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レイリア
ドラゴンゾンビの討伐から、ギルドハウスに帰って来た。
一晩、ギルドハウスの2階の宿屋で寝て、今は朝だ。
ドラゴンゾンビにペシッとされて、メアリーに起こされるまで記憶がないんだが、何故か体の調子がいい。
体の奥底にいつもあった倦怠感が半分くらいになっている。
いつも疼いている右手が疼かない。
いつでも戻せるように、恐る恐る魔封じの手袋を外してみる。
すぐに戻した。
「メアリー」
部屋を飛びだしてメアリーを探す。
「どうしたんですか。また飲んで……ないですね」
「みっ右手がおかしい。全然疼かない……」
「手袋を外しても平気だった」
消え入るような声で言った。
「つっ。神よ」
五体投地に近い土下座で、涙を流しながら神に感謝しているメアリーを、マガリは見てはいけないものを見るような目で見ていた。
「覚えてないんですね」
満足したのか、メアリーが土下座から立ち上がって聞く。
一瞬だった。
メアリーの顔の近くに、顔を寄せたマガリが、聖女と見間違えるような表情になる。
「いつもありがとう」
神聖さを感じさせる声だった。
「レイリア……ね」
マガリは、こくんと首を縦に振った。
神の左手、悪魔な右手。(嫉妬)




