入学式
「制服だっ」
マガリは、紺色を主体にしたアカデミックな制服を着ている。
少し変形したセーラー服に、厚めの生地のキュロットスカート。
その場でくるりと回る。
「ふうう。堪能したぜ」
いつもの黒づくめの軽装備に戻そうとしたとき、
”マガリさん。今日は学園の入学式ですよ”
レイリアが心の中で言う。
「そうだぜ」
”なぜ制服を脱ごうとしているのですか?”
「この格好で外を歩くのか?」
”……ええ”
「……魔獣に襲われたらどうするんだ?」
”(南方辺境伯)領都内に魔獣は出ないと思いますが”
「都会の男は魔獣だと、お母さんが言ってたぜ」
ハルバートを素振りする。
”……否定はしませんが。都市から出ないから大丈夫じゃないでしょうか”
「そっか。細かいことは気にしても仕方ないな」
”そうですね”
メアリーと学園の正門前で待ち合わせの予定である。
どちらかと言うとアダルトでシックな制服に、ごつい編み上げ式のジャングルブーツと黒いハルバートを持ったマガリを、遠くに見つけたときメアリーは
「やはり、部屋まで迎えに行けばよかった」
とつぶやいた。
ハルバートは、学園入り口の門衛に没収された。
「学園内で男に襲われたらどうするんだよ」
と言っても聞き入れてくれなかった。
入学式は、右目の眼帯とブーツで周りがざわめいたが”レイリア”の聖女ムーブで問答無用に黙らせた。
普通なら追い出されてるわな。
入学生の代表は、タンデライオン皇女だった。特待クラスに通うらしい。
ちなみに、試験的に作られたクラスは、二つ。
特待クラスと一般クラス。生徒数はそれぞれ20名である。
聖女とは言え孤児院育ちの、メアリーとマガリは一般クラスになった。
特待クラスの先生は、第一皇女で研究所所長でもあるアマリリス教授。
一般クラスは、最近新婚だと噂のリント教授だった。
リント教授と教室で初めてあった時、白い女騎士と一緒に戦っていた竜騎士だったので、メアリーと一緒に驚いた。
「ま。結婚相手は団長さんだろうな」
息がぴったりに戦っている二人の姿を思い浮かべた。
学園編スタート。




