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ドリームワールド ー夢の世界の勇者達ー  作者: はるく
青龍団と赤龍団編
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第48話 蛇の毒

「いくぞ…!」


ロックスはそう呟くとクジャナの方へ走り出す。


「君の実力、見せてみなよ…!」


それに対し、クジャナは受けの姿勢を取る。

ロックスはクジャナの懐に入り込むと、岩のアーマーを纏った腕をクジャナの方へ振り上げた。

クジャナはロックスの攻撃をひらりとかわし、様子を伺っている。


「まだまだいくぜ!」


ロックスはそのまま何度もクジャナに向けて拳を振っていく。

しかし、クジャナは軽々とロックスの攻撃を避けつつ攻撃のタイミングを見計らっていた。


「お返しだよ…!」


クジャナはロックスの隙をつき蹴りを放つ。


「くっ…!」


ロックスはなんとか蹴りを両腕で防ぎ一度後ろへと下がった。


(俺の攻撃は岩を纏うとスピードが出ない…それに比べて奴はかなり身体能力が高いみたいだ。こりゃなかなか厄介だぞ…)


ロックスはクジャナの方を見つめふぅ、とため息を吐く。

同じように、クジャナもロックスの方を見て一息吐いた。


「…今度はこっちから行くよ!」


そう言うと、クジャナは両手を前に突き出す。

すると、先程と同じように両手が白い蛇へと変化しロックスの方へ向かっていく。


(また蛇か…!)


ロックスは口を開き向かってくる蛇をなんとか避けていく。しかし、徐々に体勢は崩され隙の出来たところへ白蛇が向かって来た。


「っ…!」


ロックスは咄嗟に腕を出し蛇の攻撃を防ぐ。

蛇はそのままの勢いでロックスの腕に噛み付くと、ロックスの腕に纏われた岩をガシャリと噛み砕いてしまった。


「なっ!?岩を噛み砕きやがった…!?」


ロックスは蛇から抜け出した腕を引き、後ろへ下がり態勢を立て直した。


「僕の蛇は岩でも砕く顎を持つ…!一度噛み付いたら逃げ出すのはほぼ無理だよ…!」


「なんつー蛇だ…噛まれたらヤバいな…」


「まだまだ行くよ…!!」


ロックスが一息付いている所へ、再び二匹の蛇が口を開き向かってくる。


(岩を噛み砕くんだ…こいつらに噛まれたらほんとにやばい…。だがこの蛇を操っている時奴は無防備だ。なんとか蛇を避けて一気に奴の懐へ潜り込む…それができればなんとかなるかもしれねぇな)


ロックスは向かってくる蛇に目をやる。

そして地面に手を当てた。


岩壁(ロックウォール)!!」


ロックスがそう声を上げた時、地面から大きな岩の壁が勢いよく迫り上がって来た。


「…!」


突然の事に反応できず、二匹の白蛇は岩の壁にぶつかる。


「行くぜ…おらぁ!!」


そう声を上げると、ロックスは腕を引き思い切り岩の壁を殴りつけた。


「岩の壁を…!」


すると、岩の壁は粉々ぬ砕け散り、砕け散った岩の破片がクジャナの方へ向かっていく。


「くっ…!」


クジャナは両手の蛇を手元に戻しつつ、飛んでくる岩の破片を避ける。そして少し体勢が崩れたその時だった。

クジャナの方へ長い岩の柱が向かって来ていた。


「岩の柱…!!」


岩の柱はクジャナの体へぶつかり、クジャナは後ろへと弾き飛ばされた。


「ぐぁっ!」


クジャナは受け身を取り、その場で立ち上がる。

その時だった。


「隙ありだ!!」


岩を纏ったロックスの腕が目の前まで迫って来ていた。

クジャナは咄嗟に防ごうと体を動かすが間に合わず、ロックスの拳はクジャナの顔面に思い切りぶつかった。


「っ…!!!」


クジャナさらに後ろへ殴り飛ばされ、仰向けに倒れ込んだ。


「どうだ、今のは効いただろ…!」


ロックスがそう呟いた時だった。


「っ!?」


右の肩に激痛が走る。

あまりの痛さに肩を見ると、そこには鋭い歯でロックスの肩へ噛み付く白蛇の姿があった。


「白蛇…!」


白蛇はどんどんと噛む力を強めていく。


「ぐっ…!クソっ…!!」


ロックスは咄嗟に先程の岩の破片を拾い白蛇の頭へ突き刺す。

すると白蛇はロックスの肩から離れクジャナの右手へと戻っていった。


「はぁはぁ、危なかったぜ…もう少しで肩を…」


ロックスがそう言いかけた時だった。


「フフフ…」


仰向けに倒れ込むクジャナが突然不気味な笑い声を上げる。


「な、なんだ…?」


「残念だけど…君はもう手遅れだ。僕の蛇に噛まれた時点でね…!」


そう言うと、クジャナはゆっくりと体を起こす。


「おい、どういう…っ!?」


それは突然の事だった。

今まで普通に動いていた体が熱を帯び、どんどんと痺れ始めていく。


「くっ…!なんだ…これ…!!体が…!!」


体の痺れに耐えきれず、ロックスはその場にしゃがみ込んだ。


「効いて来たみたいだね…僕の"毒"が」


「ど、毒…だと…!?」


「僕の白蛇はね…牙に"麻痺毒"を持ってるのさ」


「ま、麻痺毒…どうりで体が痺れるわけだ…」


しゃがみ込むロックスの元へクジャナはゆっくりと近づいていく。


「蛇人族はね、皆毒を持っていたんだよ。僕のような麻痺毒や猛烈な痛みを伴う毒、ジワジワと体を壊していく毒…様々にね。…人間達はそれを恐れて蛇人族を"虐殺"したのさ。毒を使い人間を襲う蛮族だってありもしない事実を作り上げてね。…君には僕たち蛇人族の気持ちが分かるかい?人間に力を与えて来たのに、それを仇で返された僕たちの気持ちが…!」


クジャナはしゃがみ込むロックスへ思い切り蹴りを放つ。


「ぐふぅ…!」


クジャナの足はロックスの腹にぶつかり、そのまま蹴り飛ばされうつ伏せに倒れ込んだ。


「…君はじっくり殺してあげるよ。僕の毒をもっと味わって貰った後にさ」


そう呟くと、クジャナはニヤリと不気味な笑みを浮かべた。


続く。



投稿は不定期で行います。

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