3話 戦争を止めちゃった
3話 戦争を止めちゃった
ソリットが呪文を唱えたら目の前が眩しくなった。その後召喚されたのは...なんと女性だった。
「あれ?ここどこだろう。あ、氷聖の国王図書室じゃん、それとあなたたちは?」
ソリットが説明した。
「僕があなたをパラレルワールドから呼び込みました。ソリットと言います」
「なるほど、だから私がわかる場所があるってことね」
なんか納得されたらしい。
「私の名前はルナ。あっちの世界では炎日最強の兵士って言われてるの。そういえばあなたたちは何で私を呼んだの?」
なんとなくソリットと同じようなあだ名がつけられている!
「それはかくかくしかじかという感じです」
「ふーん、魔王か。じゃあどうにかなるかな。」
「え?!そんなにすんなり受け入れられるのか?」
俺はビックリした。他のチームメイトも同じような感じの顔をしていた。そんな俺たちにルナが言った。
「ソリットは少なくとも時空を歪ませ、私を別世界から強引に召喚できるほどの魔力的なものを持っているんでしょ。てことは少なくとも強さは現代世界最強といっても過言ではない。それに私もあっちでは最強って言われてるんだからどうにかなるんじゃない?」
理屈で言われるとなんかいけそうな気がしてきた。ていうかなんかソリットとにたような説明するな。
「じゃあ魔王を探そうか」
というわけで魔王ダーノを探し始めた。
「ていうか、この霧は何?」
「ソリットの魔法だよ」
「魔法、私たちの世界には全然ないものね。火を起こしたり、光源を作ったりというものは道具としてはあったけれど、個人で使える人は少ないな…」
「一応いるんですね」
「ただその感じだと幅広いでしょ。私たちの世界では、霧を出せる人はそれだけ、火を出せる人はそれだけ、ていう感じでたまに複数使う人もいるんだけど、全員が自由に使えるわけではないんだよね」
「なるほど、そんな中でもルナさんはやっぱり複数使えるんですか?」
「いや、1種類だよ、属性ない感じだけど…強いていうなら無属性?赤いけど…」
「てことはルナさん、剣技や体術のみで上に?」
「まあスキルが体術よりだからね」
「1回戦ってみたいな」
意外とソリットって好戦的なんだよな。優しい一面はどこに行ったのやら…
「遠慮してくよ、かわいい見た目して内部にあるパワーがとてつもないからね」
ガチャ
「うん?玉座の間も図書室と同じで鍵がかかってる」
「まじか、どうする?」
「見つけないといけないね、奥に魔力の塊を感じるいるし…何かいるかもしれない」
「どこにその鍵あるかな」
「隣が確か広めのベランダだったはず」
「じゃあいってみるか!」
「ルピナスは静かにしてて…」
ガチャ
ベランダに行き横長の椅子の後ろに隠れた。
「ここから静かにしてね」
「ていうかソリット扉開ける時よくバレなかったね」
「少し風の音を鳴らしているからね」
「なるほど勉強になるな、私使えないけど…」
「まあ戦略は私たちもずっと学んでるから…」
「シッー」
そうするといきなりソリットが静寂を促した。
「整列したな。魔王様復活の準備は順調か?」
「はい順調です!隊長!兵士2年目で大手柄ですね!」
少し先の景色から聞こえてくるのは、またいくつかの声。
「あいつら人の姿をしているの?」
「多分そうだと思う」
ならばさっきと同じような感じでいけるかな。
「よし、あとはアレのうちのどれかが手に入れば…」
「もう少しですね隊長!」
「そうだな、まあアレは先輩たちに任せよう。ただ隠密にな」
「はい!隊長!」
2年目…先輩?てことは若いか…さっき使った口笛はリスクがあるな。
「どうする?ソリット、私たちならば2人でいけると思うんだけど」
「今日は知恵を使う気分だからこれを使おう」
そう言って出したのは袋だった。
「…それ…何?」
「良いから、はい布。これで口押さえて」
何をするのやら…
「ん?隊長、何かいい匂いがします」
「うん?そうだな…何か…眠く……」
バサッ バサバサバサッ
「ソリット、何したんだそれ」
「催眠ガスだよ。眠らせるやつ」
えげつないな…
「…まあ楽できたからいっか」
そう言ってアップルは鍵を取った。
ガチャ
さっき取った鍵で玉座の間に入った。
「ハハハハハ!我は1万年前に人類を恐怖のどん底に陥れた大魔王ダーノである!!さあ我を楽しませてくる者はいるのか?...」
めっちゃ簡単に見つけた!もう魔王であること隠す気ゼロだろ。
「ふん、小僧どもに小娘どもか…我の相手にもならんな!ハーハッハッハッハ!」
こいつずっと喋ってんな…しばらくしたらソリットとルナがひそひそ話をした。
「さあ我の生贄となるのだ!光栄におもうが良い!」
「「ハアァァァ」」
ブオォォン グサ
「ナニイイイイイイィィィ!!嘘だ!この大魔王ダーノがこんな簡単にやられるなど...
