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紅霧異変・終

・メモ帳でかきこむだけでフリーズする

・書き終わったらブルースクリーンがでてさようなら

・お金貯めて新しいパソコン買ったよ

・ログインパスワード忘れる

・どういう物語だったか忘れる

・主人公が主人公してない――のはいつも通り

夜明け前の薄暗い空に、赤と黄と青の三食がぶつかり合い、猛々しい音を響かせる。

遠目から見ても赤が黄と青を潰し、喰らおうとしているのは見て取れた。

狂気に包まれた少女は、赴くままに攻撃を放つ。

その攻撃は『殺す』という一つの言葉のみ。

その殺気は周辺の妖魔を怯えさせるほどに辺り一帯にまき散らされる。

対する巫女と魔法使いはすでにガス欠。

残った力と、回復する力を合わせて何とか死んでいないといった状況だ。

九死に一生を得る、なんてことを既に何十回繰り返したのかわからない。



――そしてそれはこれからも続く。


――目の前の吸血鬼ではない、唯の化け物が喰らうまで




魔理沙の腕は震え始める、血色の良かったはずの顔は青白く、それは彼女にとって初めてのことだった。

単純な魔力欠乏などではない、魔力を無理矢理捻りだすことで生命の危機に陥りかけていることは見て取れる。

そんな彼女をみて霊夢は冷や汗を掻く。

すでに八卦炉を構える力すらなく、落ちかけては力を籠めを繰り返している。

冷静に離脱方法を考えなければならない。

範囲はそこまで大きくはないが瞬間移動のようなものが使えるはずだ。

しかしあれはやろうとしてやれることではない、――いや逃げようと考えれば発動する、本能で動くのだからこの現状から発動することはたやすいだろう。

しかし二人でいけるのか、……恐らくは無理だろう。

本能に頼っている時点で二人で逃げられるとは思えない。


「どうした霊夢?、疲れたのなら私一人で大丈夫だ!」


魔理沙が視線に気づいたのか、強がりをいってくる。

その瞬間に一人で逃げるという選択肢が消滅した、いや元より選択の範囲外ではあるが、補欠からも遠ざかった。

八卦炉を下から支えるように手を突き出すと、魔理沙は驚いたようにこちらをみる。


「――信頼してるわよ」


最初に出会ってから言えなかった言葉を魔理沙に告げる。

魔理沙は驚いたような顔をしているが、すぐに笑顔になる。

夜明けを狙うしかない――


「大丈夫だ、霊夢」


そうね、大丈夫よ。


「聖がくるさ」


「……あ」


思い出す、弟と呼ぶ少年のことを。

大人っぽく常識人なせいで、いつも振り回される少年を。

一緒にいて安心するし楽しいけれども、心の奥底では頼りないと考えていた。



――次の瞬間だった、黒い光線が赤を塗りつぶし、一瞬で消滅させる。

空気が破裂するような音をたて、浅黒い何かが目の前に現れる。

色々な翼を生やし、鎧のような鱗を持ち、強い力の波動を感じさせる。


「霊夢――姉さんと魔理沙か、館を……いやそれはいいや」


低い声、何故上半身裸――いや翼が生えているからか。

筋肉質な体、記憶になる上白沢聖と比べると巨木を思わせる肉体――振り向いて笑顔を向けてくるその顔は記憶にある少年と似ていた。


「聖……やっぱり来るか!」


「やっぱり?」


「最初に襲われた時良いところできただろ?」


「いや来たけどさ――いいとこどりしようとか考えてないぞ?」


「ハハハ、どうだか――うぉっ!?」


「魔理沙!?」


気が抜けたせいか、魔力が切れかかりかろうじて浮いていた程度の魔理沙が落下しはじめて、すぐさま聖に受け止められる。

そのまま小脇に抱えられ、少しの間キョトンとした後に顔を赤くしてジタバタとする彼女は小動物を思わせた。

そんな彼の背後から赤い光線が向かってくるのに気づき、霊夢は声を出そうとした瞬間に、彼の周辺に黒い塊が発生し、それは瞬時に弾幕を消去した。


「魔理沙を頼む」


「わかったわ」


受け取って抱っこの状態になる魔理沙は「大丈夫だ!」とか喚いていたので放り出すと落下していった。

それをみた聖は「ほわぁっ!?」という奇妙な声を出した後に魔法陣を構成し一時的な足場を作り出したので、霊夢もその場に降り立つことにした。


「お、鬼……」


「大丈夫っていったじゃない」


「霊夢がなんか変になったと思ったがいつも通りだったぜ……」


立ち上がれない魔理沙の横に座る、こちらに狂気をぶつけていた金髪の吸血鬼が、聖へと視線を向けていた。










「フランドール様」


