ドラゴンゾンビ
マガリは、ハルバートに黒で統一された軽装鎧。
ハヤノテ・ハヤミは、腕と胸にサラシを巻いて侍の袴を着た軽装。
足袋に草履。腰に小太刀をさしている。
メアリーは、ゆったりとしたローブに、ボルトアクション式のライフルを持っていた。
力の弱い女性が、魔獣に対抗するときによく使われる装備である。
三人は魔じわりの森へ出発した。
「うーん。やはりな」
目的地の近づくにつれ、森の中なのに不死者が出る。
マガリのハルバートとメアリーのライフルに”浄化”の術式で倒しながら進む。
さすがにマガリも無傷では済まず、何度かメアリーに”治癒”の術式を掛けられていた。
「少しは手伝って」
メアリーがハヤミに言った瞬間、ハヤミはメアリーの首を小太刀で斬り飛ばした。
刀はメアリーの首をすり抜け、白い0の文字が空中に現れすぐに消えた。
「えっ」驚いている間にしゅぱぱぱとメアリーの首に0の文字が大量に表れる。
マガリには、ハヤミの刀が見えなかった。
「なんてことするんですかっ」
「やはり斬れないわね」心底、残念そうに言う。
「ウルベから聞いていないの。昔授かった加護の関係で一日一回しか斬れないの」
「その一回は何でも斬れるけど」
”コレに斬れぬものなし”加護の名前である。
メアリーがハヤミにビビりながらも先に進んだ。
森の向こう少し開けた場所に半ばミイラ化した竜の死体がある。
その前に五体。円形の盾とシミターを持ったスケルトンが立っていた。
メアリーが”浄化”の術式を掛ける。
何も起きない。
「あ。竜牙兵はゴーレムの一種よ」
……メアリーは黙ってライフルを打った。
マガリとメアリーが竜牙兵全てを倒した次の瞬間、魔法陣が現れ強烈な魔力とともにドラゴンの死体が動き出した。
ドラゴンゾンビだ。
「があああああ」マガリが特攻する。
腐りかけの竜の右手をハルバートで斬り飛ばした瞬間、ペシッという感じで左手で叩き飛ばされた。
「マガリさん」メアリーが必死に”治癒”の術式を掛ける。
いつの間にかドラゴンゾンビの前に移動していたハヤミが
「二度目ね」と言いながら、
加護、”コレに斬れぬものなし”
小太刀をふるう。
ドラゴンが縦に真っ二つになった。
気が付くと黒髪の美女と白髪の初老の男性が側に立っていた。
ハヤミは会うのは二度目。




