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【書籍発売中】やんちゃ姫さまの大冒険 うちの第三王女、冒険者になるってよ(web版)  作者: サエトミユウ
8章 姫さま、魔王に突撃したってよ

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103/111

第103話 護衛騎士、ラスボスみたいな異形を倒すが自分も倒れる

 戦力的には余裕だろ、って思ったが……。

 余裕じゃなかった。

 コイツ、切られて再生すると、その部分が硬化しやがる。

 足はもう、剣じゃ斬れなくなってきた。


 クモコがワイヤーで動きを一瞬止め、バジルと姫さまが魔術砲を打ち、ほぼ原形をとどめないまでに破壊して仕留めたかに見えたが……。


「……嘘だろ……」

 頭すらなかったのに、再生したし!


 俺は上にいる姫さまに大声で尋ねる。

「姫さま! 粉々にしないとダメかもしれません! そういう勇者グッズはありますか!?」

 姫さまが上から大声で答えた。

「浄化の玉ならいけるけど! 私たちも粉々だ!」


 それは困るな。

 大きさ的に、俺たちの逃げる速度より奴が追いかける速度の方が上だ。

 となると、どうにか閉じ込めて浄化の玉を投げつけないといけないが……。


「とにかく、再生する前にガンガンやるしかねーよ! 切り刻め!」

 アニキが怒鳴り、俺も必死で再生を阻むべく斬りつける。


「アニキ! アルジャン! いったんどいてくれ! 俺が魔力を全て使い、最大魔術を撃ってみる!」

 イディオ様が怒鳴ったので、俺とアニキが飛びのく。

「ア゛ァァア゛ア゛ア゛ア゛!」

 寄生型帽子の口から、確かに最大魔術だなと思うような、ロランスとサロメに匹敵する魔術が吐き出された。


 バァン!


 再び弾け飛ぶ異形。

 いや、マジで死んでくれ。

「ゲェップ」

 帽子がゲップしたとたん魔力が尽きたイディオ様が崩れ落ち、それをスケルトンが優しく受け止めた。

 見つめ合う、寄生型帽子とスケルトン……。

 何やらキラキラした雰囲気だが、見た目は異様だ。


 俺はそれを見なかったことにし、心で礼を言った。

 サンキューイディオ様! 役立たずとか思っててゴメンな!


 ようやく倒せたか……と思って見たら。

「……マジか」

 再生し始めたし……。


 ……と、姫さまとバジルたちが降りてきた。

「浄化の玉を投げるぞ! みんな、いったん避難しろ!」

 俺とアニキが姫さまに合流する。

「待って! 結界で防げるかもしれないから! ……でもちょっと離れたほうがいいと思いまーす」

「念のため、スケルトンに前方を守らせます!」

 リノールが叫ぶ。

 ということで、ちょっと……いやけっこう離れてから、アニキの豪速球で浄化の玉を異形にぶち当てた。


 ドガァアアアン!


「ヒィイ~! 浄化の玉ってガチの爆発物じゃないですかあ!」

 プリエが頭を抱えてしゃがむ。

 俺は姫さまを庇い、アニキは大剣を盾にした。

 バジルは、クモコとハナコに守られている。……なんだかんだサボりがちだけど、ハナコはバジルを守っている感じだなぁ。


 煙が薄れてきて、前方が微かに見えだした。

「……よし、装置は完全破壊されてるな」

 異形を造り出していた変な機械はぶっ壊れて瓦礫と化した。ザマァ!


 そして、肝心の異形だが……。

「これは、やったか?」

 原形をとどめていないどころか飛び散り、破片と化している。

 アニキも目を凝らし、安堵している。


 アニキが肩から力を抜いて、つぶやいた。

「よし、これでようやく……は?」

 俺も驚いて声をあげた。

「あ?」

 飛び散った破片が動き出してるんですけど!?


「「……マジかよ」」

 アニキと呆然としてしまった。

 これ……もしかして最悪の一手だった?


 ……いや、小さな破片は動かない。

 そうだよな、アニキが足を切り落としたけど、その足からも異形は産まれなかった。

 比較的大きな破片が蠢き、すごい勢いで集まり始めた!

「姫さま! もう一度投げるのでください!」

「わ、わかった!」

 姫さまから浄化の玉を受け取ると、ピンを引き抜き異形に当てる。

 再び爆発。

「……ダメか!」

 確かに体積は減っている。

 減っているが、死滅はしない。


 残りの浄化の玉でいけるか!?

 あの時点で残り十個って言ってたな。今二つ使い、あと八個だが……。


『今代の勇者よ。私が剣に魔力を与える。それで、アレにとどめを刺せ。浄化の玉よりも威力がある』

 絵本が俺に語りかけた。

 あ、そういえばすごい剣を持ってたんだった、俺。


「頼む! 再生しないうちに殺るから、早く!」

 絵本に向かって怒鳴り、剣を抜くと……おぉ! 剣がすごい輝きだしたぞ!

「行くぜオラァッ!」

 俺は結界を飛びだし、再生しつつある異形に向かった。

 剣は、直視出来ないほどに青白い光を放ち、しかも暴走しそうな感じで震えているんですけど!

 コレ、使って大丈夫なのかな!?

 後ろで姫さまが「アルジャン! 絵本の言うことに耳を貸すな!」とか叫んでるんですけど……。


 ……だが、使わないという選択肢はない!


「悪いな! 冥界に旅立ってくれ!」

 俺は、勇者の剣を振り抜いた。


 とたんに光が弾け、その威力に、異形もだが俺も吹き飛ぶ。

 光が埋め尽くし、俺は真っ白な光に呑まれながら思った。

 ――うん、姫さまの言うことは正しかったよ――。


 コミカライズ、2話目前半が公開されました~。

 ニコニコ漫画とカドコミweb版で公開中です!


 毎月25日更新だと思っていたのに、まさかの配信……。

 慌てて投稿しましたw

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2024年9月5日 ドラゴンノベルスより発売
やんちゃ姫さまの大冒険 うちの第三王女、冒険者になるってよ


著者: サエトミユウ / イラスト:きんし

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