「聖、どいて」


紅い瞳をギラつかせ、聖へとフランドールは冷たい声で言い放つ。

それに対する聖の返答は


「館を壊したのは、貴方ですか」


「聖でも……え?」


真剣な表情で何を問うかと思えば聖は館を壊したのは誰だと問う。


「フランドール様!そこらじゅうに貴方の妖力が残ってるんだから否定しても無駄ですからねッ!」


まさかの斜め横の怒りである。

止めに来たとか、助けに来た人が殺されかけてとか、予想から外れた怒りに思わずフランドールが素になった。


「いいですか、フランドール様」


「う、うん」


「正式に執事にしてくれるそうです」


「よ、よかったね」


「祝、執事正式採用!その初めての仕事がほぼ崩壊した館の修繕!これはブラック会社も真っ青だよ!一人でやるとかどういうことですか!」


「ぶ、ブラック会社?」


聖が私よりおかしくなった、とフランドールは混乱し始めているようだ。








――間近で聞いている二人の内魔理沙はあんぐりと口を開いたままそのやり取りを見ていた。

そんな魔理沙をみて、霊夢は一つため息をついた後、恐らくではあるが聖についての見解を述べる。


「――聖は今、異様なほどに大きな力が制御できず周辺に放出している状態になるわね」


「つまりあの狂気を相殺しているのか?」


つまりは空気が読めない状態なのか、と何気に酷いことを魔理沙は考えながら、それでもあそこまでハイテンションになっているのはおかしいと、そう考えると、その思考を見透かしたように霊夢が解答する。


「その上力によってハイになっているんじゃないかしら?」


なるほど、と魔理沙はパンッと両掌を合わせた。

ある意味最高の状態かもしれない、あの吸血鬼は狂気を振りまいている。

そして聖はそれを受け付けず、テンションが高い、自分が何をいっているのかもわかってないかもしれない。

そうなると狂気を振りまく少女にはある意味で天敵だろう。

すでに聖のペースに飲まれている時点でそうであることは確定だ。


「なんにせよあの吸血鬼が付いていけなくてポカーンとしているな」










「ふぅ、フランドール様、私は怒っています」


「う、うん、ごめんね、聖」


「えぇ、なんでレミリア様とフランドール様は二人とも深い絆で結ばれているのにすれ違っているのでしょうか」


「えっ」


いつのまに話が変わったのか、いつもの聖じゃないことにかなり困惑気味なフランドールは現状把握に努めようとする。

元より無理である、酒に酔い思考が定まらないやつに意味ある会話をしようとするなんて。

酒の席に慣れた人なら理解している。


「レミリア様は貴方のためにこの異変をやりましたけどね、自分がやられちゃあダメなんですよ、それでね、フランドール様はレミリア様が幸せになってほしいからこそ一人ぼっちになったんですよ」


「うん……」


「それで俺が強くなったらフランドール様もいっしょにいてもいい存在ができる、そうすれば幸せになれる、そうレミリア様は思ったんですよ」


「お姉さま……」


「――そのことについて言いたいことは有りますか」


フランドールはうつむき、ギュッと服を両手でつかんだ。

しかしすぐにこちらへと視線を向ける、決意したようなまなざしだった。


「お姉さまといっしょにいたい」


心の底からの願いに聖は深く頷きを返した。


「それを、レミリア様に言いましょう。俺は思い通りにいきました、ですが不幸せになる思い通りは拒否します、誰が認めようと認めたやつに全力投球します、そしてレミリア様に銀歯で銀紙を噛む痛みが不定期に起こる魔法をかけます」


「よくわからないんだけど、できればやめてあげてほしいなぁ……」


「あと、俺を頼ってください」


穏やかな声で聖は言い放った。

優しい笑みを浮かべているが彼はハイになっている。


「さらに言うなら、スペルカードルールを覚えてください」


「……すぺるかぁどるーる?」


「平和的かつ、力の天秤が一方に偏りすぎていても、もう一方に勝利が舞い込む可能性がある、そんなゲームです。そうですね、軽く説明をするので戦ってみますか」


そういって懐から複数のカードを取り出す。

スペルカード、弾幕を作り上げ、カードへと投影するものだ。

これは博麗の巫女でもあり、姉である博麗霊夢の作り出したルールである。

レミリア様曰く、妖怪の賢者ともよばれ、この幻想郷の管理者である八雲紫が裏にいるということで、恐らくは博麗の巫女のスペルカードルールを使用せずに戦った場合何かしらペナルティがあるかもしれない、とのこと。

