プロローグ
「はぁ~。今度は火山地帯か……。ま、どこ行っても俺の何かが変わるわけじゃないんだがな」
そう言えば、この火山地帯には炎龍の一族がいるんだったな。戦ったら勝ち目はない。気を付けないとな。
滅多に起こらないことを考えながら、ウォールス火山のふもと道を進む。
流石にこんなところに人はいないか。
道には一般人はおらず屈強そうな冒険者や獣人等の戦えるもののみが行き来していた。
勿論、誰一人として呑気におしゃべりをしているものはいない。聞こえてくるのはどれも独り言や必要最低限のものだけだ。
それもそのはず。炎龍を怒らせると同じ龍族、あるいは膨大な魔力を蓄えた魔物でない限り手も足も出ないのだから。
「っとこっちか」
看板の案内に従いわき道に入るとそこは洞窟の入り口が大きく開いていた。横に10人ほど並べるぐらいの幅と大人二人が肩車をしても天井に届くかどうかと言う高さがある。
中に入るとうっすらとオレンジ色の光で照らされているのが分かる。燃石が熱と光を放っているのだ。
目的はこの洞窟でしか採掘できないという無限燃石だ。
よくは知らないが、名前から分かる通り永久に熱と光を放ち続けるらしい。通常の燃石は熱を吸収し、吸収しきれなくなると今度は放出し始める。そして全てを放出しきると発光と発熱が止まりただの石ころのようになる。
洞窟を進みながらマッピングをしていく。洞窟では迷うとそこで人生が終了するかもしれないからな。
まぁ俺はいつ終わっても構わないと思っているが、自分から死にに行くのは何だか負けた気分がするからそれはしない。
しばらく進むと周りのオレンジよりももっと濃い紅色の光が差しているのに気付いた。
無限燃石だろうか。
俺はその光のする方向へ急いで、慎重に向かった。
すると少し開けている場所に出た。見ると壁のあちこちに埋まっていたり、そして地面に沢山の燃石が転がっていた。更に天井が抜けているらしく光が差していた。
そして、転がっている燃石の中にはひときわ紅く輝く無限燃石らしきものがあった。
「うおっ!これかぁ。確かに言われた通りの見た目だ」
手を伸ばしそれを拾おうとすると「さわっちゃダメッ!」とまだ幼さの残る高い声が洞窟に響き渡った。
初めましての方は初めまして。自分の作品を読んで頂いた方々はお久しぶりです。
お手に取って頂きありがとうございます。
また皆さんの一時を楽しいものにできるように頑張りたいと思います。
と、堅苦しいことは置いといて
とにかくこれからよろしくお願いします。
それでは、自分の力量の限りお楽しみくださいませ。