留学生
休み時間、マガリは教室の椅子に反対向きに座り、勉強しているメアリーのノートを見た。
”そんなに、足を開いてはしたないですよっ”
レイリアの言うことはもっともなことだったので、座りなおした。
どんどん品行方正になる、私。
「なんだ。ここが違うじゃねえか。この公式をこうして、ああして、こうするんだよ」
「なっ。なんでそんなに簡単に解けるんですか」
もしや、状態異常治癒の加護が必要?!
メアリーが本気で発動しようかと悩んでいると、
「いや。授業中見てるとわかるだろ」
マガリは、意外と天才肌であった。
「ん」
もう一人、本を開けて勉強している女子がいる。
全身をすっぽりと覆うゆったりとした服で、手と顔以外、肌は見えない。
「よ。お前も分からないところがあるのか?」
褐色の肌に銀髪、青い目、この組み合わせは、この国では珍しい。
「留学生のシャリーさんですよ。砂漠の国のアールヴから来たんですよね」
白眉山脈を超え、レンマ王国の南西に位置する砂漠の国である。
「シャリー言います。まだこの国の言葉、良く使えない、です」
よく見ると開いているのは、国語の本だった。
「マガリだっ」
「メアリーです」
「〇×※□!! 聖女様 たちですね」
「そうだよ」
「……遺憾ながら」
「ま。いいじゃねえか。仲良くしようぜ。困ったことがあったら言ってくれよ」
「アールヴの話が聞きたいですね」
次の授業の時、リント先生が
「来月、魔じわりの森で実地調査をすることになった」
「参加希望者は明日、フル装備で学園に来てくれ。参加できるかどうか判断したい」
「それから、マガリとメアリーとシャリーは強制参加だ」
いつもクラスの片隅で静かに座っている彼女に、注目が集まった。
友達ができた。




