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4 校門を見据えて
かなり短いのは、そこで切った方がきりがいいからです。
頭の固い父さんは、予想したとおり、頷いてはくれなかった。
「お前は騎士の子だ。魔道士になるだなんて、おかしいだろう」
それでも、ジェーダには魔法の才能があったのだ。それを言えば。
「そのオルヴィオというやつの見立てがおかしいのだ。人を惑わせるのはよくないな。……ともかく、お前は騎士だ。魔道士じゃない」
ジェーダではなく、師匠が言っても。父さんはまったく取り合ってくれなかった。
「父さんさあ、頭固すぎなんだよっ!」
そう叫んで、その日は部屋を飛び出した。もちろん、剣をたずさえて。
知らぬ間に、魔道学校の前に着いていた。オルヴィオはいない。まあ、多忙なんだろう。少しがっかりしたが、仕方ない。
――ぼくは、絶対に魔道士になるんだ。
父さんの許可が下りない? 知らないよそんなの。
目の前には、校門がある。希望への入り口があるんだ。
――諦めたくはない、絶対に。
その日。ジェーダは。家に帰ることはなかった――
まだ続きます。