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紅魔館の一日

紅霧異変の聖はムッキムキの長身で、髪は長め。

そして咲夜は幼いころにいつの間にか森の中にいて、記憶がなく美鈴に拾われ、能力が開花したときに妹の暴走時に戦力になるように銀のナイフを与えられたという設定。文花帖とグリモワールオブマリサ買いました。茨歌仙一巻も買いました。

学生実家住みアルバイターは金銭面に余裕があっていいですね。


博麗霊夢は鳥居と石階段の間に仁王立ちしていた。

その光景をみて、冷や汗が背に流れるのを感じた。

お、おお俺何もやってないよな?と自問するが答えは帰ってこず、かといって回れ右をして全力で逃走するわけにもいかず、気が付けば石階段を登り切り、舗装された石畳の道へと到達してしまった。

霊夢姉さんはゆっくりと聖へと指さす。


「――弟は、姉に絶対服従だけど」


一呼吸おいて、霊夢姉さんは言い放つ。


「姉は、弟を護るものなのよ」


そういって回れ右をして、神社の方へと去っていく。

――なんだったんだろうか、そう考えて、その答えはすぐにわかった。

気を使われたんだ、俺は。


「霊夢はやさしいだろう」


「……そうですね」


突如として声をかけられる、舗装された道から外れた林道の日の光の入りにくい場所に師匠はいた。

なんだかつまらなそうにゆっくりとでてくる、ビビるとでも思ったのか、その登場の仕方はすでに何十回も繰り返されている、いい加減なれる。


「嫁にしたいか?」


「それはお断りですが」


「……」


「……」


「今回は27倍だな」


そんな殺生なッ!?







「さて、本日は気と魔力について簡潔に説明しましょう」


美鈴師匠が修行を始める前に講義をはじめだす。


「気と魔力の違いをしることは境界を深めることにもつながります」


そういわれて頷く、ちゃんとした違いを知れば気と魔力を操作する際に扱いやすくなりはするだろう。


「気とは生命エネルギー魔力は精神エネルギーといった分けられ方が一般的ですが、それだと不十分です、気とは肉体を燃やして得る力であり、魔力とは周りに精神力を使用し働きかける力です」


「となると、魔力のほうが効率がいいんですか?」


「いえ、使用方法が異なります、気を使っても魔法のまねごとができますが、かなり燃費が悪いですし、それは魔力を使って気のまねごとをしても同じことです、魔法は『強化』という魔法を使いますが、気は何もフィルターを通すことなく気の密度を上げるだけで強化されます」


つまり、魔法での『強化』は『強化の魔術』を使用し、魔力で空間に干渉し、肉体を強くするという工程をする。

気での『強化』は『気を強くする』だけで強くなる。


「つまり特化するものがある、ということですか」


「霊力や妖力といったものでもおそらくは同じです、その特化した内容を自在に操れるようになるだけでもかなりの能力向上になるでしょう」


「そういえば浮かぶことってどのエネルギーでもできますよね、それってどれが一番楽だとかあるんですか?」


「それはないですよ、浮遊は基本的に『エネルギーで飛ぶ』ものです、それに良し悪しはありません、飛ぶためのエネルギーを得るために、木を燃やすか、木の葉を燃やすかという違いしかありません、熟練の人々はその木を乾いた木々にして燃焼度を上げられる、といった違いくらいですかね」


えぇっと団扇で風を作り出すという結果を作り出したい時、紙をわら半紙にしようと、画用紙にしようと結局は風を作り出すという結果には影響がない……という例えでいいのだろうか。


「さて、気は……」


息を一つ吐く瞬間に、右腕が微量に発光する。

近くの木へと近づき、右腕がブレたかと思うと、木の幹が破裂する。

そこから破裂した場所から上を持ち、握りつぶす。

そこからさらに上を投げ飛ばし、右腕の発光が手のひらへと集まり――一つの光となり、放たれた光は木へと吸い込まれ、爆発する。

この木が何をしたっていうんだろうか。


「気を留めて威力を高める、気をもって筋肉を強化する、気を放出し攻撃するの三点に特化しています、少しどこまでやれるか試してみてください」


そういわれてみて、気を操作する。

霊力とはあまり変わらないようだ、留めることと放出することは可能なようだ。

しかし強化は――。


「いたたい!?痛い痛いッなんかビキビキいってる!?」


「まぁこうなりますね」


予想できたってことですかい!?ビキビキと肉離れのような痛みが広がり転げまわる。

やっと収まった後に、美鈴師匠をみる。


「気の操作はまず自分の肉体を知ることから始めましょう、もとより肉体作りはある程度はできているので、そこからさらに鍛えていきます、いつも通りストレッチと体操は基本、太極拳から、走ることや筋トレ、武術の反復練習をもって、自らの肉体について良く知りましょう、今のは自分の肉体を大幅に超越した強化を行ったので、耐え切れなくなった筋肉が悲鳴を上げたようなものです」


その言葉に頷く、さてストレッチと体操をしてウォーミングアップをした後に筋トレをやって走る、そのあとに武術の反復練習をいつも通りやるが、ちゃんと説明された後やることに対する姿勢が大きく変わる。


「美鈴、聖くん、お昼御飯だよ」


「よしっ!」


「お昼ですね!」


紅魔館のお昼は洋風だ、楽しみだ。






「さて、この魔法は大気中に存在する水分を集めたり、召喚する魔法によるもので――」


午後は魔法の授業である。

小悪魔さんが本とノートをみながら、どこからか取り出してきたホワイトボードで説明する。

その隣でパチュリー師匠が本を読む……師匠?


