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【書籍発売中】やんちゃ姫さまの大冒険 うちの第三王女、冒険者になるってよ(web版)  作者: サエトミユウ
5章 姫さま、妖精になったってよ

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第61話 護衛騎士、触手が生え、姫さま、羽が生える

 コロナに感染してしまい、さらには後遺症が出てしまいました。

 初コロナだったんですが、思ったよりも酷くなかった(一時期アレルギーが酷くなり死にかけた時よりはマシだった)けれど、後遺症が嫌ですね……。

 私は今後、切らさず予防接種を受けることにするのを固く決意しました。

 みなさまもお気を付けください。

 ……と、姫さまが何やら俺の腕を引っ張り、手首に巻き付けた。

「姫さま?」

 なんだこれ?

「騎士としてはかっこ良くないが、それよりお前が死なないことが大事だ! これは、勇者の武器の一つ、〝考える鞭〟だ! これがあれば、魔術弾とか弾くし、慣れてくれば攻撃もできるぞ!」

「えええ……」

 巻き付けられたものを見たら……うわ! 気持ち悪!

「ひひひ姫さま? これ、大丈夫なんですか!?」

 臓物みたいな見た目なんだけど!?

 ぬめりがあるのかてらてら光ってるし!

「大丈夫、だと思うぞ? かつて勇者の供が使ってた武器の一つだ」

 こんなん使ってた奴がいるのかよ! 嘘だろ!?

 つかこれ、ホントに武器なの!? 寄生型魔物じゃないの!?

 不安しかない武器をつけさせられて、じっと見たら……!?!

「姫さま!? コイツ、口があるんですけど!? しかも今、笑った!」

 先端に裂け目があるなと思ったら、それがパックリ割れてギザギザした歯が見えたよ!

「だからどうした。武器に口があってもいいだろう。強いのは間違いないんだ」

 確かにそうだよ! 俺が使うんじゃなければな!

「あぁ〜……。なんでこんな目に……」

 お供を増やしてもらえれば、普通の剣士としていられたのに……。

 俺が嘆いていたら、姫さまと触手が憤った。

「こんな目とはなんだ! 勇者の武器は強いんだぞ! そんなに強くない奴がたくさん集まるより、勇者の武器でお前がやっつけたほうが倒せるんだー!」

「シャーッ!」

 うわ、鳴いた。絶対鳴いたよ今!

「姫さま? ホントにコレ武器なんですか!? 寄生型魔物ですよね!?」

「往生際が悪いぞ! 武器だ!!」

 姫さまに叱られた。


 さて。

 いろいろ諦めた俺は開き直った。

「殺ってやるぞオラァ!」

「うむ! その意気だ!」

 姫さまが嬉しそう。

 俺は目が据わったまま、姫さまを振り返った。

 ビビる姫さま。

「な、なんだ?」

「姫さまの守りに不安があります。私にはどうやら守備と中距離攻撃の手段が出来たようですが、姫さまはまだ弱いですよね? 前回は鼻血程度で済みましたが、今回もそれで済むとは思えません。姫さまも、勇者の防具で身を固めてください!!」

 俺が勢い込んで言ったら、姫さまはさらに引いた。

「う、うむ……。……なんかあったかな……」

「なかったら、こちらの触手をお返しいたします」

「ちょっと待て。探している最中だ!」

 姫さまが急にゴソゴソと探し出した。

「うーん、これかな……。衝撃緩和の羽だ。何かにぶつかる前に衝撃を緩和する。ぶつかる攻撃が出来なくなるが、その代わりあらゆる衝撃から守ってくれるな。あと、ちょっとだけ飛べる」

 ちっちゃな虹色の羽を取り出した。

 見た目は妖精の羽だな。

「……姫さまには蝙蝠型の羽のほうが似合いそうですけどね」

 悪魔の羽だな。

「どうせ私からは見えないんだからなんでもいい! ホラ、つけろ!」

「はいはい」

 年頃になったらおしゃれに目覚めてくれるのかなぁと願いつつ、姫さまの背中に小さな羽をつけた。

 お、けっこうかわいいな。

 つけたのがわかったのか、姫さまが羽をパタパタ動かし……浮いた!

「おぉ! 浮きましたね」

 姫さまは得意そうにパタパタ羽を動かし……うん、移動はしているが、歩いたほうが早いな。

「アルジャン! 引っ張れ!」

「はいはい」

 自力だと遅いので、人力に頼りだしたよ。


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2024年9月5日 ドラゴンノベルスより発売
やんちゃ姫さまの大冒険 うちの第三王女、冒険者になるってよ


著者: サエトミユウ / イラスト:きんし

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