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ドリームワールド ー夢の世界の勇者達ー  作者: はるく
アルハリア城下町編
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第72話 天魔流拿捕作戦

「さて、君たちには"天魔流"がここへ何しに来たかを一緒に調査してもらうって話だったけど…少し予定が変わってね、ここに来ている天魔流のメンバーを"拿捕"することにした」


唐突に放たれたその言葉を聞き、アラン達は驚いた顔を浮かべた。


「だ、拿捕ですか!?」


「天魔流ってかなり怖い集団なんですよね…俺たちでだけでそんな事できるのかな…?」


レオンから聞いていた話を思い出し、ベルは不安そうにそう呟く。


「それなんだけど、拿捕するに当たって俺の率いてる"勇者団二番隊"にも協力してもらう事になった。…流石に俺たちだけだとリスクが高いからね」


「二番隊…それならかなり心強いな…!」


「そ、それにしてもなんで急に拿捕する事に…?」


「それなんだけど、まず一つは最近天魔流の活動がかなり活発になっているからだね。こういう場合、何か大きな目的や計画を持っている場合が多い。一人でも捕まえられれば、何か聞き出せるかもしれない。次に二つ目!まぁこっちは単純な理由で、こんな所に奴らから来てくれるチャンスなんてなかなかないからせっかくなら…って感じかな」


「せっかくって…結構軽い感じですね…」


「そんな事無いよ、奴らの恐ろしさは十分知ってるし…だからこそ、奴らを目の前にしてこのまま野放しにしておく訳にはいかないと思ったのさ。放っておけば城下町や城塞都市の人達に危険が及ぶかもしれないしね」


「確かに…野放しにはできませんね…!」


「そうね、私たちにできる事であればどんな事でも協力します!なんでも言いつけて下さい!」


「うんうん!勇者団のレオンさんにお願いされるならどんな事でも喜んでやります!」


「そうか、ありがとう。…実は今回君たち以外にも何人か協力をお願いしている人達がいるんだ。後で顔合わせに行くけど…。ま、その前に作戦の流れをざっと説明するよ」


「はい」


「お願いします」


「うん、それじゃあ…。まず、今回の作戦の第一目的はさっき言った通り天魔流のメンバーを"拿捕"すること。その為には天魔流達の"動向"を探る必要がある。ある程度は俺の部下達が探りを入れてくれててね…とりあえず二人、天魔流のメンバーがいる事が分かった」


「二人…」


「あぁ。一人は"ガスマスク"の様なものを口元につけている大柄の男"デオラ"。そしてもう一人は"ピンク色の派手な髪色"をしている若い男、"ウェルパス"。細かい所はまだ調査中だけど、この二人が城下町にいる事は確実だ」


「デオラにウェルパスか…」


「聞いた事ない名前だけど、やっぱりちょっと怖いわね…」


「奴らが能力を持っているのか、何を目的にしているのか…そんな所もまだ分かっていないからそこら辺も調査で分かれば良いんだけど…。それと、一応他のメンバーがいないかも部下に調査させてる。一緒に行動してないだけでこの町に他のメンバーがいる可能性もかなりあると思うからね」


「ある程度敵の人数が絞れれば作戦も進めやすくなりますしね…」


「そうだね…。で、大まかな作戦の流れだけど、まず君たちには天魔流の"追跡"をお願いしたい」


「て、天魔流の…」


「追跡…!?」


「それって、結構危険じゃあ」


「危険ですね…」


四人は青ざめた顔を浮かべ、レオンの方を見る。


「まぁ、確かに…だけど、君たちは天魔流に顔を知られてないし、いざという時対応できるだけの力がある。下手に戦闘慣れしてない兵士をつけさせるより成功率は高いと思うんだ」


真剣な眼差しのレオンにそう言われ、アラン達は顔を見合わせる。


「…それに、君たちだけって訳じゃなくて信頼できる部下も同行させるから安心してくれ!」


レオンはそう言うとニコッと笑みを浮かべる。

その顔を見て、アランはふぅ、と息を吐いた。


「ちょっと怖いけど…これくらい出来なきゃ一人前の勇者にはなれないよな!」


「そうよね、今までだって結構無茶してきたんだから今さらよ!今回は勇者団の人達も付いてるし!」


「うんうん、受けるって言ったのは俺たちだしね!それに、勇者団の…それも二番隊の人達と仕事できるなんてなかなか経験できる事じゃない!この機会を見逃す理由は無いよね!」


「ありがとう。ただでさえ人手不足な世の中だ、そう言ってもらえると本当に助かるよ。…さて、話を戻して、今の所君たちにさっき話した"デオラ"と"ウェルパス"を追跡して動向を探ってもらおうと思ってる。そこで目的が分かればいいんだけど…そう上手くはなかなかいかないかな」


「そうですよね…。それで、追跡した後は?」


「ある程度追跡して情報が掴めたり、動向が分かってきたら次は第二フェーズ。…奴らを拿捕する!」


「拿捕ですね…!」


「上手くできるかしら…」


「第二フェーズの内容はこうだ。まず、君達には天魔流をおびき寄せてもらう」


「お、おびき寄せる…」


「って事は、交戦は必須ね…!」


「うん…そうなるだろうね。ま、戦闘はなるべく俺の部下達にやってもらって、君達はサポートにまわって欲しい。そして、奴らを町中央の噴水広場まで誘導して…そこで一気に捕える!」