「先日渡した本は読んできましたか?」


「あぁイタリア語のやつですか?はい」


「あれは化学についてじっくりと説明されたものなので、魔法を扱うことにはとてもかかわりが深く、理解すればするほどに魔法の使用に大きく影響します」


そういって講義は開始され、魔法の構成などの説明が開始される。

魔法などを実技をして、この魔法によってひきおこされた現象を説明され。

パタン、とパチュリー師匠が本を読む手を止める音が、終了の合図だった。

小悪魔さんは軽く要点をまとめて、本を一冊渡す。

スタンダードな英語だ、よかった。


「……」


「なにかしら?」


「師匠ですよね?」


「ええ、そうじゃないかしら?それじゃ紅茶をいれてくれないかしら」


「は、はい」


何故だ……師事の許可を得てからこの人から直接教えられたのが紅茶の入れ方なんだが……。


「魔術・魔法に対する知識の差をうめるためよ」


……幻想郷の人々は大体人の思考を読んでくるんだよな。

しかし、知識の差か、……おそらく一生埋まらないのだろうなと思いながらも、本を一冊抱えて歩き出す。


「あ、終わったの?」


地下から地上へと出ると、箒を持った咲夜ちゃんが声をかけてくる。


「うん、紅茶をいれようと思ってね」


「後で持っていこうか?」


嬉しい言葉ではあるが、箒を見る限り掃除中だ、迷惑をかけるわけにはいかないし遠慮させてもらおう。


「いや、自分で入れるよ、掃除終わってないんでしょ?」


「ううん、この箒は片づけに行こうとしてる途中だからもう終わってるよ」


終わっているらしい、美鈴さんが掃除は咲夜ちゃんのほうが上手いといっていたが、効率面に関しても上を行くらしい。

それとも妖精メイドの扱いが上手いのだろうか。

この紅魔館は妖精を雇い、この広い屋敷の運営していっているのだが、妖精自体自分のことで手一杯だ、自分のごはんを取り、自分の部屋を掃除する、それぐらいしかできない。

しかし最近は館の掃除をしているところを見受けられる。


「でも、もうすぐレミリアさん起きちゃうでしょう?」


「あ、そうだった!お嬢様起こしてくるね!」


「うん」


そういって駆け出していく咲夜ちゃんを見送った後に紅茶を入れて図書館へと戻る。

パチュリー師匠は紅茶の入ったティーカップを取り、口に含み、テーブルへと静かに置いた。


「60点、飲めるようにはなったわね」


テストの平均点程度の点数を下す。

これでも家で練習したのだ。母さんと姉さんから同時に

『『魔法の授業と何か関係あるのか?』』と問いかけられて何も言えなかった苦い思い出がよみがえってくる。


「いつも通りお願いね」


「はい」


そういわれて、近くにあるナイフを取り出し、指先を切り裂く。

血が流れ、シャーレの上へと落とす。


「……いつも通り、まずそうね」


声が背後から聞こえて振り向くと、そこにいたのはレミリアさんだった。


「あ、おはようございます」


「おはよう、レミィ」


「おはよう」


そういって苦々しそうに俺の血をみつめるレミリア、なんだろう変に傷つく。

一度興味をもってペロッと舐めた後に苦虫を噛み潰したような顔をして気持ち悪そうにされたことがある、すごい傷ついた。

その後『醤油とブルーベリージャムに酸味のあるものを加えて――まぁあれね、料理ベタな人が作った料理みたいな味よ』と言われた。

なるほど、つまりごちゃごちゃな味で不協和音を立てていると。


「味の良しあしは関係ないのよ」


そういって興味深そうにシャーレを様々な角度でパチュリー師匠は眺め、どこからか色々な液体を取り出していく。


「能力の所為であっても何故複数の能力をもって人体が正常を保っていられるのかを知りたいだけなのだから」


そういって血を複数に分けて、液体へと投入する。

それらを眺め始める。

レミリアさんはパチュリー師匠の前にある俺の入れた紅茶を取ると、一口含んだ。


「……咲夜にいれてもらいなさいよ」


「聖の入れた紅茶に少し興味をもったのよ」


「……それで、評価は?」


「まぁ60点ね」


さすが親友だ、全く同じ点数の評価だ。

正確性がわかるよ……畜生……。


「お嬢様、紅茶をお持ちいたしました」


「ありがとう、……90点ね」


「これからも精進します」


「咲夜も聖の紅茶の評価をしてくれないかしら」


咲夜ちゃんの紅茶の点数は90点、圧倒的。

レミリアさんは俺のいれた紅茶を咲夜さんへと手渡す。

手渡された咲夜ちゃんは一口含む。


「お湯の温度はもう少し高いほうがいいです、茶葉はもう少し蒸らすようにしたほうがおいしくなります」


「だそうよ、これからも精進しなさい?」


「ご、ご指導ありがとうございました、精進させていただきます……」


「あ、でもおいしいよ!」


「でも、もう少し料理も紅茶も上手くなればいいのだけど」


パチュリー師匠での修行内容がなんかおかしい。

なんだ、執事でもやればいいのか、って感じだ。

いつの間にか館の掃除させられてそうだなぁなんて思いながら時間が過ぎていった。

一週間後、俺は館の掃除をしているわけだが。

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