。誰にも渡しません」

 

 そして現れたときと同様に侵入者は掻き消えた。

 国王リウォードは下顎を拭った。

 汗でびっしょりだった。

 凄まじい殺気の嵐によくも耐えられたと思い、首筋を撫でる。


「さすがに聖徒殿主長(ビリー・ヴァ・ザ・リア・ギャス・レイ)に見込まれた男よ」

 

 呟きは闇に呑まれた。

 同情と憐れみと共に。


 甘くない話ばかり。う、重。次、次いきましょう。

 エルジュ王とリアリです。

 引き続きよろしくお願いいたします。

 安芸でした。

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