スタンピート
「おかしいな」
翌日、約束通りメアリーと魔じりの森に魔獣を刈りに来ている。
「本当ですね。魔獣が少なすぎます」
「ここまで少ないのは初めてだ。大きな騒乱とかに関係しているのか」
この件に関してはレイリアは何も言わない。
目についた魔獣を適当に倒して都市に帰った。都市のギルドでも同じような話になっている。もう一度、皇国に報告することになるらしい。
噂では飛行艦と騎士団の訓練が終わって皇都に帰ったそうだ。
「もう一度見たかったな~」
そうですね。あれはいいものです。
都市のギルドからも冒険者の調査隊が出されたが、誰も帰ってこなかった。
おかしいと思いながらも一カ月が経ったとき、魔獣のスタンピートが起きた。
しかし普通のスタンピートではなかった。
金髪でエメラルドグリーンの目をした魔獣使いが、数十人、魔獣の中に混じって魔獣を使役していた。
本来のスタンピートは周りの生物を魔獣に変えながら、一番近い人の都市の押し寄せるものである。
極度に興奮した魔獣は仲間でも攻撃し合う。
隊列を組んで静かに移動する魔獣の群れは、異様な光景だった。
マガリたちの都市にも魔獣と魔獣使いが現れた。
「五百頭くらいかなあ」マガリが、都市の城壁の上から見ながら言う。
「しかし異様じゃのう。あれが魔獣使いと言うやつか」
「三人とも同じ顔じゃの」
金髪にエメラルドグリーンの目をした若い男だ。
背中に斧を背負った、ドワーフのウルベがゾッとしたように言う。
「本当ですね。整列して移動してますよ」
隣に立ったメアリーが首を傾げて、魔獣の進む先を見た。
都市には、四方に鉄の城門があるが、北門だけ半年前に馬車の事故があり一部木製になっている。
「えーと。南門と、東門をスルーしてませんか?」
マガリとウルベは、大声で周りに知らせに行った。
本来なら一番近い南門に突撃します。




