表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女の力を隠して来たのに、妹に利用されました。このまま利用されたくないので、家を出て楽しく暮らします。  作者: 藍川みいな


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/37

35、結婚式



結婚式まであと2日。

王都に入り、この国の現状を知った。


貴族は何よりも優遇され、平民は食べるものにも困っている。小さな国だから、国民の負担が大きいのだろう。

それに、この国は奴隷を使うことを容認しているようだ。ボロボロの服を着て痩せ細った子供を、何人も見かけた。奴隷を使っているのは、貴族達だ。


この国は、腐っている。


「サンドラ……」


目立たないように、フードを被って歩いていたのに、私の名を呼ぶ声が聞こえた。振り返ると、そこにはエヴァン様が立っていた。


「エヴァン様!? どうしてここに!?」


前に会った時よりも、かなり痩せている。たった数ヶ月なのに、別人のような容姿。あんなにキラキラだったのに、容姿を気にしている様子はない。


「ロックダムとこの国がしたことを聞いて、償いたかったんだ」


まさか、エヴァン様がそんなことを思っていたなんて……


「サンドラの為を思ってくれたのは、感謝します。ですが、俺はあなたを許せません」


ジュードが、エヴァン様に詰め寄る。


「ジュード王子……ですね。許されないことをして来たのは、分かっています。信じていただけるとも、思っていません。俺は、ロックダムを見捨てましたし。ただ、2人ともこの国から出た方がいい。この国は、サンドラを利用するつもりです!」


本心から言っているのだと感じたのか、ジュードはエヴァン様への警戒をといた。


「分かっています。受けて立つのが、サンドラですから心配はいりませんよ」


ジュードの言葉に、エヴァン様はまるで憧れの人を見るような眼差しを向けた。


「……勝てそうもありませんね。最後まで見届けます」


エヴァン様はそう言って、私達の前から去っていった。




結婚式当日。

結婚式が行われる広場に、沢山の人が集まっていた。既に気付かれているかもしれないが、ギリギリまで姿は見せない。


「何があっても、俺が守るから」


ジュードは私の手を握り、力を込めた。


「ありがとう、ジュード」


ジュードの手を握り返す。

ジュードが隣に居てくれるだけで、何でも出来そうな気がする。


結婚式が始まる5分前、ジュードが変えてくれた髪の色を元に戻した。銀色に戻すのは、本当に久しぶりで、まるで自分じゃないように思えた。


「やっぱり、綺麗だ」


初めて髪の色を褒められたあの日のことを思い出す。きっとあの時から私は、ジュードに惹かれていた。


私達は、用意されている席へと歩き出した。


「王女様!?」

「王女様よ! 何て美しい……」


どうやら私は、母によく似ているみたい。

用意された席に座ると、もうすぐ式が始まるというのに、貴族達が次々に挨拶しに来た。

アンナとバーク伯爵が姿を現しても、誰もそちらを見ない。結婚式なのに、少し気の毒になって来た。


「聖女様! お会い出来て光栄です!」


皆揃って同じことを言ってくる。

自分達で王族を皆殺しにしたくせに、どうしてそんなことを言えるのか……

きっと私が全て知っていることを、この人達は知らないのだろう。


誰も見ていない結婚式が進み、国王の挨拶が始まった。


「今日は、本当に素晴らしい日だ。バーク伯爵とアンナの結婚に加え、王族であるサンドラ様がこの国に戻られた! 皆、サンドラ様に盛大な拍手を!」


結婚式はそっちのけで、私の紹介をする国王。

アンナの顔が、どんな魔物よりも恐ろしい表情になっている。


私は立ち上がり、国王を見た。そして……


「私はあなた方のしたことを、全て知っています。それでも、私をこの国の王族とお認めになるのですか?」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