初授業と未来の魔法少女
何故か魔理沙の父を筋肉主義者にしたてあげるあほがここいるよ!
前書きで次回のネタバレをするあほがここにいるよ!
つまり魔理沙の父はパワー厨なんだね!
火力大好きな未来の彼女は遺伝だったんだね!という頭のおかしい発想で生まれました。
時の流れは早く、それはたとえ授業初日というげんなりするイベントが待ち構えていたとしても、彼に配慮などなく進んで行ってしまう。
何事もなく、といえども……日に日に黒く染まっていく慧音の眼の下のクマに妹紅と聖のダブル寝かせアタックを敢行したこと以外特にイベントもなく、気が付けば初日となり、彼は教室の入り口で立ち止まり待ち構えていた。
前世で転校といったものは経験したことがないために、学校への途中入学なんてやったことがない、つまり何もかもがはじめてのため、彼の心臓の鼓動は時がたつにつれて大きくなる。
名前を呼ばれ、教室内へと入ると、視線が聖へと集まる。
壇上へと上がり、慧音の隣へと立ち、前を向く。
多種多様の顔ぶれがある、幻想郷は、人外がたくさんいるし、何があってもおかしくない場所だと、聖は理解していたが、黒髪から金髪やら赤髪やら、母親である慧音の銀髪やらで、本当に日本なのかものすごく信じられない、そう聖は思った。
――お前が言うなと誰かが言った気がする。
「私の息子の上白沢聖だ」
そう慧音が言葉を発した瞬間、沈黙していた教室内が時が止まったかのように停止した。
視界の端で隠れるように立っていた妹紅姉ちゃんがアチャーと言わんばかりに額に手を当てた。
次の瞬間である。
『ええええええええええええ!?』
爆発した、前から突風が吹き荒れるような幻覚を見た。
教室は騒然とする、慧音は自らの説明不足を理解して落ち着かせようとするが効果がない。
何故か頭突きの素振りをし始めた、やめてください俺の自己紹介を頭突きで締めくくるつもりなんですかッ
その間にも言葉は交わされていく。
「なッなんだってー!?」
「夫はァ!夫は誰なんですかァ!」
「聖獣の一斉は学び舎を混沌の渦へと引き込む……!」
「どういうことなんだ!?」
「ちくわ大明神」
「静かにするんだ!話を……」
「「「「誰だ今の」」」」
今に至るまで、赤ん坊であったり、そもそも慧音が警戒してあまり外に出さなかったり、書庫にこもっていたりするために聖の存在をするものは人里の内部でも一握りの人物しかいない、お隣の夫婦と母と姉、あとは物を買いに行くときの店員ぐらいだろうか。
慧音自身授業を受けてよいということは、外を自由にしても良いということと同じ意味でもある。
少しずつ静かになった教室内部は、やっと慧音が話せるほどに静かになった。
「聖は養子だ、両親が死んだので私が引き取ることになった」
「つまりけーねせんせーはいまだ独身ってこと?」
「ばっかオメー、女の人はそういうこと気にするって母ちゃんいってたぞ」
「じゃあそういう人をどういえばいいんだよ」
「うーん期限切れ?」
「よしそこの二人、後で私のところに来い」
「「すいませんでしたッッ!!」」
「あーえっと、先ほど紹介していただきました、上白沢聖です、聖って呼んでください、好きなものは母さんの料理と歴史書、趣味は歴史書を読むことになります、よろしくお願いします」
大よそ6歳児の自己紹介ではない自己紹介をして喧騒は収集を迎える。
「じゃあ聖、あそこの席に座ってくれ」
「はい、先生」
そういって聖は席の間を抜けて、自分の席となった場所へと到着し、正座する。
一息をついて前を向くと、前の席にいた金髪の女の子が振り向き、笑顔を向けてくるので、彼も笑顔を返す。
「私、霧雨魔理沙っていうんだ!よろしくね!」
「うんよろしく!先ほどの自己紹介でも言ったが上白沢聖、聖ってよんでくれ」
「うん、聖!」
そういって笑いあう二人をみて、慧音は少し嬉しそうに顔を綻ばせた後にすぐに先生の顔へと変貌する。
「――さて授業を始める、前回のおさらいから始める!」
こうして聖の初授業が始まった。
「……」
授業が終わり、聖は眼を閉じて停止する。
……受けてみる授業は違った印象を受ける、話は歴史好きの身としては最高だったが、子供として考えるとあれだ『ツッマンネッ!』といった感じだ。
お堅い、ジョークの一つもない。
「……」
母さんが授業を終わった後『どうだった?どうだった?』と聞きたがっているような視線を向けていることは理解しているが、聖は現実逃避している。
どう説明すればいいのだろうか。
「終わったねー」
「……そうだな」
前の席の魔理沙が話しかけてくる、少し疲れたように笑みを浮かべている。
「聖、今日一緒に遊ばない?」
「うん?あぁ遊ぶか!」
「うぉっ、魔理沙にとられたか、明日遊ぼうぜ、聖!」
「一緒に遊ばないのか?」
「聖は魔理沙と一緒に遊ぶの初めてになるだろ?つまり家に行くことになるんだよ」
表情をみる、苦虫を噛み潰したような顔をしている、行くのがこれほどまでに嫌になるような人物なのだろうか?
男の子と遊ぶなら一度見せに来い!ということか……つまり
「あーもしかして父親が厳格な人なのか?」
「げんかく?」
「厳しい人なのか?」
難しかっただろうかと言葉を簡単なものへと変えて再度問いかけると、少年は少し考えて、微妙な顔をする。
「……魔理沙のお父さんに会えばわかるよ」
「あは、あはは」
魔理沙が苦笑いをしている。
どんな人なんだ、魔理沙父。
あ、ちなみに妹紅の口調は通常は男勝りの口調、シリアス展開になると女性口調に変えることにしました。
うん、ぶっちゃけ扱いずらい。