力も強い、能力も強い、そんなフランドール様が本気で力を振るえば紫様がすっ飛んできそうなので絶対に覚えてほしい。

説明をある程度終えたところで、フランドール様のスペルカードが複数完成していた。

――早過ぎると思うのだが、早くスペルカードを使いたいといった感情がフラン様から見えるので、こちらも数枚スペルカードを取り出す。


「やりますか?」


「うん!」


笑顔でうなずいてくれたので、スペルカードへと魔力を通していく。

スペルカードは淡い光を放ち始めていく。


「――Hey!Hey!」


「「Come on! Come on!」」


先ほどまでの狂気はなんだったのか、少女は笑顔だった。

無邪気な笑顔でルールのあるゲームをする。

そんな彼らをみて、霊夢と魔理沙は先ほどまでの焦りと恐怖は夢のように感じられて、呆れたようにため息をついた。


「ここに居続けるわけにもいかないし、飛べるくらいには回復したでしょう?」


「あ、あぁ、大丈夫だ」


少しフラつきながらも魔理沙は空へと飛び、それを見ながら霊夢は続いて空を飛ぶ。

肉眼でこの異変の首謀者を見たとき、優雅にお茶会なんて楽しみやがってと霊夢は心の中で悪態をついた。







崩壊しかけの館にて、白い机と椅子に腰かけて、優雅にティータイムをする二人と、それに付き従う従者二二人は、空から降りてくる博麗の巫女と魔法使いを出迎える。


「危なかったわね」


「おいコラ」


しれっと言い放つレミリアに、何優雅にお茶会なんかしてんのよ、と霊夢が視線を向けると、軽々と受け流して向かい側の椅子を指す。

疲れているし、この崩壊した館で座ると衣服が汚れそうなために素直に座ると、瞬時に紅茶が現れた。

驚く魔理沙を尻目にレミリアへと向かう。


「満足かしら」


不満げにそう言い放たれた言葉にレミリアは微笑して頷いた。


「ハァ、もう面倒事はこりごりよ」


「恐らく、異変はまた起こるわよ?」


スペルカードルールは異変を起こしやすくする、霊夢は知ってか知らずか、今日一番の大きなため息を吐いて、認めるんじゃなかったわ、とポツリと洩らした。

同じ魔法使い同士の会話をしている魔理沙と紫色の魔法使いをチラリとみる。

紫のほうは呆れたように、魔理沙は誇ったように。


「おう霊夢、負け犬だ」


魔理沙がこちらの視線に気づき、紫の魔法使いを説明する。

負け犬――否定はできないが中々に失礼だ。

相手が魔法使いとして上位に位置することは理解しているのであろうが――勝ったことに気が大きくなっているのだろう。


「パチュリー・ノーレッジよ、――負けたことは認めるけど、その言い方だけはやめてほしいわ」


「魔法使いとしてはあんたのほうが強いはずよね?全スペルカードにマスタースパークで全力突貫されたとか?」


「よくわかったわね」


「……魔法使いについてはよくわからないんだけど、魔法使いとしての戦いではどうなの?」


「ないわね」


「だ、だけど勝ちは勝ちだ!」


まぁいいけど、強くなったのは事実のようだし。

そう霊夢は思いながら空を見上げる。

黒い球が聖の周囲に展開され、そこからレーザーが飛び交っている。

紅い霧は既にない。


――なんとか終わったようね

飲み終わったら家に帰り、お風呂に入って寝ましょうか。

次の異変は起こるでしょうけど、今回のように首謀者をぶちのめしても終わらない上に死にかけるような異変ではないといいのだけど。

心配かけっぱなしなあの弟――いや、既に対等だろう。

お詫びとして、聖には何をやらせようか。


主人公、上白沢聖

イメージ

『どんな相手にでも笑顔でおかえりと言える青年』


狂気をそいでレミリアの真意を言って

ていうか話し合えよお前らという話。


一週間以内に次の話やろう

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