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毒親奮闘記  作者: 市原 朱恋
第1章
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No.1 母の言葉

私は今大学4年生である。あと半年で社会人になる。

これから80歳まで生きたとしても58年もある。これからの人生で再びあの人たちに苦しめられないように、これから『毒親奮闘記』と称して自分のこれまでの苦しみや理想を書いていきたい。

そしていつまで書き続けるかは分からないが、この物語のラストは幸せな家庭を築いて大好きな人達に囲まれて死んでいくそんなシーンになることを切に願う。



母からの言葉

『こんな可愛い子が殺されるくらいなら、あんたが替わりに死ねばよかったのに。』

それはニュース番組を見ている時のことだった。

その直前、内容は覚えていないが些細なことで口論となり、母は苛立っていた。

ニュースの内容は、同年代の女の子が殺されたというものだった。

『こんな可愛い子が殺されるなら、あんたが替わりに死ねばよかったのに。』


初めてテレビ越しに見る女の子の方が自分よりも大切にされている。

どうしてそんな子が死んでしまったのだろうか。

ここに死にたくてたまらない女の子がいるというのに。

どうして私を殺してくれなかったのだろう。


母の言葉を受けて私はそんなことを考えていた。



『死ぬなら自分で死んで。あんたのために刑務所に入りたくないから。』

だから叩いたり蹴ったりするときは痣が残らない程度のことしかしてこないんだ。

そう思うとそれまでの母の暴力が納得できた。

小さい頃は精神的虐待というものを知らなかった。

だから殴るなら痣ができるくらい殴って欲しいと思っていた。

痣さえ付けてくれれば、警察署でも学校の先生でも助けを求められるのに...。

そんな風に考えていた。



だから最近のニュースで

教え子と指導者の間で暴力があったとか無かったとかそんな内容を目にしても

「衝撃の映像公開!!」って言って暴力の映像が流れて

それを見たコメンテーター達が顔を歪めて「これは酷い!」なんて話していても


私にはその程度かとしか思えなかったし、痛いだろうなとは思ったけれどそれじゃ痣は出来ないよって

そんな視点で話を見ることしかできなかった。




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