第12話 誰が為に戦う
「さぁさぁ、今回は何がでるかしら!?キャハハ!!」
リシアの横にあるルーレットはぐるぐると勢いよく回って行く。
そんなルーレットを横目に、リサはリシアの方へ走り出した。
「ここから出られないなら、あなたを倒せばいいだけよ!!」
リサの剣に炎が纏われて行く。
そのまま、リサはリシアに向け剣を振った。
「キャハハ!無駄よ!あなたじゃ私に攻撃は当てられないわ!」
リシアはリサの攻撃をひらりと軽やかに避けて行く。
「もー!すばしっこいわね…!火炎の舞!!」
リサは燃え盛る剣を地面に突き刺す。すると、渦巻いた炎がリシアの方へ向かっていった。
「炎ねぇ…なかなかいい能力だけど…"守護の印"!!」
そうリシアが声を上げた時、リシアの右手に紋章が現れリシアの前に二重の円が描かれた紋章が浮かび上がった。
リサの放った炎はその紋章にぶつかり消え去った。
「なに!?私の炎が…!!」
リサは一度後ろにジャンプし体制を立て直した。
「キャハハ!さぁさぁ、こうしてる間にルーレットは止まりそうよ!」
リシアの言葉を聞き、リサはルーレットの方へ目をやる。
すると、先ほどまで勢いよく回っていたルーレットは勢いを失いゆっくり、じわじわと回っていた。
「さぁ、今回の結果は…」
ルーレットはどんどんとスピードを落とし、遂に動きを止めた。
「なーんだ、あんまり強くないやつかー。キャハハ!」
リサはルーレットの矢印を見る。すると、矢印の位置には"衝"という文字が書かれていた。
「衝…?」
「教えてあげる。これはねー…衝撃波の衝なのよ!キャハハ!さぁ、攻撃開始よ!!」
リシアの声と同時に、ルーレットからドォン!と大きな音を立て衝撃波が放たれる。
あまりの速さに、リサは避けることすらできず衝撃波はリサの体に直撃した。
「ぐはぁっ!?」
まるで体の内部が爆発したのではないかと思えるほどの衝撃が走る。あまりの衝撃と苦痛に、リサは血を吐き、後ろに吹き飛ばされた。
ドームにあたり体は止まったが、苦痛はまだまだ続いたままだった。
「ぐぅぅ…ぐぁぁ…」
リサは倒れ込み、その場でのたうち回ることしか出来なかった。二人の周りに張られていたドームがゆっくりと消えて行く。
「キャハハ!最高よ!その表情!!その声!!あぁ、もっといじめたい…。もう一回やるわよ…ルーレット!キャハハ!」
そう言うと、リシアは倒れ込むリサの方へ歩いて行く。
「はぁ…はぁ…」
リサはなんとか体を起こし、後ろへ後ずさる。
そんな様子を楽しそうに見下しながら、リシアはゆっくりと歩いて行く。
「いいわぁ…その恐怖に満ち溢れて表情。キャハハ!あなたいじめがいがあるわぁ!さぁ行くわよ!!キャハハ!!」
リシアはリサの方へと手を伸ばした。
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「さぁ、行くぜお嬢ちゃん。俺のパンチ…しっかり味わいな!!」
そう言うと、バイカはまるでボクサーのように腕を前に構える。
(あの構え…近距離系の打撃攻撃かな…。とりあえず距離を取ってれば大丈夫…)
エルザがそう考えた瞬間、バイカはその場でパンチを放った。すると、拳の形をした衝撃波がとてつもない速さでエルザの方へ向かってきた。
「うわぁ!?」
エルザはなんとか衝撃波を避ける。
外れた衝撃波は後ろの建物壁に直撃し、大きな砂煙をあげ爆発した。
「嬢ちゃん、距離を取ってれば大丈夫って思っただろ?残念だが、俺のパンチは遠くの相手も逃がさない…。その名もショックウェーブパンチ!!さぁ、どんどん行くぜ!!」
(えー…名前そのまま…ってそんなこと考えてる場合じゃなかった!とりあえず止まったらやばい…動き続けて隙を見つけなきゃ!)
「さぁさぁ、行くぜ行くぜ!」
バイカはどんどんとその場でパンチを放って行く。
何発も飛んでくるショックウェーブパンチをエルザは動き回り交わして行く。
「すばしっこい嬢ちゃんだ…。だが、いつまで持つかな!?」
(たしかに、このままだと埒があかない…。こっちからも仕掛けないと!)
「こっちも行くよ!魔蛇召喚!!」
エルザはそう言うと、地面に手をつける。
すると、地面に現れた紋章から白い大蛇が飛び出しバイカの方へ向かって行く。
「うお!?召喚獣か!!」
ナーガはシャア!!と威嚇の声を上げながらバイカの方へ向かって行く。
ナーガはバイカの前まで行くと、大きな口を開ける。
「おおっと!俺を食う気かよ!?」
ナーガの口が勢いよく閉じる。
バイカはその場で飛び上がり、ナーガの口を避けた。
「なんでジャンプ力…!」
「だろ!?俺が鍛えてるのはパンチだけじゃない!俺の体はもはや通常の人間を凌駕しているのさ!!さぁ、お返しだ!!」
バイカは空中で腕を後ろに下げ、少しの間貯めの姿勢に入る。そして、勢いよくパンチを放った。
「行くぜ!スーパーショックウェーブパンチ!!」
(名前長っ!!)
