1,新しい生を受けて
初めて投稿するのですが、文章も拙く、語彙も乏しいです。自分の好きなシチュエーションを詰めた異世界転生の小説となっているので、それらを加味した上で楽しんでもらいたいです。。
僕は二度目の生を受けた、らしい。何故「らしい」なのかというと、単純にあまり実感がわかないからである。でも、正直生きることに興味はない。楽しいと思えたことが一度もないから。どうせなら動物に生まれ変わって沢山愛されたかった。
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僕は前世?といったらいいのだろうか。前世は普通の男の子だった。あ、でも普通と比べたら少し不幸の人生だったかな。
僕が生まれて一年くらいで父と母が離婚して、母に引き取られてから二人暮らしで貧しい暮らしをおくっていた。
父からの養育費は十分にもらえなかったらしい。父はそこそこ良い会社に勤めていて、頭が上がらなかったみたいだ。
最初の2年3年、母親は一生懸命僕を養おうと働いてくれた。本当に。段々働く頻度を増やして家には帰ってこなくなって、最終的に疲労とストレスに揉まれて変わっていってしまった。
そして、僕を見てくれなくなった。見たらあたってしまうから、と本人がお酒を飲んだときに泣いて謝りながらこぼしていた。とても寂しくて、悲しかったけど僕を引き取ったせいで、母親が悲しんでいるのを見て文句を言いようがない。ただただ申し訳なかった。
いつからか母親は帰ってこなくなり、独りぼっちになった。夜がきて電気も点かない暗い部屋に横になって、神様に死にたいと願ったところまでが僕の記憶だ。
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いつの間にか周りが静かなことに気が付いた。いつもはバイクが通り過ぎるうるさい音や家賃を催促するおばさんのうるさい声と何回も鳴らすチャイムの音が聴こえていた。でも、耳を澄ましてみても何も聴こえないというか、目も開けない。不安で胸いっぱいになったけど、どことなく落ち着いていた。
意識がぼーっと遠のいていくのが分かった。僕はそれに身を任せて意識を落とした。
眩しい。光が瞼を貫いて反射的に目を開けた。すると何やら周りが騒がしくて、驚いて「何?!」と大きな声をあげてしまった、つもりだった。だが実際出たのは「おぎゃ」という声で、自分で自分があげた声にビビって、声を出して赤ちゃんのように泣いていた。というか、、赤ちゃんだった。僕が…。
一旦冷静を取り戻して、周囲を見渡してみた。壁が住んでたボロい壁じゃなくて、白と金で模様が描かれていたりする高そうな装飾で、照明はシャンデリア?というもので、机に飾られている花瓶と花さえも高そうなものだった。自分が受け入れられる情報の容量がいっぱいになったのを確認して、取り敢えず寝た。眠たかったから。(現実逃避)
周囲がまた騒がしくなったのを感じ、目が覚めた。寝起き一番にシャンデリアが目に入り、避けるように横を見ようとしたけど体が動かなかった。仕方なく目線を最大限横にして、声のする方に目をやった。
そこには、困った顔をしたかっこいい男の人がいた。年齢は30代後半から40代くらいだろうか。光をそのまま写したような綺麗な金髪に整った顔。まさしくTheイケメンだった。年齢が高いのは分かるのに、それを許容して惚れそうな程。
その人に向けて何か叫んでいるのはまだ若い女の人。綺麗な透き通る青色の髪をした女の人で、目は大きくてぱっちりとしていて、美人というより可愛らしい感じの人だった。何やら不満なことがあるのか金髪のイケメンの人に向かって「この子は私のモノよ!」と叫んでいた。
すると男の方は、「いい加減にしろ。お前のものではないと何度言ったら分かるんだ。俺がお前達のやったことを見逃してやってること、忘れるなよ。」と言い返すように放っていた。
最後の方は殺気?みたいな冷たく硬いものをこっちまで感じて、泣きそうになった。何とか泣きそうになるのを力を入れて我慢したけど、「おぎゃ」と漏れてしまい、急いで口を閉じた。それに気付いたらしく、女の人は近付いてきたけど、男の方はパタンと音を立て、部屋から出ていった。
女の人は僕を見下ろして言った。「何であなたは金髪を受け継がなかったの?私はそのために産んだのに。」悲しそうに、でも怒った顔で僕に語りかけた。
僕はそれに対して「ごめん。」ということしか(思うことしか)出来ない。まあ、出た言葉は勿論「おぎゃあ」だが…。
何日か周囲を観察し、過ごしてみて分かったことは、僕は男の子に生まれ変わり、名前はシュリヒト・ヴィレイン・シュテルケというらしい。何とも長ったらしい名前である。しかも3単語もある。
名前がシュリヒトで、名字がヴィレイン。王国の王子として生まれたため、王家の証のシュテルケも付け加えられたらしい。
名字の方は母方の家名で、僕の母はあの日僕を見下ろして話しかけた、透き通った青の髪色をした女の人で間違いなかった。父は、母と言い争いをしていた金髪のイケメンで、現在進行形でこの国グレーステ王国の王様らしい。
ちなみにグレーステ王国は、この大陸で一番の勢力をもち、武力、経済力、政治ともに豊かな最強国家らしい。文明は、電気の代わりに魔法が使われている感じでスマホはなく、TVもない。少し日本と比べて不便ではあるが、生活に困ることはないだろう。
ここには、日本にはない冒険者なる職業もあり、前世で読んだ異世界小説の世界に少し似ていた。さらに、貴族女性はドレスを身に纏い、モンスターも存在する何とも異世界チックな場所と言える。
僕は前世では中学2年生まで生きていた。中学生になって初めて出来た友達からオススメされた異世界小説を、丁度読み終わった後、学校を休むようになったため、異世界小説は独りになった僕の頭にずっと留まっていたから、よく覚えている。そのおかげか、この世界の仕組みはすぐに理解できた。
赤ちゃんながらよく理解した、と自画自賛して、本題に入ろう。。僕は王家の血筋として、少し、いやかなり問題があるらしい。ここグレーステ王国では、王家の血筋をひくものは必ず金髪、銀髪、又は赤、金色の瞳を受け継ぐらしい。これら以外を引き継いで産まれた子供の前例がなく、今までずっとこれらを受け継ぐものを王族の証として、生きて証明し続けたらしい。
しかし、僕はそれらをどれも受け継いでなく、水色の瞳に白髪といった王家に関係ないビジュアルをしているらしい。しかも、母方の祖先でさえ、そういったビジュアルをしたものは今までいなかったみたいだ。特に白髪は、この国では誰一人として持っていない珍しい色らしい。
僕はまだ首が据わっていないため、自分の顔がどんな感じなのか分からない。しかし、この部屋に出入りしているメイド達の大きすぎる話し声と母親の呆れたように僕に話す声で、知ってしまった。産まれてきて早々、周りから疎まれる対象となったらしい。
前世に少し重い過去を持った主人公。美形な登場人物。あまり良い待遇を受けていない主人公。
これら大好物です!