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マガリとレイリア、ときどき聖女。  作者: トウフキヌゴシ
第一章、緑の騒乱

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20/33

北門の戦い

  魔獣たちは、魔獣使い(ビーストテイマー)に操られ北門に集まっている。

 集まりきる前に門の前に、即席のバリケードを置けたのが幸いだ。

 都市の兵士と冒険者を合わせて100人前後、20人ずつ門の外に出て交代で戦うことになった。

 門の上から弓矢やライフル、術式士の攻撃術式が援護する。

 バリケードを盾に何とか耐えているがじわじわと損害が出始めている。

「なぜ一気に押し寄せてこない」

「まるでこちらが疲労するのを待っているようだ」

 メアリーが何度目かの、広域(エリア)治癒の加護(スキル)をかけた。

 誰かが

「聖女だ。聖女がいる」

「そうだ。こちらは聖女が二人もいるんだ」

「それは……」

 メアリーが言おうとしたとき、聖女の微笑を真似した()()()が横に並んだ。

 わ ら えと声を出さずに言う。

 メアリーは一回、唾を飲み込んだ後、強引に笑った。


「うおおおおおおお」


 すかさずマガリがハルバート二本を上にあげた。


「いくぞおおおおお」


 メアリーは、交代するために門の外に飛び出していく人のために、せめてきれいな状態で送り出そうと、広域(エリア)浄化の加護(スキル)を掛けた。


 一時間近く経った。全員の疲労の色が濃くなって来る。被害者が増え始めた。


 マガリも交代してから、膝をついて肩で息をしている。


 その時、門の外から「アオーーーーーーオン」と言う狼の声のようなものが聞こえた。


「まさか、月狼(ルーンウルフ)月の威嚇(ルナティックハウル)か」


 メアリーが大急ぎで城壁の上に上がった。もうすでにマガリは城門の外に飛び出している。


 外にいる人と魔獣化した月狼(ルーンウルフ)の周りにいる魔獣が、状態異常になってしゃがみこんだり、錯乱して走り回ったりしている。


 メアリーは、広域(エリア)状態異常治癒の加護を人のいる所に何回もかけた。


 何とかふらつきながらも立ち上がった人たちを、マガリが門の中に逃がそうとしている。

 月狼(ルーンウルフ)が逃げ遅れた一人に噛みつこうとした。

 マガリは、肩で息をしながら、左手の白いハルバートを投げつけ、黒いハルバートを杖にして、月狼(ルーンウルフ)の立ちふさがる。

「ぜえっ。ぜえっ。もう駄目だぜ。これ以上」

 ふらつきながらもハルバートを構えたとき、


「ドンッ」と言う音と共に、横から飛んできたジャベリンが月狼(ルーンウルフ)の体を吹き飛ばした。


強力な援軍が来ます。

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