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作者: 虹猫


雨が降っている




それはそれは冷たい雨だ


雨ばかりか、外の空気そのものが凍えるように冷たい


それでも皆、傘も差さずに歩いている


寒い寒い、と歩いている


傘を差してない人はまるでそのことに気付いていないようだ


頭のてっぺんからつま先まで濡れているのに気付かない


私の傘に入れてあげたいが、小さな傘でどうにも無理だ


皆が濡れて歩くから、傘差す私がおかしく見える


濡れてから傘を差しても意味がないのを知らないのだろうか


風邪を引いてから後悔しても遅いとわからないのだろうか


そんな皆に、次第と怒りが込み上げる


無知だ、馬鹿だ、と腹が立つ


しかし皆は知っている


傘がなくては雨に濡れる事を知っている


それでも濡れる事を選んだ


一度濡れたら戻れない


冷たい雨が体温を奪うだろう


皆が寒さに凍える中で私だけ傘を差している


皆からは私が非常識に映るのだろうか


一人だけ濡れずに、と怒られるだろうか


いや、きっと私が見えていない


傘に隠れて見えていない


だから私は一人待つ


冷たい雨が上がるのを、今か今か、と待っている


いつかあの重たい雲の隙間から、眩しい光が差すことを


今か、今か、と待っている


空を見上げて待っている 




あぁ今日もまた、冷たい雨が降っている    

             

          

止まない雨はないと言う


嘘か本当かは知らない

止まない雨もあるかもしれない


でも今は止まない雨はないと信じたい

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