「捕えるって、何か方法はあるんですか?」


「あぁ、用意はしてあるよ。まずは"捕獲用ネット弾"!大砲に入れて発射すると"鉄製のネット"が飛び出し相手に襲いかかる!…それでもダメな場合は俺の部下の能力を使ってもらう」


「部下の方の能力ですか?」


「あぁ、俺の部下に"アンネ"って娘がいてね?その娘は粘着性のある"蜘蛛の糸"の様な物を体から放出できるっていう変わった能力を持ってる。その糸はちょっとやそっとじゃ切れない。捕獲にはぴったりな能力なのさ」


「へー、そんな便利な能力が…」


「あとは俺や二番隊の兵達もいるし、上手くやれば拿捕はできると考えてる。…ま、実際の所奴らの人数や能力次第ってのもあるから確実かと言えばそうは言い切れないけど」


「まぁでも二番隊の方々がいるなら流石の天魔流も追い詰められるんじゃないか?」


「うんうん、レオンさんとレオンさんの部下の方達もいるみたいだし案外いけるかも?」


「まぁ、実際やってみない事にはなんとも言えないけど…作戦としてはそんな感じだ。部下には作戦の成功より君たちと民間人の命優先って伝えてあるからもしもの時は二番隊が命を捨てでも君たちを守るよ」


その言葉を聞き、アランはギュッと拳を握りしめる。


(命を捨てて守る、か…。くーっ!!やっぱり本物の勇者団ってかっこいいや!!こんな人達と仕事ができるなんて、なんだかわくわくしてきちゃったな…)


ニヤニヤと一人で笑みを浮かべるアランを、リサは優しい暖かな表情で見守っていた。


「…ま、ざっくりの説明はおしまい!もっと細かな説明は他の協力者の人達と合流してからするよ。とりあえず、その人達と顔合わせも含めて合流しようか」


「他の人達はどこに?」


「この近くに今は使われてない飲食店の空き家があってね?そこに待機してもらってる。今後の活動拠点はそこにしようと思ってるよ。…さ、他の人達待たせちゃってるし、そろそろ行こうか」


レオンは立ち上がると、ガイアムの近くへ歩いて行く。


「全く、お前は昔から無茶するな…。民間人の避難とか考えてるんだろうな?」


そう問いかけられ、レオンはニコッと笑みを浮かべる。


「…ガイアムさんもご存知でしょうが、この町は城塞都市のお膝元って事で昔から襲われやすかった。"鐘がなったら即避難"。これ、この町の常識です。ルートも日頃からしっかり伝えてあります。それに、作戦当日は二番隊がしっかり避難誘導します。…作戦上、事前に伝えることは出来ませんが…必ず民間人の被害は0にしますよ」


レオンは先程までとは違う、真剣な眼差しでそう呟く。


「ふん、ならいい。ただ、民間人に被害が出てみろ?セマフさんに相当キツく当たられるだけじゃなく勇者団の信頼度もガタ落ちだ。…気をつけろよ」


「はい、分かっています。…何かあったらまたここ、貸して下さいね!」


「…はいよ。頑張れよ、未来の勇者達!レオンは結構無茶するから気を付けろよ!」


「は、はい!」


「お店ありがとうございました!」


「いいって事よ!そんじゃ、またな!」


ガイアムに別れを告げ、レオン達は店を出た。


「さて、あんまり待たせちゃ悪いし行きますかね」


レオン達は日の暮れはじめた薄暗い路地を歩き始めた。


ーーーーーーーー


アルハリア城下町のとある寂れたバー。

そのカウンター席に黒いローブを身に纏い、深くフードを被った長髪の男の姿があった。


「ゼイル、面白い情報が入ったよ」


その長髪の男の横の椅子に、同様のローブを身につけた小柄な男が座る。


「面白い情報?言ってみろ、ジャック」


「どうやらこの町に天魔流の奴らが来てるらしいよ。しかも、目的は"僕たちを殺す事"だとか…」


「ほう、俺たちを殺すか…」


「ま、情報として聞いただけだから本当にそれが目的かは分からないけど…この町に来てるのは事実みたいだね」


「そうか、面白い…そろそろこちらからも"接触したい"と考えていた所だ」


「どうする?こっちから会いに行ってみる?」


「いや…とりあえずは様子を見よう。ここ数日、何やら勇者団の連中の動きも怪しい。何か始める気かもしれん…」


「勇者団が?僕たちに気づいたとか?」


「…"ダンテ達"の事もある。気づかれている可能性も高くはないがあるだろう。…が、とりあえず今は様子見だ。下手に動くべきではないだろう」


「了解。なんだか退屈だね…早く暴れたいなぁ…」


そう呟き、小柄な男は腰から抜き取ったナイフをペロリと舐めた。


続く。

投稿は不定期で行います。

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