魔薬作りの調査
そろそろ魔蜘蛛を刈った賞金が切れる。
いつもギルドハウスにある宿屋を利用しているから生活費は言うほど掛からない。
しかし、酒と煙草の金が無くなるのは別だ。
特にお気に入りの東方辺境伯領の地酒が、切れるのは我慢できない。
寒い地方の酒で90度近く度数があるから色々便利なのだ。
ギルドの掲示板を見ていると、東方辺境伯領で魔狼化した月狼が討伐されていた。
「魔獣の大増殖でも起きりゃ一杯刈れたのになあ~」と心の中で言っておく。
”魔薬作りの調査”と言う依頼が目を引いた。
ギルドの職員であるドワーフのウルベに詳しく聞く。
月狼が魔狼化した原因に魔術で作った毒薬が関係しているそうだ。
ホワイトファング伯が激怒して、魔薬の僕滅を帝国に依頼している。
第2皇女が積極的に動いているらしい。
前々から怪しいと思われていた魔女の家を強襲する依頼である。
「ふーん。魔女ね~。場所はどこ?」黒髪を指でいじりながらマガリが聞く。
「魔じわりの森を結構入った所になる。マガリ。一人はダメだぞ」
「ふふふふ~ん。じゃ。行ってくるよ」マガリが笑いながら言った。
クロスオーバー・ザ・ハナゾノ。