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第七話 ここまで来るのに長かったなぁ

結局、こんな時間帯になってしまうのか……




開始までの30秒のカウントが現れた


てことは、そろそろ始まるなぁ


いやぁ、ここまで長かった。

いや、ほんとに長かったんだよね

たかが一日半くらいの話だと思うじゃん?


でも、体感は違うんだよ。何というか……何も持たない状態で5時間座っていたような長さだったんだよ


何だそれ?と思った人。一度試してみよう

上手く行けば僕と同じような虚無感が味わえるよ!


と、そんな下らない冗談(一部本気)はおいといて。



あれからは急に伸びたステータスの確認と試しにスキルを使って感覚に慣れたりしているところに、スライムが構えと言わんばかりに体当たりしてくるような状況だった。



【悪天反転】している状態だと防御力の方がスライムの攻撃力よりも圧倒的に高いからダメージは無い。

けど、それでも鬱陶しいんだよねぇ


えっ?殺せって?

せっかくここまで放置してきたのに、ここで殺したらすべてが水の泡になるようで勿体無いでしょ


まぁ、そんな変なプライドを持っていたからスライムにスキルをぶつけないようにするために、命中精度が上がった(ような気がした)のだけど。


振り返っていると、遂に5秒を切った

さぁ、みんなも一緒にカウントしよう


3


2


1


スタート!


カウントがゼロになった瞬間、視界が光に包まれ、次に目を開いたときには元いた草原ではなく、中世ヨーロッパを再現したような大きな街が見えていた 


【世界にユニーク種族が登場しました。ユニーク種族について、ヘルプに追加されました】

【大罪保有者が登場しました】

【世界にユニーク職業が登場しました。ユニーク職業について、ヘルプに追加されました】


おぉ〜広〜い!

いいねいいね。

こういう賑やかな雰囲気も僕は好きだよ


でも、称号とか、種族とかをアナウンスされたのは気に入らないなぁ


手の内がバレちゃうじゃん

いや、もしかしたら僕以外にも誰かいたのかもしれないけどさ


案の定、風来人はざわついてるし


……賑やかなのはいいけど、煩いな

それはあまりよろしくない。

早いとこ友人達を見つけてしまおう 



ところで、怪しそうな人間に見られないようにするためにはどうしたらいいでしょう?

正解は周囲に溶け込むでした!

幸いにして、【天悪】は人間と同じ見た目だから違和感なく溶け込めるでしょう


「さて、友人はもう来ているのかな?」


人混みの中を流れるようにスイスイ泳いでいく

気分はさながら魚だね

目指す先は遥か上の滝じゃなくて中央にある噴水だけど



あぁ………にしてもいいにおいするなぁ

この匂いは多分串焼きかな?

ずっと寝てたからお腹が減っている気がするんだよね

後で買いに行こう

所持金無いから買えないけど!



……特にこれといった問題もなく目的地に着いてしまった。悪いことではないけど


にしても思ったより風来人って多いんだなぁ


そういえば、前にニュースで完売したとかいってなかったったっけ?

それも馬鹿にみたいな金額で転売されてたような……


……これをくれた夢月の友達に感謝だね

早すぎるとは思うけど、既に手放せないくらいに楽しんでるよ

依存……しないといいなぁ


あまりの人の多さとゲーム自体の金額の高さから、このゲームの企業の利益の膨大さを計算して戦慄していると

噴水目指して僕より少し背が高くて大剣を背負った男がズカズカと歩いてきた。


ん、多分あれかな



見た目は……軽戦士と重戦士を足して2で割ったって感じだね

……それはただの戦士か


一人だとこういうボケにも一人で突っ込まないといけないから大変だよねぇ……

バラエティーのツッコミ担当の重要さがよく分かるよ


あ、話がズレた

これはもう僕の悪癖かな?

いや、考えることが悪いこととは思えないから、悪癖ではないね


っと、話を戻そうか。

髪は赤、目も赤ね。

これって多分蓮だよね

蓮好きそうだもんなぁ~回避型戦士

の割には大剣だけど


そういうところが絶妙に噛み合ってないんだよねぇ

うん。蓮らしい


「よっ!お前は龍雅だよな?」


いきなりリアルの名前で呼びやがった。

幸いにして、僕らの会話は周りの騒音にかき消えたけど、そのへんにはもう少し気をつけてほしいな


今回はPNを知らなかったってことで見逃すけどさ

次は赦されないよ


その思いを心に押し留め、表面上では極めて和やかに言葉を返す


「そうだよ。ここではカゲロウだからそっちで呼んでほしいな」

「そっか、俺はクロスだぜ!」

分かるよ

その純粋そうな眼。悪意はなかったんだって

でも、それとは別

まぁ、後で折檻だね!

大人しく受け入れてくれることを願うよ


「じゃ、もう一人待とうか」

クロスの後始末を軽く思考したあとに、夢月の名前を出さないようにクロスに待つことを勧めたが

「その必要はないよ」

と言われてしまった


振り向くと淡い蒼の髪と翠色の目をした女性が立っていた


良くある魔法使いのとんがり帽子こそないものの、ローブを着込み、杖を片手で弄る姿はまるで本物の魔法使いみたいだ


ん〜、これは間違いなく夢月だね

彼女が好きそうな色だし

多分魔法形かな

いや、むしろその姿で物理はありえないね

混乱させるというのが目的なら大成功だよ


まぁ、そんなドッキリをするような女性ではないことは分かっているんだけど


「なんて呼べばいいかな?」

「ルナでいいよ」

「よし!カゲロウとルナも揃ったことだし、情報共有しようぜ!」


「情報共有というか、ステータス確認ね」


嬉しいそうに手を叩く蓮ことクロス

呆れながら指摘する夢月ことルナ

それを眺める僕ことカゲロウ


うん。この三人でゲームする機会なんて今まで全く無かったからね

クロスのそのはしゃぎたくなる気持ちも分かるよ?


……子供っぽいことを除けば


所持金持ってない理由はAIから渡されなかったからです。AIを怒らせると所持金をひったくられて文無しで放り捨てられるといった使用になってるよ


それと、幼馴染達の名前の由来だけど、当てられる人って居るのかな?いたら凄いよ

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