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解放される一撃、繰り出される博麗の奥義『夢想封印』

書きかけているところに間違って別のページに飛ぶこと三度。

いきなり停止して何が起こったと思ったらブルースクリーンになり、再起動するとA disk errorとか言い始める始末。

血迷ってフラッシュメモリーを引き抜くとデータが吹き飛ぶ大参事。

最早続きを書くなという神の啓示かと思われたが、それでも書いてみる。

ハッハッハ、テキストからじゃないのでもはやこれは再構成というものだよ

――面白い、そう巫女は目の前の少年をそう評した。

先ほど伝えた霊夢の鬼才っぷりにがっくりと肩を落としてはいるが、落とすほどの事ではない、霊夢がとんでもないだけだ。

いや、とんでもないという範疇には彼という存在も確実に収まっていた。

霊夢の生活は霊力という存在と触れ合って日々を過ごしていた、つまり霊力というものを知っているという地盤がすでに出来上がっていた。

対して彼は全くの素人だ、慧音と一緒にいたということから、妖力と触れ合っているかと思えば、そんなこともなく、全くの零地点からの出発から霊力を感知した。

うん、まぁ自分が無茶振りな課題を出していることは重々承知だったが、それを速攻で片づけてしまうとはな。


「(つまりこれは、さらにとんでもない無茶ブリをしていいことだよな?)」


そう考えると、聖はブルリと冷え切った体をさらに震わせてあたりを見回し、こちらへと視線を向けてくる。


「(おっ霊夢みたいに直感もちか?うむ、無茶ブリが捻るなァ)」


笑いながら寒さでまともな動作をしないであろう聖の首根っこを掴み、持ち上げる。

そのまま神社へと向かい、霊夢が料理を用意している居間へと放り投げると、案の定受け身を取ることもできずに聖は頭から畳に着地する。

その様子に目を丸くする霊夢とピクリと動かない聖をよそ目に、豪快に笑う鬼がそこにいた。




料理から暖かそうな湯気が上がる、冷え切った体には温かいものを食べて内部から温めるのが一番だろうが、料理を出されている聖は全く箸を動かすことはなかった。

決して食欲がないというわけではないのだが、うん、なんていうか量があれだ。

何故大皿だというのに、自分の頭ぐらいまで積み上げられて、目の前に置かれているのだろうか。

米は丼に入れられて、目の前の料理を『わぁこれどっかの爆盛り特集とかでやってた気がするー』とまるで他人事のように考えた。


「食え」


現実は非常である。

普通の量を未だ6つだというのに華麗に箸を使いこなす霊夢ちゃんの量をみて、自分に出された量へと視線を戻す。

量が変わる、なんてことは一切起こることはない。真実はいつも一つ。


「ふ、普通じゃダメなんですか」


「うむ、そうしたいならそれでいいが――」


その言葉に聖はパァッと目を輝かせ――


「餓死するぞ?」


目に暗い影がその言葉で復活する。

が、餓死と……餓死と申したか!?と師匠をありえない存在を見るかのようにみるが、視線の先にいる彼女はどこ吹く風である。

涙目で周りを見回すと、丁度霊夢ちゃんと目が合うが、助け舟を出すこともなく目を逸らされる。

最早この場には神も仏もいなかった。

ならば自らの力でこの場を切り開こうと考えて、腕を組む。

反抗のポーズである、腹パンで沈められることはわかりきっていたが、反抗することに意味がある。

――おっと、師匠……何故飯櫃の蓋を取り、杓文字で米を掬っておられるのでしょうか、御代わりでしょうか、御代わりならこの俺の目の前にある丼からとってくだ


ペンッという良い音を立てて、米は山盛りである聖のどんぶりへと追加される。


もはや一刻の猶予もならない。

箸を掴み、オカズを掴み、口へと放り込み、即座に米をかき込む。

あぁおいしいなぁ、とってもおいしい、量だけが不安要素だ――。


「いただきますはどうした」


ペンッという良い音をたてて米は追加される、食事時が最も辛い時間なんて知りませんでした、と家族で食べる晩飯時に彼は語ったという。





飯前も青白い顔だったというのに、飯後はさらに酷くなっている。

吐きそうになるのを堪えていると、師匠は縁側から外へと降り立つ。


「――いい天気だな」


空を見上げる師匠は、様になっていた、服装はどうであれ、容姿はかなり美人だ。


「よし、修行するか」


そんなことを考えていた時代が僕にもありました。

いい笑顔でそう言い放つのは吐きそうにしている俺自身へと配慮なんてものは母から産まれ出る前に捨ててきたぜと言わんばかりの無情。


「30分待ってやる!」


この言葉はトチ狂った俺の口か出てきた言葉である、どっかの大佐を思わせる言葉を聞いた後に、師匠はくるりと右回転をした後に


「よし、修行するか」


昔やったゲームを思い出した、いいえを選び続けると永遠と同じ会話をし続ける思い出が復元されていく。


「わかりました、しかし――」


ならばと了承する、しかし言っておかなければいけない。


「吐きますよ」


「吐いたら夢想封印するからな」


なにその必殺技っぽい名前、殺しにかかってきてません?


「大丈夫だ、今回は空を飛ぶ修行にする」


「は、はぁ」


そう聖は微妙な返事をするが、かまうことなく師匠は霊夢ちゃんを呼ぶと、霊夢ちゃんはポンと空を飛び、師匠の横へと着地する。


「見たな、やれ」


「コツとかないんですか?」


分かることは、この人は聞かなければ答えない性格なのだろう。

冷静かつ、やるべきことはやる人ではあるが、努力すべきなのは師匠ではなく自分だ。

師匠は少し考えるそぶりを見せると、説明を始める。


「まず霊力は空を飛ぶという現象を起こすためにあるのではない、それを飛ばしてくれるものだ」


「……」


やばい混乱してきた。

つまり、あれだろうか、ヘリコプターでたとえるなら霊力は燃料ではない、飛行機そのものなのだという感じだろうか。


「大切なのはイメージだ、それを霊力に伝えると、漠然としたものでもそれを叶えてくれる」


そういうと、師匠は手の平を空に向けると、そこから青白い光を放つ弾が現れる。

それは手のひらから離れて異様な動きを見せた後に、着弾し小規模の爆発を生んだ。

そして空へと浮かび、空でくるりと回転して地面へと降り立つ。


「羽のように、鳥のように」


そう言い放ち、とりあえずはイメージが大切だと続けてこちらへと行動を促してくる。それに倣い想像する、空を飛ぶもの――といえばやはり鳥だろうか。

いや、もう少し漠然とした存在でやってみよう。

先ほどのヘリコプターだろうか。

想像すると、ふわりと浮きあがる感触が起き上り、それが面白くぐるぐるとまわ


「うぷっ」


「夢想封印!」






その時の師匠の行動は迅速かつ無情で。

有言実行を起こす人はとても信頼できると考えていたのだが――

師匠のことは信頼しないでおこうと、青白い光や赤白い光が接近している中そう思った。

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