5話 風邪をひいた
前書きってなに書けばいいのかわからないけど、目標みたいなのを書こうと思います。最近の目標は一旦字の数を増やしたいと思っています。
5話 風邪をひいた
今日はなんとなく朝早く起きた。当番以外の時で早く起きるのはほとんどない。だが、今日は朝ごはんの当番の人が準備をしていない。俺かと思って確認したが違った。ソリットが用意する日だ。そう思ってソリットを起こしに行こうとした。
↓位置関係
ベット:アップル&ネーキ
ベット:ソリット
ベット:オリーブ
ベット:ルピナス
だがソリットの様子がおかしかった。なにかにうなされているようだった。
「ソリット、大丈夫か?」
「ん...ぁ?あぁオリーブおはよう、何?」
「いや、ソリット。当番なのに起きてないの珍しいなと思って、大丈夫か?」
「多分大丈夫だと思う」
そうしてソリットがキッチンに行ったときだった。
バタッ
ソリットが倒れた!何があったんだ?そう驚いているとネーキが起きてきた。
「あれ?オリーブさん、どうしたんですか?」
「ソリットが倒れたんだ!ベットまで運んでくれるか?」
「ええ!?はい、わかりました!」
そんなときソリットが他のパラレルワールドに召喚された。こっちからが呼ぶことがあるので当然他の世界から呼ばれることだってある。とは言ったもののタイミングがなあぁ…
「あ!ソリットさん大丈夫でしょうか?」
「やっぱり同じこと思うか…まあ大丈夫だろう。最悪すぐに戻ってもこれるし」
僕の名前はソリット。現在風邪をひいている。そんな時すいせいに呼ばれた。すいせいは新しいパラレルワールドの日本人で転生している。青髪の15歳の女の子。世界最弱の存在であり召喚魔法しか使えない。
…そうここで弁明したいんだけど僕は喋りたくなくて無口なわけじゃない。本当はもっと喋りたい。けど何か傷つかないかなとか、何か嫌に思われないかなとか色々考えちゃう。風邪の時ぐらい何も考えずに行きたいけど…すいせいにも迷惑かけれないしなぁ…
「ソリットくん!?何か顔赤いし、息もちょっと荒っぽくなってるよ!?」
「…」
まあ…いっかすいせいといる時ぐらいは気にしなくて。
「大丈夫?何かした方がいい?」
「じゃあちょっと寝かせて」
そう言うとベットを貸してくれた。
「とりあえず今日は安静にしてること!いいね!」
「すいせいが看病するの?」
「どうせ戻っても同じ感じでしょ。だったら私が看病する!」
何か意気込んでいるようだ。
「ねえ、朝ごはん食べた?」
「いや、まだだよ」
「じゃあ作るから待ってて」
「うん」
暑いな。今日は無理して動いちゃダメかな。自分で言うのもあれかも知んないけどちょっと頭がホワホワしてきたかも。このまま寝ちゃいそうだけど…すいせいが朝ごはん作ってくれてるからもう少し起きてるか。
「はいおかゆ。食べやすく味付けもしたから」
子供舌の僕からするとありがたい。
「はい、あ~ん」
いやそこまでしなくても大丈夫なような。
とりあえず僕は食べる。
「どう?美味しい?」
「美味しいけどそこまでしてくれなくても大丈夫だよ...」
「いや、こういうのは甘やかしたくなるから!」
あまりにもすいせいの押しが強い。僕は困惑しながらも食べた。実際おいしかった。結局僕は、全部すいせいに食べさせてもらった。そこまでしなくて良いんだけどな...
ただお腹がいっぱいになったから少し眠くなっちゃった。
「zzz...」
「あ、ソリットくん寝ちゃった。私も朝から動いて疲れちゃった。私も寝て良いよね。少しなら...いい..よ...ね..」
お昼には少し早い時間に起きた。ベッドからでようとしたとき、何かが僕の腕をつかんでいた。
「すいせい…寝ちゃったのか」
すいせいだった。僕はすいせいを起こさないように腕を取った。
ん…すいせいやっぱ心配だな。戦闘することはないと思うけど、何かに襲われて怪我したら大変だし。
「んぁ…」
まあでもすいせいなら大丈夫か。何かわかんないけどすいせいなら大丈夫な気がする。
そうして僕はリビングに行った。そして前買った本を読ことにした。
「[古本屋のドキドキワクワクお楽しみ本セット]もうちょっといい名前なかったのかな…」
中身は短編の小説、生物図鑑、この世界では珍しい漫画が入っていた。まあ小説から読むか。
「…」
僕は黙々と読み進めて行った。この本のあらすじは幼少期から孤独でいた主人公が仲間との触れ合いによって感情が芽生えていき恋愛もしていくと言うような感じだ。人との触れ合いの大事さを伝えようとしてるのかな?
