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2話 氷聖に侵入した

2話 氷聖に侵入した

ここ基国 炎日(えんにち)は基本の国というだけあってここ周辺にある国家では真ん中の位置にあり、四季もはっきりしていてまんま日本のようは感じだ。その南に「ケルト」という国があり地球で言うオーストラリアのようなところである。そして炎日の北には「氷聖(ひょうせい)」があり、各国の周りに多くの町や村がある。そして今まさに氷聖と戦争することになっている。

「いや、まずどうして戦争することになったんですか?」

ソリットが聞いた。

「さっきキャッツ・アイを倒してくれただろう、そこに兵士はいなかったか?」

「いましたけど、町ぐらいなら禁止されている魔物化を隠れてやり、兵士をつけるぐらいはできるのではないでしょうか?」

そう、魔物化は国同士の条約各国とその周辺の町や村でも禁止されている行為である。だがたまにすべての町までは監視ができないのを利用して隠れてこういうのをする集団がいるのだ。

「そのキャッツ・アイを作り出したのが氷聖だったのだ。それを受けてケルトと相談し、氷聖に戦争を仕掛けることにした」

実際条約にも書いてあったことである。魔物化はそれだけ重い罪なのだ。

だが、ソリットが受けるはずもない。なぜなら人を傷つけるのをとても嫌っている…なので

「わかりました、僕たちも少し動きます」

「...!嘘だろ!人を傷つけるのをあれだけ嫌がって...」

「ただし、部隊には入りません!僕たちは戦争を終わらすために動きます」

「...?ああ、わかったじゃあよろしく頼む」





「ソリット、ああはいったがいったいどうするんだ?」

俺は聞いてみた

「氷聖の国王はもともと優しい方だった。だがここ2年ぐらいで一気に氷聖は変わった。さらにちょっと前にいきなりの炎日などの他国に対する対立宣言。国王は変わっていないのに。つまり国王は何かしらの力に動かされているんじゃないかと思う。」

嫌な予感がした。そのまんま受け取るなら氷聖国王に直接入るってことだろ、てことは...

「というわけで今から氷聖に乗り込むよ」

「デスヨネー」

敵国の陣地に正面から突っ込むのはだいぶ不安が残るが…まあ仕方ないと割り切ろう。

「そういえばソリット、あなたなんでそんなに戦争止めようとしてるの?」

アップルが聞いた。たしかにそうだな。理由が気になる。

「それは僕の夢を叶えるためだよ。戦争するとそれどころじゃないからね」

「夢ってなに?」

「それは...しろと一緒にだらだらスローライフを過ごすこと!」

....

