第69話 依頼完了
「ヒョウ様、この先は宮殿内部の一室に繋がっております。内部から裏側の出口へ向かいましょう」
「あぁ。…くそ、天魔流の連中め…必ずや報復し一人残らず消し去ってくれる…!!」
「あぁ…ワタシの子供達…」
そんな事を呟きながらヒョウ達は地下道を進んでいく。すると、暗い地下通路の先に階段が見えてきた。
「さぁ、あちらから出られます。急いで…!」
側近の兵士に促され、ヒョウ・リン達は階段を登っていく。そして、階段の先にあった小さな鉄の扉の前に立った。
「ここを出たら天魔流に見つからないよう、慎重に、かつ素早く裏口に向かいます。よろしいですね?」
「あぁ、いいから早く出るぞ。こんなジメジメとした場所に長居などしたくない…!」
「そうヨ、せっかくの服がカビてしまうネ!」
「では行きます…さぁ、こちらへ…!!」
側近の兵士はそう言い、鉄の扉を開く。
その時だった。
突然、ガガガガガ!!!と大きな音が響き渡る。
その瞬間、扉の前にいた側近の兵士に大量の銃弾が襲いかかった。
「ぐっ…!?」
突然の事に声も出せぬまま、側近の兵士は大量の血を流しその場に倒れた。
「なんだこれは!?銃弾…!?」
ヒョウは咄嗟に身構え扉の奥を見る。
するとそこには、右腕の先端に"ガトリング砲"と呼ばれる複数の細長い銃口が円状に並んだ銃火器を携えたキャサリンの姿があった。
「まさか本当に来るなんて…流石はエルね」
「あぁ、エルの勘は頼りになるぜ…」
「貴様ら天魔流か…!!くそっ…!!」
二人を見たヒョウ達は咄嗟に地下通路の方へと逃げようとする。そんなヒョウ達に、キャサリンは右腕のガトリング砲を向けた。
「逃がさないわよ」
キャサリンはガトリング砲の側部にあるレバーをぐるぐると回す。すると、大きな音を立てガトリング砲から銃弾が放たれた。
「っ!?」
「ぐぁ…!!?」
なんとか逃げようと試みるヒョウ達だったが、その抵抗も虚しく大量の銃弾に体を貫かれあっけなくその場に倒れ込んだ。
「ふー、案外あっけなかったわね。もっと抵抗されると思ったけど…」
「あぁ、そうだな…。ま、王とはいえそこそこの老体だ…俺たちと戦うほど力は残ってなかったんだろうよ。それに、サイの国の連中は若い頃によくエネルギーを使うと"衰えが早くなる"って聞いた事もあるしな…」
「へー、そうなの…。さ、あとはエル達と合流してここから逃げるだけね」
「あぁ…。ここから出たらエルが依頼主のヤン・リンに連絡する事になってるそうだ。連絡を聞いたら反乱軍の奴らでここを乗っ取るらしい」
「本当、大胆な作戦ね…。ま、ヒョウ・リンは国民からの評価悪かったみたいだし"反乱"やら"革命"やらを起こすにしても難しくは無さそうね…」
「あぁ、奴らがなぜそんな事をしたいのかは知らんが…何か壮大な事でも企んでるんだろうな」
「ま、私たちには関係ない事ね。それじゃエルに連絡してみるわ」
「おう」
そう言うと、キャサリンの腕はガシャガシャと機械の様な音を立てガトリング砲から通常の腕へと形を戻した。
「…それにしてもお前の能力、相変わらず変わってるな」
「そう?ま、"武器を持つ手間が省ける"から便利だと言えば便利なんだけど…確かによく考えると変な能力かもね」
「大分変だと思うが…まぁ便利には違いねぇな。…さて、行くか」
「えぇ、行きましょう」
二人は地下通路に倒れるヒョウ達を背に部屋を後にした。
続く。
投稿は不定期で行います。
※今回は短めです。