「独りか…」
僕はそう思った。そういう視点で言うとすいせいは不登校であんまり友達とかいなかったのかも。まあ孤独で言うと僕もまあそうかも…いや僕の話はいいや。すいせいともっと関わりを持っておくべきかな。あんまりないと思うけど1人でいなくなるとか嫌だし。
そうして僕は読み進めて行った。そこで1つのセリフに目が止まった。
「そして俺たちはお付き合いすることにした、か…」
恋人、結婚…僕はどんな人と結婚するんだろうな。タイプとか聞かれてもわかんないな…少し想像してみるか。アップルが結婚する?いやおめでとうって言いたいし。ネーキが結婚する。師匠として嬉しいな。
いや、僕自分の心に嘘ついてる気がする。
「一緒にいるならすいせいがいいな…」
ーーーすいせい視点ーーー
「んぅ……ん?」
ソリットくんリビングに行ったのかな。そしたら
「…ならすいせいがいいな…」
「え?」
「あ…」
最初の方聞き取れなかったけど。私がいい…?
その時私の顔は赤くなる感じがした。
ーーーソリット視点ーーー
「一緒にいるならすいせいがいいな…」
「え?」
「あ…」
やば…聞かれてた。どうしよう。
僕はもともと高い体温がさらに高くなったような気がした。
「…えっとごはん作るね」
「え?あ、うんよろしく…」
(しまった、大丈夫かな。ソリットくんに料理させても)
気を取り直して昼食を作ることにした。野菜を味付けして炒めて、卵、白米を入れて炒めた。チャーハンである。ただ料理をしていると暑くなってくるな。これ大丈夫かな...
「できたよ」
「うん、ありがと」
「おいしい?」
「...おいしい」
お腹がいっぱいになって僕もすいせいもすいせいも落ち着いたようだ。
「ありがとう、ソリットくん」
「うん、大丈夫だよ………」
その時僕は大きく息を吸い、深く息を吐いた。
「…ソリットくんおでこ」
「ん?大丈夫だよ...」
「いいからおでこ」
「ん…(ー_ー)」
さわられた。
「あっつ!無理して作ってたの?」
「いやそんなことないよ…」
「だめ!布団に入ってて!」
というわけですぐにベットに入れられた。
「薬は飲まないの?」
「僕毒無効だから薬全般効き目0だよ」
「そっか...」
「後で病気を直す魔法研究しよ...そういえばすいせいなんで呼んだの?」
「えっと…なんとなくソリットくんと話したかったから」
「じゃあ少し話そうか」
「…うん!」
「ルナに家族がまた増えたのか。娘が2人、妹が2人ってなかなか賑わっていそうだな」
「そうだよね。私この世界では一人暮らしだからさ、ちょっとルナお姉ちゃんがうらやましい」
「それで言うと僕は最近弟子ができたんだよね」
「…ずるい」
「僕はいつでも呼んでいいからね」
「…うん」
さっきも思ったけど、すいせいは理由はどうあれ日本では引きこもりだったから、家族でわいわいしてみたいのかもしれないな。
「最近すいせいは一人暮らし始めたんでしょ。大丈夫?」
「一応なんとかなってるよ。国王からお金をもらってて、資金面は大丈夫。それに栄養バランスを考えて、自炊もしてるし。まあ自分でもお金稼げるようになりたいけどね」
「うん。まあよかった、上手く行ってるようで」
「何?心配してるの?」
「そりゃ心配だよ。女の子1人で」
「…バカにしてる?」
「いやそうじゃなくて!その、世の中いい人ばっかりじゃないから!強盗、誘拐、詐欺とかされたりしないかなとか思って…」
「ちょっとからかっただけだから、そんなに焦らないで…ソリットくんは誘拐とかされたことあるの?」
「ないけど…誘拐から救ったことはあるよ」
「おお、さすが」
「目を見ればわかる。悪意がある人は何かこう、目が濁ってる。それになんとも言えない雰囲気を感じる」
「そこまでの達人技はできないかな…」
「まあすいせいもいつかわかるよ」
「ふーん、それで言うとソリットくんもいなくなったりしないよね」
「大丈夫だよそんなに弱くない」