「「「初耳なんだけど、それ...」」」




ソリットが城に仕掛けてあった感知魔法を破壊して氷聖内が混乱しているうちに裏の方からスッと入った。さっき正面からと提言したばっかりなのに。

「こういうのはだいたい地下室に閉じ込められてるんだよね」

ソリットが得意気に言った。

「むっ!誰だ貴様は!」

中にいる兵士に見つかってしまった。しかも十字路のところ。敵から見れば囲いたい放題だ。

「意外と早いな…」

そう言ってソリットが刀を出す。

「おい、いいのか?」

「中にいる兵士はほぼ全部魔物に入れ替わっていると思っておいた方がいいよ」

「まじか…そうだったのか」

ならば遠慮はいらんな。

「はあぁぁぁ」

兵士が早速突っ込んできた。

「[一閃・天籠てんろう]」

ソリットがすれ違いざまに抜刀し、切った。

「まだやる?」

「あのお方のため!ひいてはならん!」

結構めんどくさいぞこれ、忠誠心高めだし。

「…!」

「ソリットどうしたの?」

アップルがいきなり聞いてきた。ソリットの表情の変化に気づきやすいのはアップルなんだよな。

「集まってくる、いっぱい」

「はい?」

「いたぞあそこだ!」

「人間を殺せー!」

囲まれたな…恐れていたことが起きてしまった。

「おいおい、これどうする?」

「ルピナス、みんなを上に避難させて」

「おうよ!せい!」

ルピナスが俺とアップルを上にあげた。

「はっ!」

そして魔力の足場に着地、これで俺らは実質浮いている状態になった。城の天井が高くて助かった。

「ソリット、これでいいか?」

「うん、1人なら大丈夫」

「ふん、それで何をする。進め!」

「[一閃・鳥籠]」

シュウウゥゥゥ

ソリットが球体を半分に切ったような形で斬撃を出した。その後俺らは着地。だがそれで終わりではなかった。

「一応少しはやれたがまだまだいるぞ、どうする?」

「全員魔物ならば斬るべし」

「簡単にいうな…」

「とは言ってもそうじゃないと切り抜けられないわよ」

「おっしゃ!任しとけ!」

しばらく激戦が続いた。






よし一旦全部倒したかな。

「お疲れ様、まだ終わってないよ」

「やめてーそんなこと言わないでー」

アップルの言葉にソリットが駄々をこねる。

「ほら!進まないとどうしようもない、ほら、がんばるぞ!!」

ルピナスがチームを鼓舞してくれる。

「…仕方ない」

そう言ってソリットは何かを準備し始めた。

「ここにいる奴らはせいぜい中級の魔物が知性を持っただけ、これには気付けないはず」

「どういうことだ?俺にもわかるように説明してくれ!」

「はいはい、ルピナスは静かに待っててね」

「ん!わかった!」

感覚だがソリットが魔力を城全体に行き渡らせているような感じがした。

「ねえソリット、何するの?」

「強いて技名をつけるなら…[フィールド:霧]」

そう言った瞬間、あたりに濃い霧が出てきた。さらに風の音が少しなっている。

「じゃあ僕についてきて」

「いやそれじゃこっちも敵に気付きにくいんじゃないか?」

「大丈夫、わかるから」

「…?」

「一旦ソリットを信じましょう」

そんなこんなでガツガツ進んでいる。道に迷うことなく、そうして地下牢らしき場所に入るとたくさん人がいた。

「おお、ソリット君じゃないか!久しぶり、大丈夫かい?」

「ヘリス国王お久しぶりです。こちらは大丈夫ですが…今の氷聖はどのような状況なのですか?」

へリスさん、氷聖の国王である。若い青年という印象だ。俺が言うのも変だが…

にしてもいつものソリットの感じからすると結構なんか仲良さそうだな。もしかして…

「ソリット、氷聖国王と関わりがあったのか?」

「うん、何回かお会いしたことがあるよ」

氷聖国王と面識があったのだ。どれだけ人脈広いんだ?こいつ...

「今の氷聖は謎の政治家ダーノに支配されているんだ。国民たちに洗脳の魔法を使っているのではと予測している…今の私や兵士ではどうすることもできない。よければ助けてくれないだろうか?」

「わかりました、ただダーノという名前が引っ掛かるので図書室をお借りしたいのですがいいですか?」

「ああわかった。だが、図書室の鍵は魔物にとられている、取り戻してから入ってくれ」

「わかりました…ありがとうございます」







ここで俺はソリットに疑問をぶつける。

「ソリット、迷わずに歩いているが、城の構造を知っているのか?」

「うん、元々覚えているしさっき魔力を撒いた時に大体形わかるから」

「わかるものなんだな」

「俺じゃ絶対できないな!」

そうすると広間にでた。扉が空いていたので少し警戒気味に進むと何か小さい金属が霧ごしに見えた。多分魔物が持っているが…

「アレか?」

「多分そうだと思う、ただ…」

「おい!さっきの人間はどうだ?」

「すみませんまだ倒しきれてないみたいです」

「くっそ、この霧さえなければどんどん攻めれるのに」

複数の魔物の声が聞こえた。

「集団か?」

「40ぐらいかな」

「めんどくさいぞ…霧があるとはいえその数じゃな…」

「…じゃあこれで行こうかな」

「また何かするのか?」

その時ソリットが特徴のある口笛を吹いた。

「なんの音だ?」

「わからん、だが戦闘体制!」

「おいソリット、逆効果じゃないのか?」

「いや、これであれば」

「待て!」

なんとストップをかけたのはリーダーっぽい魔物だった。

「この音は…少し前、人間との戦争の時に使われた、集合の合図だ。霧に混乱した味方が出した音かもしれんである可能性がある」

「ですが、口笛から何もないですし、危険です!」

「俺の叫び声が聞こえたら攻めろ」

「くっ…わかりました」

敵ながらその人望の厚さは尊敬するな…

「あんまり血生臭いことは嫌いなんだけどな…」

ソリットがそう言った。どういうことだ?

ガゴシャ!

「なんだ?」

そうして音の方向に行くとソリットが敵の人間に化けていた魔物が倒れていた。

「強力な魔物でも、人間に化けている限り、首を折れば生きれるわけはない」

「お前まじか」

「はぁ…とりあえず行くわよ」





鍵を使って国王図書室に入った。大量の本があったがどれも古代語で翻訳の超強力な魔法が使えるソリット以外読めなかった。

「ダーノ、古代、魔王、復活、時、1万年後、注意するべし」

「魔王か、いつこれが書かれたのかがわからんが今復活する可能性はあるな」

「魔王なんてパワーでごり押せばいけるんじゃないか」

「別に主人公補正を全面に押し出したいわけじゃないからね」

ルピナスの発言にソリットがツッコミをいれた。

「けどホントにどうするの?さすがに魔王は注意していかないとダメじゃない?」

「パラレルワールド、異世界、召喚、この本に書いてある呪文を言うと助っ人を召喚できないかな」

「一応ソリットやってみたらどうだ?2話で死ぬことはないだろうし」

「あぁ…うん、そうだね」

なんか歯切れが悪いな…

「どうしたんだよソリット」

「いやぁ…その…神が、ギアを上げてきてる気がする」

「w…ギアを?」

「ギアを」

「上げてる気がする?」

「そう」

「何そのボケのギアみたいなの」

「ボケのギアw…それツボだわ」

「ふう…よし、じゃあいくよ」

ちょっと柔くした空気を少し硬くする。

ソリットは一旦クールダウンして呪文を唱えた。

「ムノタヲノ クリョジ二 レワヨノモ ムザキ!」

そうソリットが言った時目の前が眩しく光った。そして出てきた者に俺たちは目を疑った。


2話 終了

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