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ドリームワールド ー夢の世界の勇者達ー  作者: はるく
青龍団と赤龍団編
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第44話 図書館へ

リサ、ベル、エルザの三人は村を駆け抜け図書館を目指していた。


「もうすぐ着くよ!」


エルザがそう言った瞬間だった。


「あれは…!二人とも、ストップ!」


エルザは横に手を開きリサとベルの動きを止めた。


「な、なんだ?どうしたの?」


「あれ…見て…!」


エルザは青ざめた顔で指を差す。

二人は不思議に思いながらエルザの指差す先に目をやった。


「あ、あれって…!?」


「ダ、ダンテ…!?」


エルザの指差す先にいたのは鎧の男、ダンテだった。


「…ん?」


二人の声に反応しダンテは三人の方へと顔を動かす。


「か、隠れて!」


三人は素早く近くの瓦礫の影に隠れた。


「…気のせいか。ったく、見張りなんてめんどくせぇ。本当にここに奴らが来るのか…?」


ダンテは大きな伸びをしながから独り言をこぼす。


「なんでこんなとこにダンテが…!」


「やっぱり暗黒騎士団と青龍団は関係を持ってたんだね…!」


「ジェリドの言ってた事は間違ってなかったのね…!それに、奴ら…って、私たちのことかしら」


「多分そう…かな。見て、あのダンテの後ろにある建物が図書館だよ。ここにダンテがいるって事は…」


「アランはあそこにいる可能性が高いって事か…」


「そうなるわね…でも、あそこにダンテがいるんじゃ入れないわ…他に入り口は無いの?」


「えっと…図書館の入り口はあそこだけだったと思うよ…」


「うーん、あんな近くにダンテがいたんじゃ壁を壊して入るってのも無理があるよなぁ…」


三人はその場で考え込み少しの間、辺りは静寂に包まれた。

そして、その静寂を破ったのはエルザだった。


「…私が時間を稼ぐよ」


「え?」


「エルザが…?」


「うん…本格的に戦うのは無理だって分かってる…。でも、ある程度なら時間は稼げると思う。その間に二人には図書館に忍び込んでアランを助ける。…どう?」


「どうって…エルザ、相手はあのダンテよ?私たち複数人で戦っても手も足も出なかった…。一人じゃ本当に殺されちゃうわよ!」


「そうだよ、ダンテに一人で挑むなんて無茶だ…!」


「………」


二人の言葉を聞き、エルザは俯く。

そして、少し怒ったような表現で二人の方を見た。


「それじゃあ他に方法はあるの?入り口は一つしかないし、壁を壊してもすぐバレる…。相手はダンテ。三人がかりで立ち向かっても多分勝てない…。だったら、一人が囮になって他の二人が助けに行くのが一番犠牲が少なく出来る最善の方法なんだよ!そして…囮は私がやる。いや…私にやらせてほしい」


真っ直ぐな目でそう言うエルザを見て、リサとベルは顔を見合わせる。そして、ふぅとため息をついた。


「…確かにあなたの言う通りね、それが最善の方法だわ」


「あぁ…そうだな。最善の方法だ」


「二人とも…!」


「分かったわ、囮はあなたに任せる。あなたが気を引いてる間に私たちは図書館に入って地下室を見に行くわ」


「作戦には乗るけど…無茶は禁物だぞ…?」


「…うん、わかってる!私がしっかり時間を稼ぐ。そしてアランを助けて、生きて村に帰ろう!」


「あぁ!」


「えぇ!」


三人はグッと拳を合わせニコッと笑顔を浮かべた。


ーーーーーーーー


「行くぜ…!豪火炎(ごうかえん)!!」


そう叫ぶと、ジェリドは右手を引き思い切り前に突き出した。

その瞬間、ジェリドの右手から勢いよく炎が吹き出しカルムの方へ向かっていく。


「いきなりやる気だな…いいだろう」


そう呟くとカルムはしゃがみ地面に手を当てた。


氷壁(ひょうへき)!!」


カルムの声と同時に地面から氷の壁が迫り上がっていく。

次の瞬間、ジェリドの豪火炎とカルムの氷壁はぶつかり合い大きな衝撃を生む。そして、辺りは煙に包まれた。


(ま、そう簡単には行かねぇよな…)


ジェリドは後ろに下がり煙から抜け出す。


(一撃で氷壁を崩すとは…なかなかの威力があるみたいだな)


同じようにカルムも後ろへ下がり煙から抜け出した。


「いきなりの豪火炎を防ぐとは…なかなかやるじゃねぇか」


「お前もな…」


改めて二人は見つめ合う。

静寂の中、先に動き出したのはカルムだった。


「まだまだこれからだ…!」


そう呟き、カルムは再び地面に手を当てる。

すると、二本の氷の柱が放物線を描きジェリドの方へ向かっていく。


「へっ、こっちもだよ!」


ジェリドはヒラリと氷を避け、手のひらを上に向けた。


「行くぜ…!お返しだ!!」

 

ジェリドがそう言うと手のひらに炎が集まり出し、サッカーボールほどの炎の玉が作られ始める。それをジェリドはカルムに向け思い切り投げ飛ばした。


火炎弾(かえんだん)!」


投げ飛ばされた火の玉は勢いよくカルムの方へ向かっていく。


「ふん」


カルムは余裕な表情を浮かべ、火の玉をヒラリと交わした。

目標を失った火の玉はそのままカルムの後ろの地面に当たり大きく爆発を起こした。


「…!」


火の玉を避け改めて前を見た時、カルムは驚きの表情を浮かべる。

カルムの目の前にはいつのまにか燃え盛るジェリドの拳が迫ってきていた。


「くっ…!!」


突然の事に驚きながらも、咄嗟にカルムは頬を凍らせる。

その瞬間、ジェリドの拳は勢いよくカルムの頬にぶつかりカルムは後ろへと殴り飛ばされた。


「ぐぁ…!!」


「よっしゃあ!まずは一発だ!」


仰向けに倒れたカルムは体を起こし、ジェリドの方へ目をやる。

カルムの頬の氷はボロボロと崩れ、氷の下の頬には殴られた傷がしっかりと残っていた。


(氷で防いでこれか…間に合わなかったらやばかったかもな…)


カルムは口からこぼれる血を拭き取りゆっくりと立ち上がる。

そして、ジェリドの方を睨みつけた。


「行くぞ…ジェリド!」


「来いよ!いつでもいいぜ!」


二人はお互いに睨み合った。


続く。


投稿は不定期で行います。

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