「だからこそ…狙われたりとか」
「安心して。僕はそれしか言えないけど…大丈夫」
「…まあわかった」
少し怖い話してるけど…すいせいと話すのは自然と落ち着く。なんと言うか、安心感がある。
「…少し落ち着いた?」
「当てられた…」
「全く…」
(かわいい弟)
かわいい弟とか思ってそう。まあいいか。
「はいおでこ」
「んぁ…(>_<)」
またさわってきた
「うん、熱は引いてきてるね。この調子なら明日には治りそう」
今日はほとんどすいせいに任せっきりだな。珍しくお姉ちゃんみたいなことしてるし。
「...いま失礼なこと考えてたでしょ」
「イヤ、ソンナコトナイヨ(ー_ー)」
「お姉ちゃんは何でもわかるんだからね!」
何でお姉ちゃんというところまで当たるんだろう...いやさっき僕を弟と見てるなそうか。
「それじゃあ私は少し買い物行ってくるから」
「うん、行ってらっしゃい」
「行ってきます」
すいせいが出て行ってからしばらくが経った。
この漫画面白いな。
「…」
しばらく本を読んでいたのだがなんか段々落ち着かなくなってきた。
「不安だな」
さっき誘拐だのなんだの話したせいでなんか不安になってきたぞ。
「ちょっと探すか」
外に出てみることにした。
「…」
いないな。街に行ってみるか。
僕は街の中に入って行った。
「あ、」
青髪の女性を発見した、が…違う気がする。
「ん…あ、」
僕は気づいた。下手すると周りにうつりそう。そうだ。
えっと…[ ]だめだ技名思いつかない。
と言うわけで周りに風邪をうつさないようにウイルスを通さない透明なバリアを全身にまとわりつくように張った。
…これ物体はすり抜けるから最初から上手く使えば風邪治せたのでは?
たまには現実を見ないでおこう。
「ひええぇぇぇぇ!助けくれええぇぇぇ!!」
なんだ?[透過]
猪の魔物か、襲われてる。
「ほっ」
僕はジャンプで上に飛んだ
「おおおお!?なんだなんだなんだ!?」
周囲の人は驚いてるがそれを気にしている余裕はない。
[魔力壁]
そして僕は魔力で作った壁を蹴って魔物のところに突っ込んでいく。
[一閃]
そのまま魔物に向かって突きを放つ。その突きは猪の魔物に刺さった。そのまま…
[一閃・卜挑]
連撃を放つ!
「フゴオオオオォォ!」
よし片付いた。
「何かと思ってきたら…ソリットくん…」
「あ、すいせい」
見つかってしまった。
「いやいいの…人助けは大事。だけどなんで無理してきちゃったの?」
「あぁっと、その…」
「まああとで聞く」
そうしてこの場を離れようとした。
「あの、お礼を!」
「いや…えっと」
「結構です、そのお礼は必要としてる人にあげてください」
そうしてその場を離れた。
「あの返し方大丈夫だったかな」
すいせいが心配そうに言った。
「わかんないけど…ありがと」
「とりあえず家で色々聞くからね」
「はい…」
「で、なんで無理して外出たの?」
ちょっと怖い。何か怒られないかな…
「ええっと…」
「…いや別に怒らないから大丈夫だよ?」
すいせいが少し笑ってそう言った。何か安心した。
「えっと…すいせいがいなくて…寂しかったから」
「そっか…じゃあ1人にしちゃった代わりに何かしたほうがいい?」
「今風邪引いてるから今はダメ」
「じゃあいつかの時に聞くね」
(怒られるかもとかおもってたのかな)
そうしてふと時計を見る
「もういい時間じゃない?帰る?私の家に泊まって行く?」
「みんなが心配するから帰るよ」
「うんじゃあ、またね」
「ばいばい」
「あ!ソリット帰ってきた!」
ずっとパラレルワールドにいたソリットが帰ってきた。
「ただいま」
ちゃんとしろにもご飯をあげている。ルーティーン的なのはしっかりやるんだな。
「心なしか顔色よくなっているか?」
「うん、結構よくなってきたよ」
「うん、いつかソリットにお礼しないと」
「まあ今日は安静にな」
「はーい」
その翌日、ソリットの風邪は治っていた。
5話 終了