嘘ダアアアァぁぁ」
シュアァァ
...よわ!!!嘘だろ!そんな簡単に魔王倒していいのかよ!
「...弱かったね魔王」
ソリットが言った
「なんか...口ほどにもなかったというか...」
ルナも放心状態だ。
まさかルナとソリットの瞬間移動に対応できず、簡単に背中刺されるとは。もしかしたらソリットとルナなしでも勝てたかもしれないぞ...
「まあ..とりあえず協力してくれてありがとうルナ...」
「まあ後味悪いけどいいわ。またなにかあったら呼んでね」
とりあえずは一件落着か...ん?そういえば...
「ルナ、お前どうやって帰るんだ?」
「「「...」」」
まずいかも。
「ステータス画面とか?」
「あ!あった!元の世界に戻るボタン!」
「あぶねぇなおい…」
「うん、ありがとね」
とうわけでルナは無事に帰りました。
そして俺たちは地下にいきヘルス国王に魔王を倒したことを伝えた。どうやら国民は魔王の洗脳の魔法を受けていたらしい。洗脳の魔法はそこそこ高度な魔法なので実力はあの魔王、確からしい。アホそうだけど...
「ふーむ、一旦スリア国王(ケルトの国王)とホジン国王と、会談しておかないとな…」
というわけで早速会談することが決まった。
ーーー数日後ーーー
僕の名前はソリット。
「お久しぶりですホジン国王[炎日国王]そしてスリア国王[ケルト国王]」
各国の王はヘリス国王の別荘にある丸いテーブルに座った。そして自分の国の王の近くに並ぶ護衛1人ずつ。炎日は僕が担当になった。
「災難でしたな」ケ
「まあまあそうピリピリせずに、気楽に行きましょう」炎
「まず、我が国での出来事、申し訳ございませんでした」氷
「いえいえ魔王に支配されていたので仕方ありませんよ。それに私たちも事実確認をせずに戦争を仕掛けてしまったので…申し訳ございません」炎
とういう感じで和解したっぽい。
「いくつかお聞きしたいんですが…まず、よく魔物化が氷聖から出たと気がつきましたな」氷
「それは私の国の兵士が見つけたのです」炎
そうだったのか、そんな話全然聞いてなかったのだが、多分プロテア…そっか読者は知らないか、僕のランクが1400ぐらいでランク1位みたいな話したけどランク2位がプロテア。そのチームが調べたのかな。炎日の兵士の教官をしていたし。
「あと、魔王を討伐してくださったんですがどうやって倒したんですか?」氷
「ああ、それじゃあソリットくん、説明してくれ」炎
「はい、後ろに周り背中を刺したら倒せました」
「そんな簡単に倒せたのか?」氷
「はい、それで倒せました」
「…まあ少し引っかかるが倒してくれたのならよしとするか」氷
「して、ヘリス国王、ホジン国王…わかっていますな。魔物の動きが活発になっている…前に起きた炎日と魔物国間の戦争もそうだが少しづつ…だが確実に魔の手は迫っている」ケ
「…ソリットくん、考えを聞かせてくれないか?現場にいた君の方が色々と知ってそうだ」炎
「そうですね…個人的には兵士の発言が気になりました」
「というと?」氷
ーーー回想シーンーーー
「魔王様復活の準備は順調か?」
「はい順調です!隊長!兵士2年目で大手柄ですね!」
「よし、あとはアレのうちのどれかが手に入れば…」
「もう少しですね隊長!」
「そうだな、まあアレは先輩たちに任せよう。ただ隠密にな」
「はい!隊長!」
「なるほど、[隠密にな]か…怪しいな。隠しておきたい人物にもよるが…薮をつついて蛇を出すわけにはいかん。それが大蛇なら尚更だ」炎
「うむ、そうだな魔物の国の外交も考えておかないとな」ケ
