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復讐②

俺とマルクは一定の距離を保ち、相手の出方を待つ


相手にシールドがある限り、こちらは迂闊に手が出せないし、カウンターでもされたらダメージは大きい

しかもマルクが他の魔法を使える可能性も高い


だがこのままでは埒が明かないため、仕掛ける


「テレポート!」


「…!」


瞬時に背後に周り、剣を振るう


だが…


ーキンー


「ふははは!甘い!甘いぞ!その程度の攻撃で我のシールドを破ろうなど!」


いつの間にか発動されていたシールドに弾かれ、よろけてしまう


「今度はこっちの番だ!我に仕えし炎の龍よ、その姿を現し、敵を穿て!炎龍(フレイムドラゴン)!!」


そう唱えた瞬間、マルクの頭上に魔法陣のようなものが発生しそこから炎の龍が出てきて一直線にこちらへ向かってくる


だがこちらも…


「待ってました…完全再現(リバイバル)


マルクの攻撃をくらいながらも、魔法耐性が化け物なレッドには効果が薄いため口角を上げたまま自分の魔法が増えたことに喜びを感じている


「…っ!なぜだ!なぜ無事なんじゃ!あれはワシの魔法の中で最も強力なものなのに!」


「悪いな。俺、魔法耐性つよめなんだわ」


煽る


「…くっ、化物風情が!調子に乗るな!」


「ふっ…人間如きが俺に楯突くな」


お前もちょっと前まで人間だったろうが

そんなツッコミを入れたいが幸か不幸かレッドの周りに魔族は一人もいない


「ちっ…!ならこれでどうだ!光の壁よ、その強固な守りで我を救たまえ!シールド!」


マルクの周りを光の壁が覆う

これも念の為奪っておく

完全再現リバイバル


マルクは余裕の笑みを見せると、こちらへ突進してくる


「このシールドはな!外側からの攻撃は全て弾くが、内側からなら通すことが出来るんだ!」


腰の剣を抜きながら笑顔で言う


…なんというか、気持ち悪い

顔的に50超えたおっさんが笑顔で剣を持って走ってくるのはなかなかくるものがある


だがこちらも策は考えているため、余裕の笑みを浮かべ、その策を実行に移す


「シールド」


マルクのシールドとぶつかる瞬間に唱え、シールド同士で接触する


すると…


ーバリン!ー


「…なっ!」


「ふっ…やはりか、この世に鉄壁などという矛盾を呼ぶようなものは存在しない。所詮弱肉強食、弱い方が負けるんだよ」


わかりにくいので要約すると、同じ魔法がぶつかった時、魔力(エナジー)が多い方がその効果を発揮する、というわけだ


シールドが破壊された衝撃で尻もちを着いたマルクが叫ぶ


「なっ…、なぜだ!なぜワシの魔法が使える!それも無詠唱で!」


聞きなれない単語が飛び出す


「無詠唱?どういうことだ」


「ま…まさか知らずにやっていたのか…!?魔法は普通詠唱と呼ばれる文を読まないと発言しない仕組みになってるんだよ!」


…知らなかった


あいつ(モルテ)やりよったな

どおりで魔法の習得に時間がかかったわけだ

あいつが笑っているような気がし、少しイラッとくる

…後で必ずプチ復讐するからな


「そうか…だがお前、そんなことより口調が生意気だぞ」


尻もちを着いて座っていたマルクの顔を掴み、地面にぶつけ仰向け状態にすると、格の違いを見せつけるため、無言でマルクの顔の横の地面を爆破し、抉る


「お前もこうされたくなかったら素直に質問に答えろ」


「ひぃぃい!わ、分かりました!」


よし、戦意喪失したな


「まず、なぜこのタイミングで奇襲をしてきた」


「は、はい!上からの命令で…」


「上、とは?」


「王都の王族です。あの王族がすべての実権を握っていて、その王族が下す命令を我ら9人の幹部たちで行うといった仕組みになっています」


「その9人の幹部は全員魔法が使えるのか」


「は、はい。一応全員攻撃魔法は使えます」


「お前はさっきの戦闘で使っていない魔法はあるか」


「は、はい。あと一つだけ…」


「その魔法はどんな効果なんだ」


「はい。自己再生といって体の怪我をある程度までなら完全に治せる魔法です」


「そうか、使え」


「え…?」


「使えって言ってるんだ、聞こえなかったのか?」


そう言いながら、腕に小さな傷を作ると、マルクの前に出す


「で、では…い、癒しの女神よ、そなたの力でこの者の怪我を治したまえ、自己再生(ヒール)


血が出ていた腕がひかり、みるみる傷が塞がっていく

おぉ、と内心感動しながらも、きっちり目的を果たす

完全再現リバイバル


今回の戦いで3つの新しい魔法を手に入れることが出来たのはでかい

よくやったマルクよ

次はなにを聞かれるのだろうと恐怖しているマルクを心の中でほめる


「よし、質問は以上だ」


「で、では私はこれで…」


立とうとするマルクの顔をもう一度つかみ、押し付ける


「誰が逃がすといった。お前自分がしてきたことを忘れたのか…?」


「い、いえ!そんなことは…でも、その、命だけは…」


この期に及んで命乞いか、見苦しい


「お前は終わったんだよ。ここでさよならだ」


「そ、そんな!お願いしまーー」


炎龍(フレイムドラゴン)!」


地面に押し付けていたマルクから距離をとり、さっき手にいれた魔法を使う


「どうだ、自分の魔法で死ぬ気分は!」


「き、貴様ァァァァァァァァァ!!!」


炎の龍に飲み込まれ、塵も残らずその体が消滅する


「…まずは1人目、か」


マルクを殺した途端、何故か急な脱力感に見舞われた


最後に魔法の整理をしておこうと事前にモルテに貰っていたステータスカードという自分の基礎能力が見れるカードを見ると、驚愕する…


「弱く…なってる…」


全ステータス値が少しずつ下がっていた

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