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閑話 夢の欠片
――夢を、見た。
異世界の夢を。
そこには七つの王国があって、北の王国ティサルアーフでは、魔法がひどく栄えていた。
彼の名は、夢見汐輝。いにしえの昔から、異世界の夢を、見続ける一族。
その世界は、どこかファンタジーで。けれど、確実にあるような気がして。
彼ら夢見の見る夢の、決定的な特徴は。覚えていること。
夢は、見たら忘れるもの。けれど、彼ら夢見は。細部まで覚えているのだ。
――我らは、どうしてこのような夢を、見るのだろう
それは、永遠の謎である。
ともかくも彼は、見た夢を、ノートに書き留めることにした。すべて覚えているのだ。難くはない。
それが、何の意味をなすのかは置いといて。
彼、夢見汐輝は、語る。
その世界で生きる、ジェーダらの物語を。七聖の魔道士の伝説を。
一本のペンを手にとって。
おまけの物語です。こっちはこっちで続きます。