博麗神社の母と子
とりあえず一通りここでどういうキャラがでて、どこまで書くかということを書いておこうと思います。
この物語はカリスマなレミリア、有能な美鈴、幼女な咲夜、いじっぱりだけど人を気遣う幼女霊夢があります。あと先代巫女はあくまで二次創作をベースに考えています。
一応永夜抄が最終回になります。
できれば風見幽香と殴りあうところまでやりたかったけど
ダルげふんげふん
「……だから修行をつけろ、と」
そういって腕を組んで、面倒そうにため息をつく、黒髪長髪の女性は、奇妙な巫女服ではあるが、この博麗神社の巫女である。
彼女の言い放った言葉に、慧音は頷く
「まぁ私も鬼ではない、そういった理由があるなら拒否する理由もないが――私の修行は辛いぞ?」
「聖が決めたことだ、この子の意志の強さについては私が良く知っている」
母さんがそういってこちらへと視線を向ける。
俺は巫女さんへと視線を向けてしっかりと頷いた、まっすぐ目をみて。
博麗神社で霊力修行をする、そのために今、博麗神社の前で巫女と話している。
巫女さんはこちらへと一歩近づいてくる。
「おそらく――いや、確実に霊力だけではその体を維持できないだろうな、その場合気や魔力といった能力も当然扱わなければいけなくなるし、もしかしたら神の力でさえも必要になるかもしれない、その場合死んだ方がマシだった、そう思えるような状況になるかもしれない、生半可な信念ではないということは今理解したが、そうだとしてもポックリとゴミのように死ぬかもしれない、……それでもいいのか?」
それに聖は強い意志を込めて頷いた。
彼自身、この能力と今の現状というかかわりについては予測していた。
おそらくこの状況を作り出している根本はこの能力によるものだろう。
常識や概念が通用しない程度の能力、それは死という概念でさえも通用させはしなかった、ということだ。
前世の努力の日々を思い出す、そしてそれを謳歌することもなく一瞬でぶち壊されたことを、思い出す。
だからこそ、彼は願った。
――失わないだけの力を得ることを。
後ろ向きすぎる願いかもしれない。
だがそれは、彼にとって大きな大きな信念となって、彼の背中を押し続けている。
「……よしわかった」
「やってくれるのか!」
巫女さんの返答に母さんはパァッと顔を輝かせる。
「しかし慧音」
そんな母さんに巫女さんは注意するような口調で言い放つ。
「何があろうとも口出しは厳禁だ」
そういわれた母さんは、少し心配そうに口を顔を歪めるが、ゆっくりと、しかし大きくうなずいた。
「私の、息子です」
その返答に巫女さんは苦笑しながら「とんだ親馬鹿がいたものだ」そう言うと、母さんは少し顔を赤くしてうつむいてしまった。
しかし妹紅さんにいわれたときのように取り乱して言い返すこともなく、左右に首を振った。
「聖を信頼していますから」
「……親馬鹿だろう、まぁいい、すぐに修行と言いたいところだが――霊夢!」
そういって神社の方向を見ると、神社の障子の隙間から顔をのぞかせる少女が見える。
その少女――博麗霊夢はビクリと肩を揺らすと、奥へと引っ込んで行ってしまった。
その様子を見た後に、聖と慧音をみて、気まずそうにする。
「えーっと兄……いや姉弟子にあたるんだが、まぁ気にするな、いつか笑って話せるさ」
この人適当だなァと思ったけど、口には出さない。
すると、巫女さん……いや師匠は一枚の紙をこちらへとよこす。
見てみると……護符か?
「このあたりの妖怪程度なら問題ない程度のものだ、もっていれば妖怪には気づかれない」
はぁ、と返答して師匠をみると階段を指さしていた。
「走れ」
「……はい?」
「走れ」
有無を言わそうとしないその口調に、とりあえず階段に向かう。
外へと飛び出してみる……うん、まぁいいか。
外へと飛び出していった聖をみて、慧音は首をかしげながら博麗の巫女をみる。
「……何の意味が?」
「肉体づくりはすべてにおいて基本だ」
「は、はぁ……」
「今日中に霊力を感知して空を飛べるくらいにする、むしろその程度できなければ破裂して死ね」
……慧音は今更になって不安になってきた。
「まぁそもそもアイツは強くなりがっているのだろう?」
「紫様から聞いたのか?」
「いやいや、力を渇望するやつと雰囲気が似てたんだ」
そういって巫女は空を見上げる。
その様子に疑問符を慧音は浮かべるが、追及はせずに視線を追うがやはりただの空だった。
「慧音、寺子屋の仕事が始まるだろう」
「……ん、あぁ、終わるのはどれぐらいになるんだ?」
「大丈夫だ」
「大丈夫?連れてきてくれるということか?」
「一人で帰れる程度に仕上げる」
「(聖……死ぬなよ……)」
大丈夫だろうと隣の巫女を信頼はしているが、心配である慧音だった。
「アバババババ」
「息を吸い――吐く、本能で行け」
そんな無茶な、そう思いながら聖は滝に打たれていた。
この師匠、鬼畜である。
死にそうになるまで走らされ、そのうえに死にかけてもなんか青白い光線撃ちながら空を飛びながら追ってくる、気絶したら滝へアタックさせる、これを鬼畜の所業と言わずして何が鬼畜と当てはまるのだろうか。
肺機能がまともに活動しているのかは、冷たさで体の感覚がほぼないためにわからないが、意識はあるのでまだ大丈夫だろう。
目を閉じる、ゆっくりと意識を集中させる。
中を探ると色々な色を持った力があることを理解できる。
肉体は疲れ、冷たさで麻痺している所為だろうか。
聖はゆっくりと自分を見つめ直す。
冷たさは感じなくなってきた、寧ろ今の状態が自然と一体になっているようで妙に心地よかった。
深く、深く、深く。
そうすると、何か力を手探りで手に入れることができた。
その力は自身の体へとめぐっていき、これだ!と聖は眼を開け放ち、師匠をみる。
「師匠!!」
「気だな!」
……思わず乗り出した聖がゆっくりと元の位置へと戻る。
気を発見できたということは進展だが、何故だろう、ものすごい恥ずかしい。
そして日が高くなるまで、彼はひたすら精神集中をすることとなる。
そして霊力を見つけ、テンションを上げた時の言葉が
「まぁ霊夢は三十分で見つけたけどな」
である。
読み直したら文法がおかしいのを発見し修正を二回ほど。