「その場合は我々が引き受けましょう」炎
「おっと、抜け駆けは許しませんよ」氷
「そう言っても、軍事力が一番高い炎日に任せる他ないでしょう」ケ
「まあそうですね。では、そろそろお開きにしようと思います。ありがとうございました」氷
「はい、じゃあ行こうか、ソリット…」炎
ドオオォォォォン
「ここだ!悪しき人間どもの長がいるぞ!」
その時魔物が扉を爆破して攻めてきた。氷聖の時とは違って隊長っぽいドラゴン、そして鳥、虎など様々な魔物がいた。
「わああぁぁまずいまずい!どうしましょう国王」
「まて、落ち着け。一旦自国の王を守るのが先決だ!」
他の護衛は少々パニック状態だな。
「はぁ…もうなんでこうなるかな」
「ソリットくんそれはね」炎
その時ホジン国王が喋りかけてきた。
「なんですか国王?」
「小説だからではないか?」炎
なんかなんか前回ギアが上がったみたいな話したけど明らかに上がってるな。
「…それ言って大丈夫ですか?」
「まあ大丈夫だろう作ってる奴がどうにか落とし前をつけてくれるだろうからな」炎
「ああそう…じゃあ全員殺さずに送り返しますね」
「…?どういうことだ?」氷
「まあ任せよう…ソリットくんのことだ、どうにかはなる」ケ
「ふん!小僧1人で何をするんだ?まさか我ら全員を倒そうというのか?」
「まあ見てればいいよ」
そう言って僕はそれっぽい構えを取る。
(何を考えてるかわからん、小僧1人だが一応警戒しておくか)
「うお!?どうなっている?」
「なんだ?闘技場に移動したぞ?どこだここ?」
周り全体が白くなり僕の魔力で作った闘技場にあの場にいた全員を移動させる。まあ白くしたのは演出で…そのまんまぱって移動させることもできるんだけどね。そして味方の安全を確保するために敵との距離を離して移動させた。
「ふん、その程度…いくら地の利があろうともこちらが優勢だぞ」
やべ、敵と味方の位置遠くしすぎて何言ってんのかわからん。多分性格的にこっち有利って言ってそう。
…まあなんかいい感じにするか。
「隊長、何するかわかりません注意しておいてください」
「そうだな」
[極氷]
僕はそのまま突っ込んで敵側に近づく。ただ近づきすぎないところで手を地面に叩きつける。
ダンッ! ガンッ! バキッ!
3段階に分けて氷の波が円形に広がっていく、そしてちょうど、敵の前線の前に氷が出た。
「うお!」
「大丈夫ですか隊長!」
「ああ、大丈夫だ」
「うぐぐ…人間ごときが!こんな猫騙し、我ら魔物には効かん!」
「おい待て!」
あ、虎の魔物が国王の方に行った。まあいいかだってあの国王は…
ガキン!
「なっ!」
ホジン国王が魔物の攻撃を防ぐ。
「一応人間の隊長をやっていたのでな」炎
「くっ!」
「じゃあ戻ろうか」
そしてヘリス国王の別荘に戻った。
「んんん…」
「何が目的か知らないけど用が済んだなら帰ってね」
「…退却だ」
「はい…」
よかった、退いてくれた。
「ホジン国王、アレでよかったですか?」
「ああ大丈夫だ」炎
「よくやってくれた」氷
「では今度こそお開きとしよう」ケ
「ただいま」
夕方ごろソリットが帰ってきた。
「お!おかえりソリット」
「どうだった?会談は」
「一旦休ませて…」
「わかった、一応家事はしてあるから」
「ありがと」
「じゃあそろそろご飯作るか」
「よし!俺も頑張るぞ!」
「じゃあよろしく」
1日いなくなるだけで結構寂しかったからな。4人揃うと心なしかみんな楽しそうだな。やる気出てきた。俺も少し疲れてたけど頑張るか。
3話 終了