第78話 藁人形
お休みをいただき大変申し訳ありませんでした…!
次回から木曜投稿で再開できればと考えていますのでよろしくお願いします!
「それじゃあまずは…ジェリド君から。この藁人形に能力を活かして攻撃してみて」
レオンはそう言うと、道場の端に置かれていた大きな藁人形を一つ運び始める。
その藁人形を道場の中央へ置くと、レオンはアラン達の元へ戻ってきた。
「いいのか?俺の能力は炎を放つ…この道場、燃えちまうかもしれないぜ」
「…君なら大丈夫。炎のコントロール、できるでしょ?」
レオンにそう言われ、ジェリドはふん、と鼻を鳴らす。
「まぁ、ある程度は…よし、それじゃあいくぜ…!」
「あぁ、君の実力見せてくれ!」
「いくぞ…豪火炎!!」
そう声を上げた瞬間、ジェリドの右腕が炎に包まれ始める。そして引いた腕を前に突き出すと、炎は勢いよく放たれ一瞬にして藁人形を覆い尽くした。
「ほー、すごい威力だ…!こりゃなかなか期待できるな…!」
その光景を見ながら、レオンはポツリとそう呟く。
「す、すっげぇ…!!手から火炎放射が…!!」
「すごい威力だ‥!あんなの、敵だったら勝てっこないよ…!!」
今まで見たことの無い程の威力を纏う炎を見て、アランとベルは圧倒され驚いた表情を浮かべる。
「いやー、何度見てもすごいね、ジェリドの炎は」
「あぁ、単純な能力の強さならトップレベルだろうな」
普段から見慣れているであろうハオとロックスはニコッと笑みを浮かべながらジェリドの炎を眺めていた。
「こんなもんだろ…!」
炎が放たれてから少し経ち、ジェリドは炎を止める。
すると、先程まで道場の中央に立っていた藁人形は虚しく、黒い炭の山へと姿を変えていた。
「すごい…藁人形が一瞬で炭に…!」
「あんなの受けたら普通の人間じゃひとたまりも無いよ…」
あまりの威力に、アランとベルは引き気味にそう呟く。
そんな時、パチパチと手を叩く音が聞こえた。
「いやー、素晴らしい!威力の強さはもちろん、道場を燃やさないようしっかりと炎の範囲をコントロール出来ていた。…申し分ないね、君は合格!是非、今後も勇者団に力を貸して欲しいところだ!」
「ふぅ…とりあえずそう言ってもらえて光栄だ。道場燃えなくて良かったぜ…」
ジェリドはふぅ、と一息つくとアラン達の方へと戻ってきた。
「よし、それじゃあ次…ハオ君!」
「はい、お願いします」
レオンは再び藁人形を運ぶと、ハオの前に設置する。
「…確か君は能力持ちではなかったよね?」
「えぇ、僕は能力はありません。…ですが一応、龍神の舞は使えます」
「龍神の舞…サイの国に伝わる武術だね。よし、早速見せてくれ!」
「はい。それじゃあ…」
ハオは姿勢を正し目を閉じる。
そして、右手の拳を左の掌に勢いよくぶつけた。
「龍神の舞…!」
ハオがそう呟いた瞬間、ハオの体は赤いオーラに包まれ始めた。
「すごい…なんてオーラだ…!」
アランはゴクリと涎を飲み、食い入るようにハオの方を見つめている。
「サイの国奥義…衝龍波!!」
そう声を上げたハオは両手を引き、勢いよく前へ突き出す。その瞬間、赤い龍の形をしたオーラがハオの手から放たれた。放たれたオーラはとてつもない勢いで藁人形を包み込み、オーラを受けた藁人形は粉々に砕け散ってしまった。
「おぉ、すごい威力だ…!やっぱり龍神の舞は何度見ても面白いな…!」
レオンはニコッと笑みを浮かべ、ハオの方を見る。
「す、すごい…藁人形が粉々になった…!」
「なんて威力のオーラ…!サイの国の武術って凄いんだな…!」
アランとベルもキラキラと目を輝かせハオの方を見ていた。
「ふぅ…」
(やっぱり衝龍波を使うと疲れがでる…ダンに勝つにはまだまだ修行が足りないな…!)
ハオはそんなことを考えながら、アラン達の元へ戻ってきた。
「どうでしょう、レオンさん。僕は力になれそうですか?」
「うん、もちろん!サイの国の知り合いは何人かいるけど、やっぱりオーラの扱いはピカイチだ!是非その力、活かしてくれ」
「ありがとうございます。レオンさん達の役に立てるよう、がんばります!」
「うん、頼んだよ!…よし、それじゃあ次はロックス君!」
「おうよ!待ってたぜ!」
ロックスはポキポキと指を鳴らし、前に出た。
(二人ともすごいな…自分の能力を使いこなしてるって感じだ…。くそ…俺に…俺にできるのか…?)
アランはそんな不安を感じながら、ロックスの方へと目を向けた。
続く。




