表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
七聖の魔道士(しちせいのまどうし)  作者: 角 風蓮
第一章 魔道学校の新入生
7/13

5 待ちに待った……

 ジェーダはその日から、師匠に頼み込んで、彼の家に泊めてもらうことになった。そうでもしなければきっと、憧れの魔道学校には入れない。新たな道が見えた今、それを諦めたくはなかったから。


 そして、時は過ぎる。やかましい父さんも、いなくなったジェーダの捜索を諦めかけた頃に。

 オルヴィオが訪ねてきた。ジェーダの家ではない。しっかりと、師匠の家に。

「……久しいな、ドライアスメルト」

 その声も瞳も相変わらずで。嬉しかった。

「そして、あなたは……話に聞いていた、ディレイン師?」

「いかにも。今日は、何の用事で?」

「入学式についてだ。一週間後、クリュレス魔道学校にて開かれる。出席の是非を問いたい」

 それは 心待ちにしていた言葉。

「ただし、学校は全寮制だ。しばらく家族と会えなくなるぞ」

 ジェーダは、少し寂しげに師匠を見た。父さんと対立ばかりするジェーダにとって、家族とは師匠のことだ。

 けれども師匠は。相変わらずの優しい顔で、微笑んでいた。

「わたしに構う必要なんてない。君の行きたい道を行きなさい」

 いつだって、そう言ってくれるから。ジェーダは前に進める。

 ジェーダは強く頷いた。

「ぼく、行きます。その先に、目指すものがあるんだ。だから、行きます!」

「……承知した。では、その旨伝えておく。これは資料だ。目を通しておけ」

 それでは、と、藍のローブを翻し。オルヴィオは部屋を出て行った。

 これから、待ちに待った入学式が、魔道士としての日々が始まる。


 ジェーダはまだ知らなかった。この時点で、既に大きな運命に巻き込まれていることを。

まだ続きます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