先程より巨大な衝撃波がエルザの方へ向かって行く。
(直撃したらやばい…!なんとか避けないと!!)
エルザは衝撃波を避けようと横へ飛ぶ。
しかし、間に合わず衝撃に巻き込まれてしまった。
「うわぁ!!」
ドォン!!とあたりに大きな音が響き渡る。
地面には大きな窪みができ、その中で、エルザは仰向きに倒れていた。
なんとか直撃は避けたようだったが、衝撃に巻き込まれダメージを負っているようだった。
「フハハハ!どうだ俺のスーパーショックウェーブパンチは!!直撃は避けたようだが…もう動けないんじゃないか?」
バイカは地面に降り、大きな窪みの上に立つ。
「うぅ…」
エルザは頭を押さえながら体を起こす。
「ほぉ!直撃しなかったとはいえまだ動けるとは!!なかなかタフな嬢ちゃんだ!!気に入ったぜ!!」
「…うるさい、あんたら暗黒騎士団なんかに気に入られたくない!!」
そう声を荒げたエルザの顔は、先ほどまでとは打って変わって怒りに満ち溢れたものだった。
「…ほぉ、嬢ちゃんは相当俺たち暗黒騎士団が嫌いらしいなぁ」
「当たり前だよ!私の村をめちゃくちゃにして…親まで殺されて…。あんたらだけは絶対に許さない!!」
そう言うと、エルザはふらっと立ち上がった。
「そうかい々だが残念だ!嬢ちゃんじゃあ俺には勝てない!もう一発行くぜ!!スーパーショックウェーブパンチ!!」
バイカがスーパーショックウェーブパンチの構えをとった時だった。
「!?」
後ろから、先程のナーガがバイカに噛みつこうとする。
「ふん!見え見えだ!まずはお前からだなナーガ…!?」
その時だった。地面からもう一匹ナーガが飛び出し、バイカの身体に巻きついた。
「な、何だこいつ…!!」
「おじさんさぁ、カッコつけるのはいいけどしっかり周りに警戒した方がいいよ」
「な、なんと!!ナーガの対処を怠った…!!先程の一匹とさらに会話の途中でナーガを召喚していたのか…!!」
「大正解。召喚して地面の中を潜らせてたんだ。一匹じゃあ避けられそうだったし」
ナーガはどんどんとバイカの身体を締め付けて行く。
「ぐぁぁぁ!!ギブギブ!!助けてく…」
「ナーガ、やっちゃって」
そうエルザが言った瞬間、ボキボキ!!と大きな音があたりに響く。
「ぐはぁぁぁ!!」
ナーガに体を締め付けられたバイカは、まるで糸の切れた人形のようにその場に倒れた。
「ふー…なかなか危なかった」
リサはふらつきながらその場に座り込む。
「あとは任せたよー、二人とも…」
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「はぁ、はぁ」
アランは朦朧とする意識の中、気合いだけで体を動かしていた。
「おいおい、もうフラフラじゃねぇか。どうする?諦めて降参するか?するなら解毒剤をくれてやるぜ?ガハハハハ!」
「誰が…するかよ…」
アランはフラつきながらバーガーの方へ歩いて行く。
「…どうしてそこまでして戦おうとする?お前は誰のためにそこまでして戦っている?」
その質問にアランはゆっくりと口を開く。
「困ってる人の…為だ…。困ってる人が目の前にいるのに…放っておくなんて…出来るかよ…!」
「ふん、赤の他人のために命をかけるとは…分からねぇ。なんと愚かなことだ!ガハハハハ!!人間死んだらそこで終わり、他人のことなんて気にしてると、長生きできないぜ!!」
バーガーの足がアランの腹にめり込む。
「ぐはぁ…!」
アランは吹き飛ばされ、後ろの壁に叩きつけられた。
「さぁ、そろそろ楽にしてやるぜ。お前のその威勢だけは認めてやるよ!死ね!!」
バーガーがアランの方へ走り出す。
次の瞬間だった。
「お前に…お前ら暗黒騎士団なんかには…分からなくて結構だ!!」
そうアランが声を上げた時、アランの手の紋章が黄色く光り始めた。
「な、なんだ!?」
突然の事に、バーガーはその場で足を止める。
「お前らなんかにこの気持ちは分からないだろうな…。だからこの拳で…俺が教えてやるよ…!!どれだけの人がお前らを憎んでたかをな!!」
立ち上がったアランが、先ほどまでとは比べ物にならないほどの速さでバーガー前に移動する。
「速ぇ!?」
「くらえぇぇぇえ!!!!」
光に包まれたアランの拳が、バーガーの顔面に直撃する。
「グボァ!!!?」
拳はバーガーの頬にめり込み、バーガーはそのままの勢いで建物の壁にぶつかった。
「はぁはぁ…これは、お前らのせいで苦しんだ人たちの恨みだ!!」
続く。
投稿は不定期で行います。




