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13話

 

 これも過去に女性を喰い物にしてきた報いなのだろうか──拓哉はふとそう思う。一般的に男性からすれば羨ましい話しである。20代前半のセフレと16歳の彼女がいる事を”報い“と感じるほど、ホスト時代は異常だったと言える。あのまま事件に巻き込まれていなければ、どんな人生だったのか──リアルに想像が付き、背筋が凍った。



「今日は我慢してあげる。時間も時間だしね。一週間後、いつものホテルでセックスして、いつも通りカレーショップでご飯を食べて帰る。分かった?」



 解決策は一つだけある。それは、この事を正直に瑠璃に話す事だ。嘘に嘘を重ねた挙句、一体どんな事になったのか──その場凌ぎで、悪戯に怒りや疑念を抱かせて、挙句の果てに目の前で死なれてしまった。当時は、何故死んだのか全く理解出来なかったが、今なら多少は理解できる。”誠実に向き合う事”以外に豊かな人間関係を構築する方法はない。正直に瑠璃に話してこの件の落とし所を探るしかない。



「うん。とりあえず、今日は帰るよ」


「分かってくれたらいいのよ。裏切ったら殺すわよ」



 彼女はレシートを握りファミレスから出ていった。氷が全て溶けたアイスコーヒーを一気に飲み干して、物思いにふける。


『気が重いな』



 彼女とそういう関係を続ける事になったのも、彼女自身の魅力や、置かれている境遇の類似性、そして何より瑠璃との距離を取る為だった。今考えれば、昔からある例えで“磁石のS極とN極”だ。どれだけ避けようとも引き寄せられる関係だったと。最初から瑠璃と恋人関係になっていれば、彼女を傷つける事もなかったはずだ。やはり、人の道を外れるとそれなりの報いは必ず受ける。どういう形でかは分からないが必ず訪れる。人間は間違いを犯すは、何度も似たような事を繰り返してはいけない。


 拓哉は足取り重く家路へと向かう。道中、瑠璃の声が聞きたくなって何度もスマホを手にしたが、既所のところで踏み止まる。時間も0時をまわっていて、ただの迷惑でしかない。起きているかもしれないが、20歳も歳が離れた相手にいい大人がする事じゃない。出勤の時間まであと7時間以上ある。最寄り駅の改札を出て夜空を見上げる。秋の気配が忍び寄る空気を受け、柄にもなく胸が締めつけられた。

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