聖女、二人
メアリーは、会議室にレイリアを連れ込んで鍵を閉めた。
レイリアの、立ち居ふるまいから、背後から後光が出ているような錯覚を受けながらメアリーは言う。
「えっと。あ。」突然、思いついたように”状態異常治癒の加護”をレイリアにかけた。
「くすす。状態異常ではないです。」
口に手を当てて、日頃のマガリからは想像もできないような上品な笑顔で笑う。
あまりの可憐さに女性であるメアリーが、頬を赤く染めた。
レイリアは、悪戯を思いついたような笑顔を浮かべ、懐から煙草を出して吸い始める。
メアリーは、その姿を見て初めて安心した顔になった。
「マガリは眠っています」
胸に手を当てながら言う。
「彼女の魂はボロボロです。これからは私が出てくる時間が増えるでしょう」
メアリーは愕然とした。
レイリアが表の意識に出て来てから、伝説で伝えられる”聖女”にしか見えないのだ。
人の神に直接名を授けられているから当然である。
「これから大きな、大きな、騒乱が南から来ます」
「はい」
「どうしますか?戦いますか?逃げますか?」
「レイリアは、いえマガリはどうするんですか」
「「戦います」」
「では私も二人の側に残ります」
レイリアがふんわりとメアリーを抱きしめた。
「大丈夫です」
「近い将来、貴女は”広域状態異常治癒”の聖女と呼ばれますから」
「えっ。私がですか?」
レイリアががゆっくりとうなずく。
「えっ。嫌なんですけど……」
「ちょっと待ってください。待ってください」
レイリアは聖女の微笑でメアリーを見ている。
術の一号。力の二号。




